パリから東京へー2022年の振り返り
かなりご無沙汰してしまいましたが、せめて今年最終日にちゃんと1年の振り返りを書きたいと思います。
2022年は、#パリ役者 振り切った2021年に引き続き、劇的に状況が変わり続けた、とても予測不能な年でした(笑)
2022年1月〜3月:演劇学校をやめ、外部プロジェクトが続く
ちょうど1年前の2021年末、1年間通ったパリの演劇学校をやめる決断をしました。
その一つの理由が、外部でのプロジェクトが増えたから。
よって、2022年の駆け出しは、とても忙しく演技機会に恵まれた3ヶ月でした。
1. Nikon Film Festival:短編映画で主役を務める
毎年1月末締切の『Nikon Film Festival』という短編映画祭があり、11月あたりからフランス中で短編映画撮影が行われ始めます。
そんな中、大の黒澤明ファンのフランス人監督が、初対面にも関わらず私を侍映画の主役に抜擢してくれました(笑)
計1605本の応募から、TOP50入りを目指すのですが、さすがにこれは難しかった。
ただ、恐らく知り合いが投票めちゃ頑張ってくれて(?)、なんと、初参加にも関わらず、1605本中✨118位✨の投票結果を得ることができました。
みんな本当にありがとう(泣)
そして、この撮影クルーが神がかって良い人ばかりで、監督も「ぜひ、来年もひろみと挑戦したい!」と言ってくれて涙。
2. 舞台『ヴァギナ・モノローグ』
2021年末、とある舞台稽古ですれ違って、挨拶した子が「この舞台を演出するんだけど、ぜひひろみに出演してほしい」と急に電話をくれました。
『ヴァギナ・モノローグ』は世界的に演じられてきたフェミニズム演劇で、聞いたこともあったし、何より急に舞い込んできた舞台の機会にNOを言うつもりは1ミリもなく。
女性の除毛に対するストレスについて、出産の美しさについて、未だ未解決の従軍慰安婦問題についてなど、複数のモノローグを担当し、他の戯曲とは違った「使命感」を感じた貴重な経験でした。
しかも、劇場の管理者がとても気に入ってくれたらしく、より大きな舞台で再演しようとのオファーも!
3. 企業案件:『アリス・イン・パリ』で主役を務める
初のフランス語案件かつ企業案件…!
Omnes Educationというフランスの私立大学が、新入留学生向けにフランス文化を説明するオンラインコースを制作。
『エミリー・イン・パリ』をイメージして、主人公『アリス』がフランス文化の色々を体験して学んでいくお話。
なんと、私の留学生っぽいフランス語発音(笑)がハマったらしく、アリス役を務めることになりました。
台本に書かれたシナリオは、全て個人的に経験したものばかり。
例えば、
・フランスでの乾杯は、必ず目を見る&他者と腕を交差させない
・フランス家庭では、どんなに時間がかかろうと、全員の料理が揃ってからでないと食べ始めない。
・フランス人は、しっかりランチタイムを取るので、デスクでパッと食べるなんてもっての他。
だからこそ、商業映画とかじゃなくても、個人的にはすごく特別な意味を持つプロジェクトでした。
ただ、なんと撮影5日間の3日目に私のコロナ発覚。
2週間撮影を延期させてしまいました…。
最悪の事態すぎて、報告の電話をするのが本っっっ当に怖かった。
でも、実際に電話したら「もう私たちはかかってるから大丈夫だけどね」の一言で済まされましたw
全編はまだ公開不可とのことですが、こちらがティーザー映像です🌟
その他、演劇ワークショップや、DELF B1受験&合格、一つボツった演劇公演のリハなど(笑)、最初3ヶ月は本当に忙しく充実していたなあ。
2022年4〜6月:停滞期の不安を経て、予定を詰めすぎる
4月になると、全てのプロジェクトが終わり、急に静かに。
また新しくオーディションを受けてプロジェクトを見つけていかないといけないけど、自分に合うオーディションもなく、ピタッと生活が止まった感じ。
5月に入ると、急にオーディションが6つ、ほぼ同じ週に舞い込む。
3つ英語、3つフランス語。うち、2つは大きめの映画案件。
4月の停滞期で不安になった挙句、急に機会が一気に来て、準備時間も足りない中、なんか普段より気持ちも焦っていました。
ここで、なにかゲットしないと…
フランス語の映画オーディションは、長いモノローグとかやり切りながら、最終選考まで行くも、結果はダメ。
また、いつ来るか分からないオーディションに向けて辛抱…
急に『フリーランス役者』の生活リズムを初めて経験して、自分がどれだけ「待つ時間」に弱いか気づきました。
忙しくして、日々何か学んでいたい私は、端からワークショップやイベントにサインアップ。
結果、6月は膨大すぎるスケジュールに。
・ポルトガルで3日間のワークショップを受講
・フランス語演劇ワークショップの最終公演
・日本語の演劇公演
・シーンスタディ・ワークショップ(週2回)
・私立中学校での英語講師
・デジタルマーケティングのフリーランス
「どう考えても無理でしょ、なんでこんなに引き受けた?」としか言いようがない量のコミットメントですが、そんなことにも気付けないほど、4〜5月の不安が半端なかったんだろうなあ。
2022年7月〜9月:まさかの事務所契約と日本帰国
そんなこんなで、どうにか6月をやり切ると、まさかの展開が。
6月頭、出演していた短編映画の試写会があり、なんとそこに来ていた事務所から声がかかり…念願のフランス事務所との契約に…!
パリに引っ越してきたばかりの頃、演劇学校の先生に「フランスで事務所を見つける難しさ」について聞いたら、「すごく門が閉ざされていて、僕もイギリスでは契約しているけど、フランスでは見つかっていない」とまで脅されていた(?)からこそ、これは何とも嬉しい展開。
そして、今年の目標だったDELF B2 (仏検準1級相当)も無事合格!
しかーし!…
なんと、ほぼ同時に、フランス人の彼が…日本語が1ミリもできない彼が…ずっと念願だった日本で仕事をゲット。
このタイミングでーーーー?号泣
フランスに引っ越してきて、まだたったの2年。
やっと事務所も見つかり、ちょうどこれからというタイミング。
ものすごく、いや、ものすごーーーーーーーーーーーーーーーく悩んだ挙句、夢を追うのはお互い様で、彼の夢も応援してあげないといけないので、日本に帰国することに。
すごくポジティブに考えると、長期的な視点から、日本人として日本で役者をやったことがないのも機会損失かもしれないし。
彼との将来を考えても、お互いの国に住んでみないと、その後の生活拠点が決められないだろうし。
「パリは、待ってくれる。」
相談したパリの役者友達、先輩、全員がそう言ってくれたので、帰国を決意しました。
2022年10月〜12月:日本での生活スタート
ということで、今年の終盤は、アパート探しとアパートの物揃えるので大忙し。
これまで住んできたシンガポールとパリのアパートは最初からかなり物が揃っていたので、ゼロから始めるのがここまでお金と時間がかかるのかとヒーヒー言いながらやっていました。
また、日本での事務所探しをスタート。
何せ、聞くところによると、日本では事務所に入らないとオーディション情報が降りてこないというではありませんか。
しかも、事務所のオーディション受け始めたら、①SNSのフォロワー数が重要、②見た目が重要、③フランス事務所との重籍は不可、とのことで、全部顔面パンチ食らった気分。
とりあえず、フランス事務所との重籍が可能で、私を信じてくれていそうな、一つの素敵なご縁があったので、年始からはそちらにお世話になります。
振り返ると今年は、単に「役者やりたい!」と情熱で駆け出す去年から一歩進み、「で、どうやって役者を継続できるんだっけ?」という『バランス』を考えさせられた一年でした。
役者は、ずーっと続けます。
そして、一歩ずつ実績が認められて、フランスでも、日本でも活躍できる、グローバル女優になりたいな。
アップダウンはあるし、現実的な生活事情もあるので、必ずしも一直線ではないけれども。
2023年は、海外での演技経験と、日英仏の語学力を存分に駆使して、
初の #母国での力試し をするので、ぜひ引き続き見守っていてください。
皆さんも素敵な年末年始が過ごせますように。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします!
P.S. 帰国してまず最高に良かったことは、ペット可の物件になったので、念願の子猫ちゃん🐱を飼い始めました!
スーパー人懐こい、メインクーンのタリアちゃん、この子もインスタあるのでフォローしてね!💓