『1シート・マーケティング』
近くを通りかかったら、ふらっと店頭を覗こうと思っている書店
池袋の天狼院書店です。
書店と言いながら、カフェ併設だしライティングだったり様々なことが学べる講座を、かなり盛りだくさんで開催しているステキ本屋なのです。いわゆる大型書店ではないので、売り場面積は非常に小さいですが、その代わりこだわりのセレクト本が置いてあります。個人的には演劇・映像分野の本が充実してるのが嬉しくて、結構な頻度で通っています。(うちの奥様は同じビル1つ下の階のユザワヤが御用達です。)
その天狼院書店グループ店主の三浦崇典さんの著作『1シート・マーケティング』を読みました。
写真家、小説家、編集者などなど。様々な肩書きを持つ三浦さんがビジネスを立ち上げる時に大事にしている「稼ぐ(マーケティング)力」。
それを「7つのマーケティング・クリエーション」という考え方に沿って展開し、
「稼ぐ力」をつけることで、人生をエンターテイメント化させていこう。
色んなビジネスを立ち上げ、失敗し成功し、そして人生を楽しんでいる三浦さんならではの語り口で、”マーケティング”を語った本であり、実践的に考え方を習得することのできる本です。
興味深いなと思ったのは、”マーケティング”=”理想の状態”を維持すること。
と定義づけているところです。
なんだかビジネスでマーケティングの話ともなると、経済の話とお金の話とかが苦手な人にとっては、出てくる用語だけでもかなりハードル高い。
でもこの本では、上記の定義づけのように、難しいビジネス用語が非常にわかりやすく説明されていて、経済やビジネスなどの専門知識が」ない僕でも、本当に気負わず読めました。
この「気負わず読める」というのが、ビジネス書でとても大切なことだと思っていて。
どうしても、本を出版している人は、多くの場合ビジネスを成功させている人だし、簡単にいうと何かを成し遂げた人だと思うんです。だからこそ、普通の人には再現性のないものだったり、簡単には転用できないものもある印象です。
でもこの本で語られている思考法、大げさに言ってしまえば”生き方”は多分多くの「普通の」人が、自分ごとだと当てはめて考えられる。
ビジネス本でありつつ、これからの時代を生き抜いていく”生き方本”としても読める、良書でありました。
個人的には、最後の章で取り上げられている[ケース・スタディ]で小劇場演劇のことが取り上げられていまして、
もう真っ正直に”稼げない”と言われているのが、ちょっと笑ってしまいました。
(本書の中では、その中でも稼げる役職やポジションはあると書かれています)
ド派手な黄色い見た目より、親しみやすい本でありました。