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子どもの「自習力」を磨く
「どこの塾がいいか?」
「通信教育がいいか?」
「家庭教師か?」
いろんな選択肢がありますが、「自習力」さえついていれば、どこでも力をつけることは可能です。逆にこれがなければ、どこでだれに教わっても効果が出にくくなります。
自習力が学力差を覆す
大学受験の予備校に通っていたとき、トップのクラスの全員が、東大や早慶に受かったわけではありませんでした。同じ教材を使って、同じ講師に学び、ほぼ同じ時間だけ授業を受けても、身につく力は人によって異なります。
そのちがいは、スタートラインでの学力差以上のものがあります。つまり、学習開始時に、学力が下だったとしても、自習力があれば、学力が上の人を越えることは可能だということです。
授業中に学び取ることのちがい、授業以外の時間の自習の質のちがいが、学力差を埋めて、逆転するためには必須だと感じています。
だから、小さい頃から「自習力」を高めていく必要があります。「自習力」は、CANTERAでも重視しているので、どう日々の学習で子どもたちの「自習力」を磨こうとしているかを紹介します。
「自習力」の正体
「自習力」とは、単に一人で学習するというレベルではありません。
「自習力」を分解すると、
自己分析力
目標設定力
戦略立案力
実行力
となります。
自己分析力
まず、自分のことを客観的に分析する必要があります。何ができて、何ができないか。どんなことが得意で、どんなことが苦手か。どうしてできるのか、できないのか。どんな学びかたは好きか、嫌いか。など、自分のことを知る必要があります。
賢い子は、小学生の頃から自分を客観視できています。できない人は、大人になってもできません。
自己分析ができると、授業の聞き方に濃淡をつけることができます。
「自分にとって必要な情報だからよく聞いておこう」
「ここは得意な単元だから、さらっとでいいや」
と。
塾から課された宿題でも、取捨選択ができます。どの単元を何回学習したらよいかという判断ができます。もちろん時短になるし、自分にとって重要な単元だけ集中して学ぶので、効果が高くなるのは自明です。
逆に自分を客観視することができないと、学びの質が低くなります。
目標設定力
次に、目標は何なのかを設定します。
算数オリンピックか、中学受験か、高校受験か、資格か。
かなり大きな目標です。
本気で目指したいと思える目標でありながら実現可能な目標を設定する。簡単なことではありません。
「とりあえず、御三家を目標にする」
と言っても、「本気」じゃないと意味が薄まります。
たとえ、親や塾の先生に「無理」と言われても、自分なりの算段で「絶対行く!」と思えるくらいのもの。小学生の場合は、親のサポートが必要な目標設定。
戦略立案力
目標が設定できたら、計画に落とし込みます。どんなステップで進んでいくのか。どんな教材を使うのか、どんな塾へ通うのか。いつまでに何をして、何ができるようにするか。
さらに、何をしないのか。捨てる方が難しいです。
毎日の学習で何をするか、あまりうまくいかないときに、どう修正するか。
中学受験の塾の話を聞いていると、全員一律に「これをしてください」と言います。たまに個別に「これをしておくといい」と言ってくれる塾・・・というか先生もいますが。基本的には全員同じ課題が課されます。
でも、それをやるときの気持ちや時間はバラバラです。同じものをやっても、同じように力はつきません。だからこそ、自己分析力でわかった自分にフィットするようカスタマイズする必要があります。
大学受験くらいなら、誰もやってくれないので、自分でやるしかない。というか、そういう力も含めて大学受験です。
中学受験は、親がやってしまっているケースも多いでしょう。すると、決められた課題をこなすだけになる。それは結局遠回りになっていると思います。
親はプロデューサーだけど、自分で決められるところは、なるべく自分で判断できるようにしてあげたほうがいいと思っています。
それらに日付を打っていくところまで計画したら、あとは実行あるのみです。
実行力
実行にこそ難所がたくさんあります。疲れているときや、難問にぶつかったときなど、やる気が出ないときもあります。モチベーションを自分でコントロールできる力が求められます。
また、計画通り進めても、うまく成果が出なかったときは、内省してやり方を修正することも必要です。そんなときに、塾が悪い、教材が悪い、日程が悪いと他責にしていても意味がありません。
全部ひっくるめて「自習力」です。
どうやって「自習力」を身につけるか
奥が深い力で、一朝一夕では身につきません。
なにはともあれ、学習を習慣化することです。この段階では、やるべき内容はほぼ親が決めてしまってもいいし、塾の言われたものを日々こなすことを目標にしてもいい。
学習するテキストやプリントや筆記用具は、親が用意してしまってもいいと思います。
次に、日々の学習の記録を取ります。自分はどれだけのことをしたのか、どんな成果が出ているのか、何分で何をやったのか、ということ。最初は、ただ記録していくだけでもいい。記録して変化が見えるようになると、自己分析に繋がっていきます。
単に模試の点数と偏差値と順位だけを見ていてもできるようにはなりません。分析につながりにくいからです。
自己分析ができたら、学習計画を自分で立てる練習をします。あくまで、練習なのでサポートをします。何をするかを全部自分で決めるのではなく、選択肢を出します。
A、漢字の書き取り
B、計算の練習
C、読書
「どれする?」
みたいに。
課題に取り組みながら、より効率よく自分自身を磨く方法に修正をくり返しながら、学習していきます。
モチベーションが下がりそうなときは、どうしたら気持ちが戻るかも一緒に考えてあげるとよいでしょう。
身につけたら最強だけど、身につけるのは大変な「自習力」。
別に学習でつけなくてもいいと思います。
スポーツや他の習い事でも言えることです。勉強やスポーツができるようになるためではなく、「自習力」を養うことを大きな目標として関わると、指導する側も対応が変わってくるはずです。