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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか18】40時間耐久フライト(1)中部国際→羽田

 6月10日月曜日、遂に出発の日を迎えた。出発できるということに、本当にホッとした。コロナとかインフルエンザとか、アキレス腱を切るとか交通事故とかぎっくりさん襲来とか、いろんな危険性に脅えた日々がやっと終わる。
 フライトの正味は20時間ぐらい、家からのドアツードアでは39時間の旅だ。

 夜の便なので、家を出るのは夕方でいい。2日前までは雨だった天気予報が直前に変わり、10日は晴れた。おかげで、朝一番でシーツを洗濯し、布団を干し、午後から押し入れにしまう、というところまでできた。
 時間はたっぷりある。洗濯機を回したところで、事前にオンラインでチェックインしようと思い、エールフランスのサイトにログインする。ところが、上手くいかない。拒否られる。事前チェックインはマストではないから、ここで上手くいかなくてもアウトなわけではない。しかし、どうして上手くいかないかが分からないのでは、不安になってしまう。嫌だなあ、これ、と思っていたら、そのタイミングで共同運航の大韓航空からメールが来て、ここからチェックインできますよ、と。やってみたら、非常にスムーズだった。地獄に仏とはこのことかと思った。大韓航空らぶ。

 フライトも何も、最大の難関は、2階からスーツケースを下ろすことだった。ぎっくりさんがお出ましにならないように、慎重に。タクシーで駅まで行くのは運転手さんがスーツケースを持ってくれたので楽ちん、駅まで行ってしまえばエレベーターがあるので大丈夫。

 最初は国内移動だから、そんなに早く空港に行く必要はないんだけど、荷物の重さのこともあり、ちょっと早めに移動した。空港に着いて、チェックインカウンター前にいたお姉さんに秤の位置を教えてもらった。エレベーターの横。前には公衆電話が並んでいる、その後ろ側で、荷物を広げても人目が気にならない。よく考えられた場所に、デジタルの秤があった。スーツケースを乗せる。26キロ超。リュックも量ってみる。8キロ超。つまり、どうしたって、スーツケースかリュックか、どちらかが制限オーバーということだ。それなら勿論、リュックを軽くしたい。既にここまでで背中がパンパンになりつつある。23キロを超えたら32キロまでは同じ追加料金になるはずだから、できるだけスーツケースに移す。

 チェックインカウンターで、荷物を預ける。自動預け機に誘導されそうなところを、これ、重いんです、追加料金払いたいんですと主張して、人がいるところへ行く。改めて量ってもらったところ、28キロ超だった。リュックが2キロは軽くなったということだ。「HEAVY」というタグカードに「28kg」とマジックで書かれたのが付けられる。荷物が重量オーバーなんて経験も初めてなので、そうか、これだけのことなのか、とホッとする。
 「それじゃ、お預かりしますねー」「よろしくー」と、出てきてから、あれ?料金は?と、払っていないことに気づき、戻る。「お客様、どうなさいました?」と制止されそうになる。ご乱心ではない。「あの、さっき預けた荷物の、超過料金払ってないんですけど」と話したら、先ほど対応してくれた係の人が走ってきて、「ここでは払わなくていいです、羽田の方でお支払いください、説明不足で申し訳ありません」と言われた。こうしたやりとりが、全て日本語でスムーズに進むことがありがたい。この先はきっと、こんなことも望めなくなるんだなあ。

 身軽になったところで、ご飯だ。鰻屋さんに行ってみたが、予算オーバーで却下。せっかくだから名古屋めし、手羽先にする。となるとやっぱりビールが欲しいよね。本当は、羽田で出国してから、と思っていたけど、こりゃ飲んじゃうか。緊張しているせいか、飲んでも全く眠くならなかった。辛めの手羽先にしたら、そりゃ2杯いけちゃうよね。でへへ。

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