苦みの旨み そして 余韻
コーヒーに関心をもった
25歳の時に留学したオーストラリアの西海岸での生活の中でだった。
イタリア系移民が多い西オーストラリアは
小さなカフェも、ピザ屋も
エスプレッソマシーンで美味しいコーヒーを淹れてくれていた。
コーヒーとミルクとの相性
そしてミルクのフォームの状態など
自分好みのコーヒーを探すのが好きだった。
当時のビジネスクラスで話題になった
「なぜ、西オーストラリアには外資の大手スペシャリティーコーヒー店がないのか?」
というトピックで
その理由はイタリア中心のヨーロッパ系オージーが大多数の西オーストラリアのコーヒー文化には敵わないという。
各家にエスプレッソマシーンが目につくその地では「苦味の深み」の旨味が美味しかった。
そんな時、日本から懐かしく缶コーヒーが送られてきた。綺麗なデザインと、しっかりとしたボディ。
あ〜そうそう。これこれ。
なーんて思いながら、せっかくだからと湯煎で温めた缶コーヒーを寒いパースの地で日本でいた時の、冬の楽しみを味わった。
その時のコーヒーの味を覚えている。コーヒーの味は缶の味
帰国した後もオーストラリアの懐かしい味を求めるようにコーヒーの味を探していた。
京都で日本の美しい手仕事を紹介するお手伝いをしてる中で
ふとブレイクする時に飲むコーヒー。
自家焙煎するコーヒー屋さんが増えるこの街で
目にする豆を手にしては飲んでいた。
最近の浅煎りの華やかな香りのたつコーヒーが多い中でも
深煎りで美味しいのは確かにある。
けど私の生活の一部として日常的に飲みたいような
あまり強くなく、でも弱くも無い
派手ではなく、地味でも無い
そんなフツーなようで、フツーでない味を求めていた。
世間の流れに逆行するように
深煎りの「苦味の旨味」の余韻がしっとりと心地よく残るブレンドを作ってもらいました。
焙煎される @coffeeboooya さんとのコーヒーの好みが似ているのもあり
出来たお味にご満悦。
これからこのコーヒーと日常を楽しもう。