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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか169】12月(12)ケルン・アーヘン①

 クリスマスに娘夫婦がべべさんを連れて、ベルギーとの国境に近い婿の実家に行くことになった。この時期にべべさんを遠距離電車に乗せるのは大丈夫なのかということもあって、流動的な話だったのだが、やはりべべさんの初めてのクリスマスを家族=拡大家族で過ごしたいという(主に婿の)気持ちが勝り、11月、行くことに決まった。

 私は毎日べべさんの顔を見ることができている。けれども、あちらのお母さんはできない。それは申し訳ないことだ(と思う一方で、これから先も娘一家がフランスで暮らすのなら、この一年が終わったら私は死ぬまでにあと何回、娘やべべさんと直接会うことが出来るのだろう、10回ぐらい? それを思えば、この一年ぐらい大目に見てもらってもいいよね、という気持ちも、正直ある)。

 あちらのお母様からは、よろしければご一緒にいらしてください、とのお言葉を、早い時期に婿を通じていただいた。ありがたいお招きではあるが、それは丁重にお断りしたい。私がくっついていったのでは、家族で過ごしたいという婿の気持ちが満たされないと思うから。
 とはいえ、クリスマスを一人で静かな家で過ごすことを想像すると、ちょっとキツい気がする。朝寝でも朝湯でも朝酒でもネトフリ三昧でも自堕落し放題じゃん、いつも手が回っていないところも掃除できるじゃん、とも思ったけど、無駄に気持ちが沈むことも予想される。普段の土日だって、娘一家が出掛けた後の家にいるのはちょっとしんどい。

 ここはやっぱり、アクティブに、自分から動くに限る。せっかくヨーロッパにいるなら、その間に行きたかったところに行こう。一番行きたいのはアウシュヴィッツだけど、遠いし、クリスマスに開いてるとも思えない。
 次に行きたいところは、ケルン、それからアーヘンだ。ケルンという場所を最初に認識したのは、「トーマの心臓」のエーリクの出身地としてだ。それから、世界史屋さんとしては勿論、大聖堂があるところだ(好きすぎて、Googleクラスルームの世界史クラスのアイコンにしてた)。更に、アーヘンはカール大帝が宮廷を置いたところだ(すみません、さっきからマニアックに過ぎますね)。写真で見る限り、アーヘン大聖堂は私の大好物の建物だ。

 よし、ケルンとアーヘンに行こう。クリスマスでお店が閉まっていても、教会は開いているだろう。

 決めたからにはさっさと電車と宿を予約しないと。ボルドーから鉄道で行こうと思ったら、パリで乗り換えなければならない。こちらから行くのはいつものモンパルナス駅だけど、パリからの列車は北駅から出る。その間は地下鉄一本だ。よしよし、一時間あれば乗り換えられそうだ。余裕を見て、1時間半あれば十分だろう。
 泊まるのは、いつも通りの安宿でいい。荷物があるから駅に近いところで、ドミトリーで十分。…ところが、ケルンのホステルのページを見ると、男女共用部屋でベッド周りにカーテンがない写真が載っていて、流石にこれはダメだろうってんで、個室にしました(後から考えたら、あれはツインルームの写真だったのかも)。ケルンで三泊、アーヘンで一泊。予約完了。

 と、予約したところ、11月下旬にパリに行った折、乗り換えの予習として北駅まで行った時点で、自分がパリから乗るのはユーロスターで、ユーロスターは45分前にチェックイン、という情報をネットで見て大慌てした。こりゃまずいわ、乗り換えぎりぎり過ぎるわ。
 ボルドーからのTGVはこれ以上早くできないから、パリからのユーロスターの時間を変えよう。あらやだ、追加料金が要るのね。こういうときに、列車によって、予約取るときによって、切符の値段が変わるシステムって面倒ね。まあ、ホームページから簡単に変更できたからよしとしよう。

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