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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか166】12月(9)フランス語講座②

 クリスマス休暇前、最後の木曜日は、ベーシック、アドバンス合同で、クリスマスのクッキー、サブレドノエルを作った。

 その準備として、ベーシッククラスでは事前に食材や料理に関する単語を学び、サブレのレシピも予習した。公民館の調理室からボウルやクッキー型を、お隣で活動している子どものおもちゃからおままごとのオーブンなどを借りてきて、いろいろな道具の名前や使い方も確認した。材料は全部、先生のポリーヌが買ってきてくれるらしい。

 当日、娘と私はべべさんを連れて、公民館にやってきた。生憎の雨だったから、べべさんのベビーカーには雨よけのビニールを被せて、がっつり対策済みだ。
 ロビーみたいなところにみんな集合、荷物を置いて、貴重品だけ持って(私たちは貴重品を持って行ったけど、他の人はあんまり気にしてない様子ではあった)、調理室に入る。大きなボウルとか泡立て器とかが引き出しから出される。エプロンも。腰の後ろで紐を縛っていたら、ポリーヌに「この方がプロフェッショナルに見えるわよ!」と前で結び直された。め、めるしーぼくー。
 参加者は全部で20人ぐらいか。私も含めて何人かの人は、事前に予習したレシピのプリントを持っていた。バニラ味を1つ、シナモン味を1つ作ることになっている。

 まずはバターを室温に戻して柔らかく混ぜることからよね、と思っていたら、いきなり話が違う。ポリーヌが、「小麦粉を量って」「同じボウルに砂糖も」と言い出す。ちょっと待て。練ったバターに卵、次に砂糖入れて、10分混ぜてから小麦粉を入れるって書いてあるぞ。「いいのよいいのよ」。いや、いかんだろ。流石に、もう一人の先生ミシェルが、「待って、砂糖は卵の方に入れるって書いてあるわ」と指摘したら「じゃあ、スプーンですくって、卵のボウルに入れましょ」…ボウルの中の小麦粉の上から砂糖だけをスプーンですくう。こんな工程はなかったはずだ。そして、卵はその前にバターと合わさってるはずだった。お菓子作りというのは、もう少し繊細なものではなかったか。
 「10分混ぜるのよ、さあ、頑張って!」って言うけどさ、それは本来、バターと卵と砂糖であってだな、今、そのボウルに入ってるの、卵と砂糖だけですから。その後「あら、バターが先立ったみたい」とバターが投入された。ここからもう一回10分混ぜる?と聞いたら、「いいわよ、もう面倒だもん」とのこと。お菓子作りというのは、以下略。

 そりゃもう、そういうノリだから、生地を麺棒で伸ばして型で抜いた結果、あらまあ、こっちのは厚さが2ミリで、こっちのは8ミリぐらいあるわね、でも、うん、気にしないんでしょ、そうでしょうとも。私はもう軌道修正など試みませんよ。この状況を楽しみましょう。きっと、誰もお腹が壊れたりしない。

 何枚もの天板に並べたサブレを、がっつんがっつんオーブンで焼く。勿論、温度も時間もてきとーだ。「うーん、もうちょっとかしらねー。温度上げてみる?」みたいな。まあ、これは現実的でよろしい。
 焼けたそばから、試食する。ポリーヌが飲み物も何種類か用意してきてくれた。焼きたてはあちち、美味しい、味は良いよね、厚みによって食感が違うのはご愛敬。みんなでわいわい食べて、写真を撮り合って、楽しい時間だ。

 調理室の中が混み合っていて、抱っこ紐に入れていてもべべさんが危ない(邪魔でもある)ので、娘は早々に別の部屋で開かれている子どもの遊び場の方に行った。
 熱い天板が片付けられたところで「焼けたわよー」と呼びに行った。一緒に調理室に戻ってきたら、あら、もうみんな帰っていく。そうよね、ベーシッククラスは通常11時に終わるから、みんなこの後、仕事とかあるのよね。
 おかげさまで、残ったサブレをたくさんもらってしまった。ご馳走様でした。次回からレシピは確認してから作った方がいいかも。ま、いっか、楽しかったし。

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