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正しいことは続かない。楽しいことは続けられる。〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

良太から始まったウィルス性胃腸炎は、マスクに手袋に、消毒と、気をつけていたものの、たったの2日間で、良太→おばあちゃん→奈美ちゃん→私と、家族全員が感染してしまいました。

そのしんどさたるや、ものすごかった。一晩中、吐き続けて頭はクラクラ、手は痺れ、寝返りすらできなくなり・・・。

今年2度目の、死ぬかもしれないくらいのえらいこっちゃでした。

完全復活するまでにちょっと時間がかかってしまったせいで、わたしのなんちゃって一人暮らし部屋にもしばらく行くことができませんでした。

気がかりだったのはそこに置いている、愛する大事な大事な観葉植物たち。

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暑いし、お水もあげられなかったし、枯れたり病気になったりしてないかと、気が気ではなく。

ようやくいけるぞ!ってなった日には、良太も一緒に来てくれました。

悲しいかな予想通り、瀕死の状態の観葉植物がいくつか。

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枯れる寸前で葉っぱがぐったりしてたり。

葉っぱが乾燥しすぎてハダニがついて病気になっていたり。

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これは大変!早く助けてあげないと

部屋の中の葉っぱたちはわたしがお世話できたのですが、ベランダのものは無理。

なぜなら車いすで出ることが難しい段差があるのと、腹筋・背筋がきかず、両手がうまく使えないわたしは、かがんで足元の葉っぱをハサミで切ることができないからです。

頼みの綱は良太でした。

とはいえ、良太にとって植物のお世話は初体験。

初めてのことをするのが得意ではない良太には、これやってねだけではとても不安になります。

こういう時は笑顔でゆっくり、わかりやすい言葉を選んでお願いをします。

わたし「葉っぱが病気になったみたい。かわいそうだからチョキチョキ、ハサミで切って助けてあげてくれる?」

良太「えっと・・・あの・・・ん・・・」

わたし「良太が助けてくれたら、葉っぱもママも嬉しいんやけど、お願いしてもいい?」

良太「うん!わかった!がんばる!」

いざ!ハサミを握りしめ、良太はベランダへ!
のっそのっそと出ていく良太の背中がとても頼もしく見えました。

「これと、それと、それを切ってね!」
「白くなってる葉っぱを切るんだよ!」
「あっ!もっと下から!」
「違う違う!それじゃなくて、こっちの葉っぱ!」

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わたしが続けて教えすぎると、良太はとたんに口を尖らせます。
そういう時はまず、一生懸命に頑張って上手にやってくれていることを褒めるのです。

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「そうそうそう!めちゃくちゃじょうずやわ!」
「天才やわ!」
「かっこいいわ!」
「さすが良太!」
「見て!葉っぱが喜んでるわ!」

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すっかり慣れた手つきで上手にやっれのける良太。

そんなこんなで、気がつけばわたしも良太もノリノリ。

楽しくなってきました。

そうしているうちに、どんどん腕を上げ、わたしがおしえなくても上手に剪定までできるようになりました。たった1時間ほどで立派な植木職人(風)になっていたはずが!

最後に栄養剤をあげようと、わたしがその場を離れた隙に・・・あれ?

あれあれ???


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根本にたくさんあった、元気な赤ちゃん葉っぱが全部なくなっているではありませんか。

この子たちはどこ行ったーーー?


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どうやら良太は葉っぱを切るのが楽しくなったようで、切らなくてもいい元気な葉っぱまでサクサクッと全部切っちゃったようです。

ガーン。

ツンツルテン状態。

褒めすぎたのか・・・。

それ切ったらあかんやつやん!って、ちょっと苛立ちながら言いそうになりましたが、それは我慢。

これは切らないでねと言わなかったわたしが悪いのです。
良太はただ楽しかっただけなんだから。頑張ってくれたんだから。

最初から病気の葉っぱと新芽を見分けて切ること、これは初心者の良太にとっては難しいことでした。

楽しい!
今日はこれで終わっておこう。
植物のお世話は楽しい!そう感じてもらえたらそれでよし。

すると次の日の朝。

昨日、自分が助けた葉っぱたちがどうなったのかが気になったようで、良太はベランダに出て葉っぱたちをながめていました。

そして、「大丈夫か?」と声をかけて自ら優しーくお水をやってくれていました。

えらいぞ、良太!

新芽を切ってしまったことを叱らなくてよかった。
あの瞬間に、それは間違ってるよって正しいことを教えなくてよかった。

あの時大切だったのは、正しいことを教えることではなく、ワクワクする感情を創り出すことだったんだ。

正しいことだけ伝えてもきっと行動は始まらないし、続かないんだろうな。
楽しければ自分から何かしようって思えるし、やる気がうまれるし。そしてそれが自信になる。きっと。

そうだ!わたしも、これからのことを悩んでいる場合ではない!
ワクワクすることを探してみよう。
わたしのスケジュールをワクワクすることでうめていこう!

そんなことを思いついただけでもうワクワクするわたし。

ちなみに、植物は病気になった葉っぱを切ってやると、すぐに大きくなって前よりも元気になるそうです。

おかげさまで、1週間もしないうちに元気な新芽がにゅきにょき、小さな葉っぱは大きく元気に育っています。

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ということは・・・もしかしたわたしも?!
病気をする前よりも今の方が元気になっているののかもしれません。










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