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身体と心の理解を深めるために続けているいくつかのこと[後編]

ボイストレーニングは、歌い方や声の出し方だけを教えるものではありません。声と身体はつながっているから、身体と心の理解は不可欠です。
かつては声についてだけを教えられれば良いと思っていました。それでは到底追いかないことに気づいたのは、ボイストレーナーになってから随分経ってからでした。
相変わらず歩みの遅い私です。

さて、細く長く続けていることのもう一つは、神社へのお参りです。

日本全国に存在する、一宮という神社のご朱印を集めはじめたことが、神社に親しむきっかけです。お参りを始めてから、気づいたら20年近くの歳月が流れました。それまでは、神社には全然興味はありませんでした。

昨年秋から、月に一度、群馬県の渋川八幡宮にお参りすることに決めました。1年間は続けようと思っています。鈍行列車で片道3時間の旅。

そこでは「大祓詞」という神道でもっとも大切な祝詞を手書きで書き写します。送り仮名を含めて全て漢字です。
スラスラ書いているつもりでも、毎回90分近く掛かります。普段のボイストレーニングのレッスンと同じくらいの時間を掛けて書きます。集中して書いているつもりでも、毎回不思議と眠くなるのです。なぜだろう。

渋川八幡宮の宮司、小野善一郎先生は、人は誰もが心の中心に神を宿している(心神)、そして大祓詞を広めようと、精力的に活動されています。

心は澱みやすく、濁りやすい。とどまれば濁り、油断すると、たちまち霧のような不安と迷いに包まれてしまうものです。

弱さや自信のなさをきっぱりと断ち切りたい。もちろん、神社で、大祓詞を書けば何とかなる、というわけではありません。揺れやすい心をどう鎮めるか。

むしろ、悩みや迷いこそが、幻想といいます。自分の一番中心に戻れば、静謐があるのみ。
その中心をいかにして保つか。誰もが、日々の生活の中で常に試されている、そう感じる今日この頃です。

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