優勝を目指し「負けた」、JPortのIVS LAUNCHPADの一部始終
JPortを運営するSPeakは、2023年で17回目を迎えた日本最大級ピッチイベント IVS LAUNCHPADに6月29日登壇いたしました。初めての大型ピッチイベント登壇で、『優勝』を目指しましたが、結果は優勝・入賞もできず華麗に負けました。2023年6月29日京都での、たった「6分」に至る道のりや気づきを備忘録として書き留めておこうと思います。
LAUNCHPAD応募前「ピッチより事業集中」
これまで、若手外国人材のユーザー増加・コミュニティのエンゲージメント高めること、企業ユーザーへの営業〜CS活動と、採用活動・資金調達に専念してきたので、リソース的にPRやピッチイベントには本腰を入れてきませんでした。なので、一番最初のピッチデックは、いわゆるピッチデックではなく「営業資料」に毛が生えた状態でした。
さすがにこのままじゃ応募できないと思い、当社の頼れるアドバイザー Xiqiaoさん〜Daisukeさんに紹介してもらった元コンサルのYukikoさんと一緒に「ピッチデック」の型となるワードストーリーを作っていきました。
第三者のおかげで、考えが整理された一方、まだまだ「ピッチデック」というレベルにはこの段階では全くなっていませんでした。今振り返ると、全体の構成・目立たせる数値や実績や強み・デザイン、どれをとってもまだスライド完成度は1%。
4/12 「資金調達・採用に効くらしい。まずは応募してみよう。」
前述のとおり、基本的にPRっぽいことは一切してきませんでした。ただ、今後の資金調達や採用を考えて「応募してみよう」と深く考えずに応募をさせていただきました。
IVS選考期間:本気で向き合い、助けを乞う
4/18-4/30「ターニングポイント = ヘイミッチとの出会い」
二次選考に向けて、ここで頼れる「ヘイミッチ(勝手につけたニックネーム)」に弟子入り。
(👇の 6/8~ のところで「ヘイミッチ」が誰のことかはわかります)
ヘイミッチから「1番の強みがわからない。このままだったら全然ダメ。結局、何が言いたい。本気でプレゼン資料に向き合ってるか?ビジーすぎて見づらい。JPortの強みってもっとあるじゃん?」など厳しくも熱いフィードバックをもらう。映画「ハンガーゲーム」の主人公カットニスに厳しくするヘイミッチのように。
ここで火がつきました🔥「他の大事な業務もやりながら、このピッチも優勝できる準備をする」と覚悟を決めました。
ひとまず、スライドやデモビデオやクリエイティブを作成しまくりました。合計、100枚近く。Canvaありがとう。そしてデモビデオやクリエイティブの素材を作ってくれたチームメンバーや協力してくれた社外のコミュニティのみんなにも感謝しかありません。
スライド・デモ・クリエイティブをガンガン作った後は、過去のIVSや他のピッチイベントの登壇者や優勝者のプレゼンを見まくり、どういうスライドの見せ方をされてきているか研究。音ありで聞くとプレゼンの声に集中してしまうので、音声なしで本当にさまざまなスタートアップの方のピッチデックを参考にさせていただきました。
※参考にしたスタートアップの皆様※
SHE/ Petokoto / Tensor technology / SmartHR / Funds / Wamazing etc…
5/1~5/24「2次審査通過! 『優勝』宣言」
2次審査通過前から、チームメンバーにはプレゼン練習を毎週してきましたが、2次審査通過のニュースを受けて『優勝』をメンバー全員に宣言!
継続的に、ヘイミッチとのスライド・プレゼン練習特訓。優勝宣言したものの、過去のIVS優勝者や決勝進出者や違うピッチの動画をたくさん見てきていたので、まだこのままじゃ勝てないと内心思っていました。
LAUNCHPAD登壇決定〜本番当日
5/29「最終選考通過!初・大型ピッチイベント登壇決定」
メンバーのWeekly Meetingが始まる寸前に、IVSからメールが届きました。ひとりで開くのも怖いし、みんなの成果でもあるので、Weekly Meetingでみんなの前でメールを開きました。
ヘイミッチやたくさんの方々の支えもあり、ストーリー展開はある程度はできていましたが、スライドにはまだまだ納得はしてませんでした。
伝え方はまだまだ不十分だけど、あせらずまずは、納得できるスライドを作ることを優先しました。
5/30~6/7 「スライドの追い込み」
JPortのことを知らない・若手外国人材を知らない人でも伝わるスライドを増やすためにも、納得いくストーリーに合ったスライドを0から作る気持ちで、作りまくりました。「強み」をCユーザーサイド・Bユーザーサイド共に一番伝わるスライドを選ぶことに注力をしました。ここでスライドの完成度がグンと上がってきました。
6/8~6/23 「社外の人たちにフィードバックをたくさんもらう」
ここからはスライド完成度高めながらも、6分で「優勝」するために本当にたくさんの人たちにピッチして、フィードバックもらってというのを2週間続けた。ここには書ききれない人たちが協力をしてくれました。大感謝。
6/16~6/23 「録画〜観る〜修正」を繰り返す
・フィードバックをたくさんの方々にもらいながらも、伝え方の完成度も上げないと勝てないと思い、ここからは同時進行で自主練に明け暮れる。
・ありがたいことに、入居させて頂いている CIRCLE by ANRI のCOCREATEという夜になると東京タワー独り占めの会議室で、連日連夜これをひたすら繰り返す。スポーツと同じ、反復練習・映像振り返りは純粋に効果的。ステージをイメージしライトを消して練習。
6/24~6/25「伝え方・スクリプト・声の抑揚チャート」
・この段階では、まだ「伝え方」の完成度が低いのが課題でした。
・いままでのスクリプトを録画した動画で見直し続けて、シンプルなパワーワードを使い、小学生でもわかる言葉選び、専門用語やカタカナ英語を極力使わないことや、スライドやセクションごとの「接続詞」や「間」を意識して、スクリプトをアップデートしていきました。
・最後20秒だけは「魂の言葉でスクリプトなしで伝えたい」当日の感情で決めると決めました。
・自分本来の落ち着いた声をベースに、声の抑揚・手・立ち位置チャートを作る
6/24~6/27「ひたすら自主練」
・予定よりも1日前倒しで京都入り
・京都入り後も、ホテル〜人気のない鴨川河川敷の往復し、自主練
・スクリプトを完全記憶し、6分でなく、5分40秒で終わるスピードに調整
・完全記憶したスクリプトを多少の間違えを許容して「自分の言葉」にする
・最後の20秒は、スクリプトなし。オーディエンスの心に話しかけるつもりで、色々なパターンを試す。(けどまだ決めない、当日の気持ちで決める)
・散歩中の家族やランナーたちに見られても、気にしない気にしない!
6/28 本番前日 リハーサル後のメンバーからの金言・サプライズ
本番前日のリハーサルは、メンバー同行可だったので、NicoleとOtomiに動画とってもらい、リハーサル後にスタバで彼女たちから最後のフィードバックをもらいました。
<最後のフィードバック>
・動きすぎ。スポットライトが追いつかないからステージ中央にいて。
・手を動かす時、止める時のメリハリをつけて。
・声が大きすぎるから、7割程度で。力みすぎ。
・常にオーディエンスの目を見て話して。
・セリフ完璧に覚えてるけど、なんかいつものHiromiさんじゃない。
この最後のフィードバックが響きました。
この数ヶ月、他の大事な営業やCSなどもやる傍ら、かなりの時間とリソースを LAUNCHPADに費やしてきた。振り返ると「心の余裕」が本番に近づくにつれて減っていき、本番前日に心の余裕が「0%」になっていることに気づかされました。Otomi & Nicoleからの「金言」。
金言をもらった直後、Nicoleからスタバで「これ観て!」と言われた動画。
ホテルへ戻る路線バスの中で、過去・現在までのインターンやメンバーからのビデオメッセージを見て、人目をはばからず涙が止まらない。本番前夜に動画をくれるところも、本当に粋なメンバーたち。
6/28 本番前夜:心の余裕0%→ 100%
・👆の最後のフィードバックを素直に聞いて、もう今夜は練習はしないと決めて、心の余裕を 0から100%に引き上げることに集中しました!
・京都に来てホテル〜鴨川沿いの往復しかしてなかったけど、初めて京都っぽくホテル近くのお好み焼き屋に入り、家族とフェイスタイムしながら、他愛もない会話でリラックス。at お好み焼き屋「あらた」。
・今までの活動してきた画像や動画をとにかく目に焼き付ける、背負っているものを再認識する
・サウナでリラックス
・入浴後、6秒深呼吸〜7秒息止める〜8秒息を吐くを、気が済むまで繰り返し「素」になるまで繰り返す
・あったかいアイマスクをして、寝ました。
6/29 本番の朝から直前まで
・朝方6時に起きて、最後の20秒でどんなことが言いたいかを『素』でホテルのメモ用紙に書きなぐる。もう1回寝て、10時に起きて、コンビニで食べたいものをお腹いっぱい食べました。ホテルを出発する前に、最後の自主練を「納得できるまで」やり、3発目で納得の出来ができたところで事前準備は完了。事前にできることは、やり切ったと言い切れる自信がつきました。
・会場入りし、全国から応援い駆けつけてくれたメンバー、コミュニティのSenpai、学生ユーザー 10名と合流し、青空決起MTG。
各メンバーと握手・ハグを交わし、控室に向かいました。
・控室入り後は、お気に入りの音楽聞いたり、歩きながらストレッチ、鏡見ながらアイコンタクト練習したりして出番を待ちました。
・出番10分前:ステージ脇で、突如、吐き気とげっぷが止まらなくなる。「これは最高の緊張の副作用だ」と言い聞かせながら、ユーザー・メンバー・お客様・普段からお世話になる恩人の方々・家族の笑顔を思い出す。
・出番2分前にメンタルがやっと整う
・出番1分前:「この最高の舞台を楽しもう」
本番 LAUNCHPADスタート!
今までの練習の中でも、本当に「ベスト」なプレゼンテーションをすることができました。6分を噛み締めながら、JPortの魅力を伝えきりました。
結果は、優勝・入賞もできず。正直、発表直後や終了後2日ぐらいは、結果を出せなかった自分に対して悔しさしかなかったです。
しかし、落ち着いて振り返ってみると、JPortのプレゼンの熟練度や熱量は良かったと思う一方、今の「JPort」にはないトラクションや時流やオーディエンスに「伝え方」や身近に感じていただける努力など、あらゆる部分でまだまだだったと痛感しています。
ファイナリストの起業家の方のプレゼンは全て素晴らしかったです。一緒に登壇された起業家の皆さんにはリスペクトしかありません。
本番から1週間を過ぎようとしてる今
というわけで、嵐のような夢のような舞台から離れて、1週間。
この1週間、仕事で関わっている人たちや今まで知らなかった方から「感動した」「ありがとう」「最高だった」のメッセージをいただき本当に感謝しかありません。
そして何よりも、反響がすごいです。
#IVSありがたい
「投資検討したい」「サービス導入したい」「連携したい」などとIVSが掲げている「実利につながる」機会を本当にたくさんいただいており、おかげさまで、7月の予定が1週間で一気に埋まりました。
そして何よりも今までスタートアップシーンであまり聞かなかった「若手外国人材」や「国籍のDEI」が少しでも注目をいただけたことが本当に嬉しいです。
改めて、感謝の気持ちしかありません。
素晴らしいご縁をたくさんいただき多くの方々へありがとうございました。
確かに、IVS LAUNCHPAD「優勝」という戦いには負けました。
しかし、私たちは事業成長〜ビジョンを実現していきます。
「グローバルなヒトがグローバルな会社・社会をつくる」といビジョンを実現し、日本を「グローバル人材先進国」にします。