【鈴木忠志】『SCOT サマー・シーズン』ってどんなもの?<利賀村で過ごす3日間>
前回書いたのは、日本が世界に誇る演出家•鈴木忠志の『SCOT サマー・シーズン』(以下、フェスティバル)を、今年初めて観に行って感動した話。
とはいえ、私も実際に行ってみるまでは、「過疎村に行くってどんな感じなの?一人で行けるのかなあ…」と少し不安に思っていました。
より多くの人に足を運んでもらいたいフェスティバルなので、今回は、東京からフェスティバルに参加する際の一連の流れを紹介したいと思います!
まずは簡単にフェスティバルの紹介から。
既にフェスティバルに行く予定の人は、「2. 東京から利賀村への行き方」へスキップしてください(笑)
1. 『SCOT サマー・シーズン』とは
一言にすると、日本が世界に誇る演出家<鈴木忠志>の舞台を一気見(!)できる、1年に1回の(!)貴重な機会です。
鈴木忠志の舞台は、このフェスティバル以外にも富山県内であればやっていたり、稀に東京でも12月に吉祥寺シアターでやっています。
し・か・し、そういうところで観れるのは1演目。
フェスティバルでは、毎年メインプログラムとして3演目やります。
「1つでも観れればいいや」と思ったアナタ。
今回、私が鈴木忠志の舞台に感動した一つの理由は、悲劇から喜劇まで、全くジャンルが異なる作品ばかりだったことなんです。
実は、最初に観た『トロイアの女』というギリシャ悲劇は、周りでは大絶賛でしたが、個人的にはあまり好みではありませんでした(汗)
それが鈴木忠志の舞台の初体験だったので、(一発目がこれかあ。他は楽しめるかなあ…)と思っていた瞬間もありました。
そしたら、そしたら。2つ目に観た『ディオニュソス』が個人的大ヒット。
これもギリシャ悲劇なのですが、3ヶ国語(日・中・韓)公演だったこともあり、全体の雰囲気も体験も全く違いました。
そして、3つ目に観た『世界の果てからこんにちは I』は、どコメディ。
それ以上に、花火を盛大に(いや、本っっ当に盛大に)使っているので、ディズニーランドをもミュージカルをも超えるビッグエンターテイメント。
こんな感じで、鈴木忠志の偉大さを理解するには、1演目では足りんのです。
ということで皆様、ぜひ来年はフェスティバルへ(笑)
(※私は何のPR案件も受けていませんw)
補足:フェスティバル中、鈴木忠志演出以外の舞台もあります。毎年、様々な国内外の演目が招聘されるようです。なので、合計では最大5〜6演目ほど観られます。
2. 事前予約の注意点
公演•宿•連絡バスは、フェスティバル専用サイトから事前予約しておかないといけません。(参考:2023年の専用サイト)
私は、2週間前くらいに全てを予約し、1演目を除き、まだ空きがありました。
予約受付はフェスティバル開幕の約1ヶ月前くらいから始まりますが、急いで予約する必要もなさそうです。
ただしもちろん、早めに越したことはなし。
フェスティバル専用サイトは、毎年SCOT公式サイトに掲載されます。
「トラベルガイド」と題して、利賀村にたどり着くまでに必要な情報が、本当に。全て。丁寧に。まとめられているので安心。
しっかり読んでおきましょう★
3. 東京から利賀村への行き方
東京→富山駅(新幹線1本、2時間)
富山駅→利賀村(連絡バス1本、1時間半) 以上。
つまり:乗り換え1回、計3時間半で着きます。
主要駅じゃなく、過疎村にですよ?
これは非常に便利だと思いました。
私が行った時の金額ですが、
新幹線:片道12,760円=往復計25,520円。
連絡バス:片道500円=往復計1,000円。(←安い!)
新幹線がちょっと高いと思う方、着いてからが全て安めなので、トータルで考えるとリーゾナブルではないでしょうか。
(宿は、テント泊にすれば1泊1,000円(笑)。民泊だと1泊朝食付きで7,300円。食事は1食600~800円くらいです。しかも、観劇代は「任意」なので、学生など金銭的に余裕がない人は、実質無料で見れちゃいます。)
ちなみに、連絡バスの時間が限られているので、行きも帰りも、富山駅に着いてから1時間の空き時間がありました。
その空き時間も存分に楽しめます🌟
行き:富山県名物の白海老が美味しい回転寿司へGO♡(とやま鮨)
帰り:富山県お土産をたくさん買って帰る♡
あくまで一例ですが、駅での(個人的に)幸せな時間の潰し方です(笑)
4. 利賀村についたら(初日)
連絡バスを降りると、一見何もない大自然の中に到着します(笑)
(ここから…何処へ…?)と思いますが、ご安心を。フェスティバル運営の方々は、私たちが何も頭を悩ませなくていいように、【全て】を用意してくれています。
着いてすぐ宿にチェックインしに行くのもありですが、私は初日から3演目立て続けに予約していて、宿に行く時間もありませんでした。
そんな時、連絡バスを降りて目の前に「荷物預け場」があります。
ここでスーツケース(なり荷物)を預けると、最終公演まで預かっていてくれます。
最終公演後、劇場から無料バスが出て、この荷物預け場に寄ってから(!)、宿まで送ってくれます。
最終公演後ということ、22時過ぎとかになってしまいますが、それでも宿のチェックインが可能です。
つまり、利賀村に着いてからは、流れに身を任せれば全て上手く行くようになっているのです(笑)
(とはいえ、一応その年のフェスティバル専用サイトや、予約確認書には目を通してくださいね^^;;)
5. 利賀村で観劇以外にできること
公演やシンポジウムなどのイベントは、大体1日に3つほどあり、間に1~2時間ほどの空き時間ができます。
全てのイベントに参加しないかもしれないので、半日空いたりすることもあります。
そんな時に何ができるのか。
正直、「観光!」みたいな場所はありません。
むしろ、以下の場所を利用しながら、観劇の余韻に浸ったり、読書したり(鈴木忠志の本もたくさん売られています)、ゆっくり自然を堪能する、リラックスタイムをお楽しめるとお考えください★
1.休憩所(カフェ的な)
品揃えはそこまで多くないですが、缶コーヒーなどの飲み物、お菓子、パンなどが買えます。
小腹が空いた時、少し喉が渇いた時には十分です。
何か買っても買わなくても、隣の畳の休憩室でゆっくりできます。
雨が降っても雨宿りできるから安心^^
2.グルメ館(食堂的な)
休憩所から徒歩10分ほどのところに、グルメ館があります。
ちなみに、テント泊の場合は、グルメ館のすぐ横にテントを張ることになります。
昼ご飯と夜ご飯は、基本的にみんなここに来て食べるようです。
コロナ明けだからか、今年の食べ物の選択肢は少ない方だったそう。
それでも、そば・洋食・弁当のカウンターがあるので、全く困りはしませんでした。
余談ですが、シェイクやチーズトーストなどのちょっとしたおやつが売っているカウンターもあり、なんとそれが母校・慶應の学生がやっていたのでビックリ!
母校から400km離れた利賀村で遭遇するとは(笑)
利賀村にしかないものを村内外に発信する「トガプロ」というゼミがあるそうで、その学生が夏休みに利賀村まで来て、自らメニューを作り販売しているそうです。
3.温泉(超オススメ★)
休憩所から20分ほど、グルメ館からは30分ほど歩きますが、天竺温泉という温泉があります。
日帰り入浴料600円。これがまた、大自然の中にある露天風呂なので、ものすごーく気持ちいいです。本当にオススメ。
そもそも人が少ないので、貸切か、他に居ても2~3人くらいで、すごく贅沢。
私は、2日目と3日目と2回行きました。
男性の湯と女性の湯が日替わりで入れ替わるので、2日連続で行くと違う景色が眺められてよかったです^^
公演の間が2時間以上空いている時が狙い目です!
4.宿でゆっくり
もちろん、空き時間がある程度あれば、宿に戻ってゆっくりというのも良き。
これは感想noteにも書きましたが、私は公演の間に、昼寝をしに民宿に戻りました。そして、起きて御手洗に行ったら、別の相部屋に宿泊されていた方と立ち話になり、どうしても予約できなかった公演のチケットを譲っていただくことに…!(強要はしていません(笑))
同じ夜、全ての公演が終わった後に、民宿で他の来場者6名ほどとお酒を交わしながら深夜まで鈴木忠志を語っていたりしました。
民宿やグルメ館は、他の来場者と交流するとても良い機会◎
公演も、公演以外も、トータルで利賀村ライフを楽しめるのが、このフェスティバルの特別なところなのです。
フェスティバルについて、事前に知りたかったなーと思う情報はこんな感じでしょうか。
フェスティバルの満足度の割りに、あまりネットに体験談などが載っていないので、まとめてみました。
他に気になる点があればお気軽にコメントでどうぞ!