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【パリ移住1年目の振り返り】パート1:学んだこと・達成したこと

2020年10月に、会社を辞め、演劇学校に通いにパリに引っ越してから【一年】が経とうとしています。

この一年は、
・言語も価値観も全く通用しないフランス生活に想像以上に鍛え上げられ、
・コロナ&ロックダウンに年中制限されながら、
・必死に目的である【演劇とフランス語】を学べるだけ学んでみた。

そんな自由で混沌とした、まとまりのない一年でした(笑)

でも、会社を辞めてまで飛び込んでみたかった「パッションに集中できる環境」なので、やはり演劇やフランス語などのハードスキルだけでなく、自分の優先順位や価値観など、ソフトな面でも学んだことは多かったなあと思います。

だからこそ、夏休みの内にまとめておこうと。
(「学生」してて、ただでさえ「人生の夏休み」なのに、がっつり2か月の夏休み取るって、不思議な気持ちですw)

自分の脳内整理が目的なので、がっつり3パートでまとめます。

パート1:1年目に学んだこと・達成したこと
パート2:「演劇一本」に舵切って良かったこと
パート3:【番外編】映画『ソウルフル・ワールド』を語る

(パート3、え?)

ということで。この一年、何してきたんだっけ?

学んだこと・達成したことを忘備録として書きます。

+演劇+

■パリのシェイクスピア劇団「ロミオとジュリエット」公演でジュリエット役

やはりこれが今年一番の「パリに来る決断をして良かったな」と思える体験でした。

演劇学校が始まって間もなく、実は学校が自分にあまり合っていないと気づき(この話は長くなるので割愛)、「学校外で有意義な学びの場を見つけなければ」路線で一気にスイッチが入りました。

その結果、Facebookグループとキャスティングサイト経由で積極的にオーディションを受けるようになり、偶然ロミジュリのオーディション情報に遭遇。

かなり進みがゆっくりめのオーディションで(笑)、2か月に渡り、1次受けてから2次まで2週間以上空く、みたいなスピードでした。
だからこそ、最初は「ものすごく運が良ければ何か小さい役もらえるかも」だったのが、「あれ、意外と進めてる(けど何の役で考慮されてるのか分からず)」になり、1か月半くらい経った時に「え、ジュリエット役でコールバックされてる?!」って心境がガラ変わり。

ディレクターから電話でオファーをもらった時、短編映画のZoom会議中で、音声オフにするも動画オフにするのを忘れて、部屋中飛び回るのをみんなにバッチリ目撃されたのでした(笑)

思えばオーディションだけでも良い思い出♡

リハーサルから公演までの学びは、優に学校一年分以上あったので、まさにこの公演が私の「学校」でした。
別ノートで「ジュリエット役で学んだこと」も書きたいなと思ってます。

■舞台役者、カメラ演技やってみる

これも今年のアハ体験。

高校の時から、演劇・ミュージカルと「舞台演技(Stage Acting)」しかやってこなかったのですが、今年は短編映画に2つ出演し、初めて「カメラ演技(Screen Acting)」に挑戦。

めちゃくちゃ初心者だけど、演技の「もう半分」の世界が見えて、も・し・か・し・た・ら、こっちの方が好きかもしれないと思うほど面白い分野を見つけてしまいました。

「今まであーんなに時間かけて舞台発声も活舌も身体の使い方も練習してきたのに、こーんな小声で、いいの?!」(マイクが拾ってくれる)
みたいな、いや、知ってはいたけど…実際演じてみて初めて体感した差は大きかった…

最初は舞台の癖がついてて、むしろカメラの前だとぎこちな!みたいな撮影が続いていましたが、ある時スーッと等身大の演技に切り替わり、映像でどう見えるかはさておき、演じてる方はめちゃ肩の力が抜けて楽しかった!と思える起点がありました。

ちなみに一番最初の(お恥ずかしい)短編映画は既にインスタに載っていますが、二番目の(相変わらずお恥ずかしいけど一応主役)の短編映画は今後載せられる予定です☆

■インプロとの出会い

と、ここまで主目的のはずだった「学校」について全く書きませんでしたが(笑)、学校でも一つ素晴らしい「インプロ」の授業に出会い、新たなお気に入り分野となりました。

「インプロ(即興)」は、その名の通り、台本も事前準備もない中で、舞台上でゼロから劇を作っていく分野です。

何が面白いかって、「次何言おうかなー」って『頭』で考えれば考えるほど動けなくなってしまうので、もう「えいや!」精神で、全ての脳のリミッターを外して、出てきたことを口に出す。

その分、めっちゃ意味分からないことも変なことも言うし、わざわざ人前に出て恥をかくみたいなドM行動だなと思います(笑)

でもそこが、人の目を気にしすぎてしまう私にとってはチャレンジングで開放的。そして人が言ってることをちゃんと聞けて、相手の「提案」(発言)を否定せず全部受け入れていくと、自分一人じゃ考えもしなかったストーリーが出来上がっていくので、楽しいんです^^

+フランス語+

■言語もゼロをイチにするのが一番難しい

振り返れば、スーパーで「現金ですかカードですか」にさえ答えられなかったゼロスタートのフランス語生活。(勉強してからいけよw)

6ヶ月間、週8時間のフランス語授業を受け、B2(仏検準1級相当)へ。
ここまで来ると、日常生活はあまり困らない。
けど、日常生活(レストラン、スーパーetc.)はこっちからの一方向の会話で成り立つことが多く、彼のご家族とかとの「双方向の会話」になると話は別。

スピーキング=「実践」の必要性をひしひしと感じる毎日…

あんまり「教える」ことに熱心でなく、私がフランス語話すと面倒くさがる彼…

「私たちと居る時にスピーキングの練習すればいいじゃない」と簡単に言うも、容赦ないスピードで話しまくる彼の家族…

(そんなスパっと入っていけないから、最終的に手を挙げて「あのー」って入っていくも、無視(笑)。言語レベルというか、議論が白熱する彼のご家族は戦闘態勢で発言しないといけないと悟った。もっと人の話聞いてえ)

やっと1年目終盤に、初対面の短編映画監督と1時間半フランス語で話せたり(監督さんの辛抱強い優しさのおかげ)、彼との会話も8割型フランス語に移行できたりして、「ゼロがイチになった感」

【ゼロ→日常会話→ビジネス会話】だとすれば、まだ一つ目の「→」が現在地だけど、2年目で二つ目の「→」まで行きたいな。

長い人生、今頑張って取得してるフランス語で自分の見る世界がより広がりますように(笑)

+フランス生活のあれこれ+

今回、日本に一時帰国したら全て過剰に愛おしく感じて改めて気づいたのですが、フランス移住は想像以上にスムーズじゃなかった…

これまで4か国6都市計12年間海外生活してきたので、どうにかなるだろうと舐めてかかったら、パリの煌びやかな街の裏にはストレスフルな日常生活の一面も潜んでいました(笑)

■キャリアファーストの日米とプライベートファーストのフランス

フランス人に言わせれば、日本やアメリカの生活スタイルは"Live to Work"(働くために生きる)らしいです。対してフランスは"Work to Live"(生きるために働く)

これはフランスの良い一面でもあり、確かにフランス人は一日7時間も働ければ「今日は働きすぎたわ」と言い、夏には現地企業も地元のパン屋さんも8月いっぱい休暇を取り(パン屋さん営業してーw)、駅員さんや街中の店舗も気ままに「2時間後に戻りますー」みたいな張り紙出して休みたい時に休みます(笑)

人生、それくらいワークライフバランスを取れるのはとても良いこと。

でも、日米での生活を主にしてきた私にとっては、これは完全なるパラダイムシフト(笑)

なんと言っても、休むだけならまだしも、全体的に仕事への姿勢が緩め&適当。「お客様ファースト」の日本とは正反対で、「お客様の権力なし」。私のやらないといけないことが一向に達成されない事態が続出しました。

・授業の教室/キャンパスが毎日変わるので事前にメールが来るのですが、授業1時間前になっても届かなかったり。(キャンパスがパリ中に5つくらいあるので、場所によって20分で行けるところも1時間かかるところも。)

クラスメートと過去の傾向を分析して、みんなで「キャンパスAに向かってみるしかない!」という状況w

実際、クラス半分くらいが1時間遅れで到着。授業にならず(笑)

・学生証は授業開始6ヶ月後の3月に届く。学生割引色々受けられず。

・フランスでみんな加入する公的医療保険「Carte Vitale」は1年たった今でも届いていませんw(仮登録すれば一応お医者さんには行けるのでいいのですが、その後の返金プロセスが郵送しないといけなくて面倒)

・銀行口座開設したくて、近くの銀行に行ったら、追加の書類が必要だと言われる。1か月後、必要書類を持って銀行に戻ったら、「なんでパートナー(彼氏)と別の銀行で開設したいの?そちらの銀行に行ってください」。ハ?先に言ってくれ。

恐らく日本人かつ学生の身分が気に食わなかった模様。

彼の銀行に言って、担当者と面談して「後日連絡しますねー」って言われたきり連絡なし。

もう諦めて、ちょっと遠いけど日本人担当がいることで有名なところ(LCL銀行オペラ店)で開設しました。最終的に信頼できるは日本人。

・PACS手続き(パートナー認定制度)

これは市役所に「公式なパートナーです」って認定してもらう手続きなので一番ハードル高い。(認定すれば所得税がかなり下がる)

もうどこから始めればいいか…

市役所での面談日当日、「今日予約入っていませんけど」って明らかに向こうの登録ミスがあった挙句、「5分あるので早くしてください」って態度で対応され。

日本の戸籍謄本を大使館でフランス語訳してもらってるのに、一目見た瞬間から面倒くさそーな顔して「私、日本語分からないから」って。いやいや、訳してある・じゃん!

結局、日本人である場合の必要書類が分からなかったらしく、「来週火曜9時に、私の上司に会いに来て確認してください」。

次の週、時間通り会いに行ったら「明日でもいい?」と言われ、いやいやこちらも予定というものが…。

彼が来れるか、彼に電話して聞いている間に書類の確認終了したらしく「大丈夫だったわよ」。え、できるんかい、さっきのリクエストは何だったのーw

書き進めると止まりません。

二回目の面談日の朝、彼に「こういうのは『今日では終わらないだろうけど』くらいの期待値で行った方がいいよ」と言われ、「いやいや必要書類全部集めたし!終わらなきゃ困る!」というスタンスでした。

1年経った今は、何事も「3ヵ月くらい待つかー」くらいで居られるようになったなあ。(フランス流の「成長」とはこのこと)

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1年目は混沌としすぎていて、「あれ、終わっちゃった?」という感じです(笑)

でも、その中でも学んだことは多いはず…ということで、自分の気持ちの整理としてまとめてみました。

次もその延長線ですが、1年経った今感じる、1年前の「会社を辞めて、演劇学校に行く」という決断を振り返りたいと思います(恥)

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