【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか98】9月(12)体調管理⑤
ドクターは40代かな?穏やかな印象の男性だった。前もって送ったデータをしっかり読んでいてくれたようには思えなかったが、その場で見せたものはちゃんと見てくれた(当たり前か)。
途中で娘に、なんでボルドーに住むことになったんだ、などの質問をはさみながら、実際に血圧を測り、ラップトップに長い時間掛けて何やら打ち込み、プリンターから処方箋を出してくれた。やはり今の数字は、めっちゃ悪いわけではないけど、このままにしておくのは良くない、と判断されたらしい。
「どれも日本で飲んでいたのと同じ薬はないけど、同じ内容の薬はあるから、それを出すね」とのこと。一枚の処方箋に3種類の薬がどれも3か月分、この一枚で3回使えるとのこと。つまり、9か月分=私の残りの滞在日数。おお、ありがたい。
睡眠導入剤は寝る前に飲むとして、降圧剤と抗コレステロール薬は今まで通り朝飲めば良いのかな?と聞いたら、何でそんなこと聞くんだという顔で「好きなときに飲めば良いよ!」との返事。
負けずに更に「2つ質問があるんですけど」「ふんふん?」「血圧が下がりすぎたら、薬を止める前にドクターに相談した方が良いですか?」「いやー、先に止めちゃって、それから来れば良いよ-」「もう一つ、次に血液検査を受けるのは、いつ頃がいいと思いますか?」「え? もう一回血液検査? そんなん1年後で十分っしょ」…そうですか。
処方箋をもらって、挨拶して受付へ。また英語のできないお姉さんのところへ行って、会計を済ませる。お姉さんが何か言うんだけど、娘にも分からない。そうしたら、そこにいた、子どもを連れてきたお父さんが英語で助けてくれた。要するに普通のレシートだけで良いかどうか聞かれたみたい。職場とか保険とかの関係で、特別な書類が必要になる人もいるのだろう。
処方箋を持って、道路を渡った向かいの薬局へ行く。処方箋を見せると、薬を用意してくれるのだが、睡眠導入剤については3か月分も在庫がないとのこと。まあ、仕方ない。
フランスでは、薬は何錠単位ではなく、箱単位で買う。抗コレステロール薬は私には強すぎるので二つに割って飲む、割れなかったら2日に1錠にする。90錠入りで実質180日分。降圧剤は90錠入りで90日分、睡眠導入剤は10錠入り(小さな箱。大量に買ってオーバードーズするのを防ぐためかな)を3つ、30日分。
英語のできる薬剤師さんが、血圧の薬は朝、コレステロールの薬は夜、それぞれ服用するように、と言う。あれー、ドクターと言ってることが違うぞ。娘が日本語で、「お医者さんと薬剤師さんの言うことが違うのは良くある。薬のことは薬剤師さんの言うこと聞いた方が良いと思う」と教えてくれた。
診察にかかったのが26.50ユーロ、薬が全部で36.47ユーロ。合わせておよそ63ユーロ、ざっくり1万円ぐらい。まだこれから追加で薬を買う必要があるから、もうちょい出費がかさむけど、それでも、これなら許せる範囲だ。
何より、あっさり薬が手に入ったことで、ホッとしたのが大きい。ひょっとしたら、もう少し様子を見てから決めましょうとか言われるかと思っていたから(娘曰く、フランスのお医者さんはそんな面倒くさいことしないと思う、だそうですが)。やはり、3か月分の血圧測定の記録と,直近の血液検査の結果、日本にいたときに受けた血液検査の記録も持って行ったのが良かったかな。
日本のお医者さんに比べて(といっても、私が知っているのは主治医と、何人かの友人とか教え子とかだけだけど)、テキトー感あふれるドクターだったが、英語ができるお医者さんが近所にいて助かった。そして、やっぱフランスの薬剤師さん、存在感大きい。