【中学受験#9】 筑波大附属 生徒による説明会(Season2)
初めて訪問。
ここもJG同様、娘と一緒に。
JGの生徒による説明からハシゴしたため、護国寺駅からの坂道で挫折しそうになる娘を鼓舞しながら参加。
ザ・学校な施設
136年って言っていたかな?
歴史ある学校だけに、施設も年季が入っている。
私立とちがって、講堂などではなく、体育館での説明会。
ただ、巨大な冷房が近くにありとても涼しく快適だった。
教室も体育館も、公立校では馴染みのあるデザイン。
ハード面では、私立の方が充実しているのは仕方がない。
新校舎とかを学校選びにおける重要な基準にするなら、差は明らかだろう。
うちは、ハードよりソフト重視なので、あまり気にならない。娘も今のところは校舎などに注目している様子はない。
真面目な優等生による学校説明
これまでも何校か参加してきた「生徒による〜」と銘打っている企画。
最初から最後まで生徒だけが話すイメージだったが、校長先生の話もあった。逆に珍しい。
前半は中学生による説明で、スライドは動画などはなく文字だけのシンプルな作り。
説明も用意した原稿をきっちり読むような、「ちゃんとしている」説明会。
特に強調していたのは、自治と自主性。
行事、校則、予算など、とにかく生徒が自分たちで決めていけるのが魅力、と。
ただ、自由型の最難関校は、程度の差こそあれ、どの学校も自主性を重んじ、自由度が高い。
さらに一歩踏み込んだ、学校の魅力を紹介してほしいなー、と思いながら聴いていた。
この段階では、公立の学校に1人だけいる、勉強は圧倒的にできて、部活でも部長を務め、生徒会長までこなすという真面目な超優等生が集まっているのかなー、という印象。
衝撃的だった、生徒によるディスカッション
説明会が一通り終わると、司会の大学生(東京医科歯科大)が出てきて、パネルディスカッション形式に。
最初のパネリストは中学生だけ。
やはりここでも質問にきっちりわかりやすく答えてくれる。
優等生イメージが強い。
ところが、途中から高校生と卒業生が出てきて、雰囲気が一変する。
明らかに垢抜けているし、話す内容も魅力的。
全員が優等生というイメージではなく、個性が際立っている。
中学から高校にかけての、この成長を見せるのが狙いか? と思わされるほどに。
高校生で、「一番がんばっているのは勉強」という人がいる。
一方、「鉄緑会に通っていたが、嫌になって海外大を目指している。そのために起業家コンテストなど、課外活動に力を入れている」
という人もいる。
鉄緑会に通ったまま東大に受かった、という人もいる。
彼らの話がことごとく面白い。
企画上の成功だと思うが、参加者がその場で資料についているQRコードから、パネリストに直接質問をすることができる。
話を聴いていて疑問に感じたことを、すぐに質問できる。
それを踏まえてパネリストは答えてくれる。
だから、ストレスのないちょっとした双方向性がある。
それも、彼らの話をリアルにしている原因だったと思う。
ただ、あまり個別のことは書かないし、メモもしていない。
なぜかというと、
「これは、彼らの個がすごかっただけでは?」
という疑問が拭えなかったから。
つまり、彼らの話を通して、学校や学校生活が透かし見えたわけではなかった。
学校を見えにくくしていた明確な理由が1つある。
それは、彼らパネリストの中学受験での実績がすごすぎるのだ。
パネリストの個性の強さ
これも珍しい企画だが、パネリスト及び司会者の全員が、中学受験でどんな学校を受けて、どんな学校に合格し、筑波大附属を選んだのかを発表してくれた。
「私は、1月校で浦明と渋幕を受けて、1日に桜蔭、2日に渋渋、3日に筑附を受けて、ありがたいことに全て合格をもらい、筑附に進学しました」
「僕は、1月校で栄東と渋幕、1日に開成、2日に聖光、3日に筑附を受けて、ありがたいことに全て合格をもらい、筑附に進学しました」
という発表が続く。
これが、1人2人ではなく、パネリスト全員がこんな調子で。
しばらく聴いていると、
「あれ、結局、全員が最難関を全勝してる?」
という状態。
4、5人目になると、会場もちょっと引いて「失笑」が起きたほど。
たまらず、パネリストの1人でOBの人が、
「いや、みんなこんな人ばかりじゃないです。他は落ちて、筑附だけに受かってきたという人もいます」
とフォローするほど。
この合格実績が、明らかにバイアスになってしまった。
だから、筑附という学校のすごさ以上に、この子たちの個性が凄すぎるだけではないのか、と思わされてしまう。
とても好印象な生徒と先生たち
とはいえ、入り口から会場まで立って挨拶をしてくれた中学生の生徒さんたちの印象は好印象だった。
娘が転びそうになったら、
「大丈夫?気をつけてね」
と駆けよってくれる子がいたり。
先生たちも、好印象。
挨拶もにこやかにしてくれるし、帰り際に雨が降ってきたときには、
「濡れてはいけないものがあったらビニール袋に入れてくださいね」
「今、ちょっと小ぶりになっているから、チャンスかもしれません」
などと、気を遣った声をかけてくれる先生が多かった。
東京ではないが、ある国立附属の学校説明会に参加したとき、教員の高圧的な態度に辟易したこともある。
それに比べたら、ものすごくいい先生たちなんだろうな、我が子を預けたいなと思わせる要素は多かった。
そんなわけで、とても充実したイベントだったが、娘にとっては判断材料にはなりにくかったかな。
中学受験生へのメッセージ
あるパネリストが、最後のコメントとして言っていたことがとてもよかった。
これを聞いたとき、来てよかったと思った。
娘も、やる気になっていた。
「中学受験なんて意味ない」
「教育虐待だ」
という声もあるけれど、小学校受験とか中学受験とか高校受験とか、どこで受験をするかで重要なわけじゃない。
どんな受験をして、何が子どもの中に残るかが大切。
何年先かはわからないけれど、あとで振り返ったとき、彼のように言える主体的な受験をすれば、いつ受験をしたっていい経験になるはずだ。
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