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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか42】パリでかるたを(7)TGV

 朝ご飯用にパンとバナナ、おやつにピーナツとチョコ、ペットボトルの水を1.5リットル、フランスかるた会の皆さんにお土産としてボルドー名物のカヌレを10個、リュックに入れる。朝、6時46分、ボルドー発のTGV。駅までは歩いて10分、早めに行くとして、6時20分には家を出よう。前の夜、スマホの目覚ましを6時にセットする。夜中何度も起きてしまった。遠足前の子どもみたい。娘夫婦を起こさないように、と思っていたのに、玄関の鍵を上手く開けられなくてガチャガチャやってるうちに娘が起きてしまった。すまんね。

 ちょうど日の出時刻の、明るくなりかけの街を歩いて駅まで。この時間は、冬になったら真っ暗だな。娘の家からは駅の裏口的なところが近い。駅のコンビニ的な店も開いていない中、日本でもお馴染み、フランスのあらゆる駅にあるんじゃないかのPAULだけ開いていた。コーヒーを買おうか迷ったけど、ここでもたもたして万が一乗り遅れたらマズいので、とにかくどこのホームから出るのか確認しよう。
 出発の20分ぐらい前にならないと、どのホームから出るのか表示されない、と聞いていた。私が地下通路に着いたときには既に「4番線から発車」と表示があったので、通路から4番線への階段を上がる。上がったところに自動改札的な、QRコードを読み取る機械があり、スマホのアプリからチケットのページを出して、かざす。今回は、紙で印刷していない。旅行時間が短くて、途中で充電が切れる可能性なども低いと思ったから。

 ホームは、大勢の人でごった返していた。誰も「並ぶ」という意識はないようだ。何号車はここらへん、という電光掲示がある。自分の車両、座席を何度も確認する。しばらく待ったら、電車が入ってきた。入り口は各車両に一つみたい。並んでるのか並んでないのか分からない程度に人が入り口に群がる。規則性が見えない。こういうときに私は、人様の邪魔にならないように、と思うあまり動作がぎこちなくなって、どうすればいいやら状態に陥り、結果的に邪魔になることがよくある。幾つになってもそれは変わらない。

 何とか乗り込み、座席を確認する。あった。窓側の席だ。手前に座っていた、若いコーカソイドのお兄ちゃんにどいてもらって、乗り込む。今回は特に座席を選ばなくて、結果的に窓側になって、外の風景が見られて良かったけど、次からは通路側の方がトイレに行きやすくていいかなあ。外の風景は、ただただ田園なんですもん。どこまでもどこまでも農場か森か牧羊地、ときどき風力発電の風車。パリからボルドーまで、都会から離れるとずーっと同じ。緩やかな丘陵が続く。北海道かと思った。フランスは、やっぱり農業国だわ。

 定刻通りにパリ、モンパルナス駅に到着。空が見えない、屋内のホームだ。降りたらみんなが同じ方向に歩くので、その流れに乗る。後から気づいた。モンパルナス駅は国鉄のターミナルで、改札口が一方向なんですね。だから、みんなその方向に歩くしかない。改札口から出るときは、チケットはノーチェック。これはメトロでも一緒でした。

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