個展とイラストと年齢と
毎年恒例の個展が終わりました。
毎年2月下旬から3月上旬の2週間開催しています。
ちょうど冬から春に移り変わる絶妙な時期。
始まりはいつも寒く、冬のコートを着て頬を冷たくしながら搬入します。終わる頃には寒さも和らぎ薄手のコートにチェンジ。暖かな空気に頬を赤くする。
冬から春へ、気持ちの切り替えのためにもこの時期の個展は必須です。
ギャラリーの前にはミモザの花が咲いています。個展最終日の3月8日はミモザの日。黄色の可愛い花が最終日を彩ってくれました。
あれからバタバタと年末年始を過ごし、3月中旬の今やっと落ち着いてきました。
前回重めのnoteを書いたのですが、読んだ感想をちょこちょこいただきました。
自分の弱さを吐き出しているので恥ずかしい部分もあったのですが、書いてよかったです。人生紆余曲折あって当たり前。結局はなるようにしかならないんだと、今はだいぶ割り切れるようになりました。
今年の個展のテーマは2、「ドゥドゥの庭」とタイトルを付けました。
2022年2月と何かと2が続くので、これを取り入れようと思ったのがきっかけです。猫も2(にゃー)だしね。
サブテーマにお花やお茶を取り入れました。
本物の押し花をイラストに貼って、新しい作品を作っています。
色鮮やかな押し花と柔らかいタッチのイラストがとても合いました。
新しい作風を見つけることができて、今回の個展も大成功だったと思います。
個展は私の1年の始まりの儀式。また今回描いた作品と一緒にこれからの1年もがんばります。
展示の様子。
話題は変わって、タイトルの最後の「年齢」
今回の個展中も在廊された他の作家さん達やお客さまと、年齢についてイラストについてたくさん話をしました。
私はイラストを描くとき失敗をしません。
描き慣れているからというより失敗も成功のうちと捉えていることが多いからです。時々これはダメだなと思うことももちろんあります。
そんな時は無駄な修正はせず、さっさと新しい紙に描く。その方がきっともっといい絵になるとわかっているから。そんな潔さも絵描きには必要で、それは失敗ではなくて新しい絵を描くための一つのステップだと思えばいい。
私は自分のイラストが大好きで、自分で自分の絵を褒める。最高に可愛くきれいに描けたイラストが愛おしい。だから謙遜は嫌いで「大したことないんだけど…」とか自分の絵を卑下することは絶対にしない。
私が自分のイラストを発表し始めた歳は36歳でした。
もともとイラストは好きで本当に小さな頃から描いていたけど、どうしたら絵描きになれるのか長らくわからないまま過ごしていました。
専門学生時代は好きなはずのイラストの単位を落とし、賞だって今までもらった事はない。でも絵描きになれたのです。
20代の人が「もう今からじゃ…」と言う。どうしてみんな始める年齢に制限をつけてしまうのか。いくつになっても好きなことを続けていけばいいのに。
正直私はイラストレーターとしてそこまで稼げていないし、職業と言ってしまうのは烏滸がましいのかもしれないけど、根底にあるのは「描きたい」それだけ。
ただそれだけでも続けていける。
自分に見切りをつけないで。
絵描きになって12年目のまだまだ未熟な私はそう思うのです。