おしゃべりアート@市立小樽美術館(後編)
市立小樽美術館で開催されていた特別展Ⅰ「SEVEN DADA'S BABY再考-7人のアヴァンギャルド」展で6月25日(火)2回目のおしゃべりアートを開催しました。
前回は日曜日で、作家の岡倉佐由美さんも来てくださりとても和やか雰囲気で進んだようですが、今回は平日で肌寒い曇天。誰も来てくれなかったらどうしよう〜と不安がよぎりました。
ところが、館内に入ると目立つところに私たちのチラシが貼ってあったり置かれていたり。とても心強かったです。平日は、修学旅行生が来るかもしれないと情報を頂いていたので、早速声がけに美術館の外へ出ましたが、修学旅行生はハードスケジュールだそうで空振りに終わり、館内の声がけに切替えたところチラシを見て来たという方がいらっしゃいました!その方がお友達を誘ってくださっていて11時から開始できました。
最初はお二人ご一緒に鑑賞していたのですが、男性の方が途中から離れて、「他に気になる作品はありますか?」と声をかけたところ「入口入ってすぐの作品が気になります」とのことでしたのでそちらに移って鑑賞しました。
入口の外からでも見える、真っ黒な作品でここだけ別世界。無機質な異空間のように感じたそうです。でも観ているうちに、壁にはストーブ(一部)があり…よくよく見ると人の手で作られたことがわかりますね。でもそう感じさせない作品。あの赤い球は何を示しているのだろう?圧倒的な存在感のある作品に惹きつけられたようでした。
次に気になる作品の元へいきました。
数点からなる作品のうち一点に目を留めて、不思議な作品ですね、と。
そこにある物はわかるのに…骸骨・羽・電球・星・耳…でも全体は何を指してるんでしょう?不思議ですね。
アバンギャルドな作品の展示なので「?」が増えていきます。
修学旅行の集合場所が小樽美術館の隣でした。午後の部は、集合時間までまだ時間がある修学旅行生と女性の方が来てくれました。グループの中から一人外れて作品を見入っている女の子がいたので声をかけてみました。
岡倉さんの「月の遺伝子」の中の、先ほどの方と同じ作品を鑑賞しました。彼女は「骸骨に羽が着いていて、亡くなった方が天に昇っていく。でも怖いとか悲しいとかではない。」と話してくれましたが、その次に来た女性は、「どこが遺伝子なのかわからない…と言いながら真ん中に星座があり、周りが天気図、星もある。骸骨の体の割に耳が大きいから天空の音を聞くのかしら。」とお話ししてくれました。
3人のお話を聞いて、みなさんご一緒のタイミングで鑑賞できたらよかったのにと思いました。
終わってみれば、午前4名、午後11名の方に参加いただきました。
美唄の小学校の修学旅行生がきてくれたことも大きかったですが、市立小樽美術館様のご協力によりチラシ置かせていただいたので、それを見てきてくださった方がいてうれしかったです。その方たちは、市立小樽美術館協力会の会員で美術館のイベントにはよくいらしているそうで目に留まったそうです。
また、「アートコミュニケーター」や「対話による鑑賞」にも興味を示していただいてお話しすることができました。
今回はおひとり様や少人数の方が多かったので、大勢の方の意見を同時にを聞くことは叶いませんでしたが、対話による鑑賞の面白さを少しでも感じていただければ幸いです。
どうにか雨も降らず、充実した一日が無事終了しました。
また、このような機会に恵まれましたらみなさまぜひご参加ください。
お待ちしております!
最後になりましたが、市立小樽美術館のみなさまご協力ありがとうございました。
(写真:柏原・萩中・藤田 / 文:はせがわ)