個人のQOLを計測するアウトカム指標について
個人の幸福度、QOL、Wellbeing、マインドフルネス等の度合いについて計測し、追求していくための指標を開発している。個人や各種のサービスサプライヤが、羅針盤として活用できるものと出来れば良いと考えている。ここでは、その概要をご紹介したい。
まず、この検討にあたっては、様々な先行研究、幸福哲学的なものを参考にしている。特に、日本においても人口に膾炙していると考えられるマズローの5段階欲求説の考え方を応用している。これは、個人の主観的、感覚的な欲求の達成の度合いを数値化して活用することを目指したものであり、客観的な状態を比較するためのものではない。それは、究極的に、幸福を感じるのは、個々人の主観が単位になるという観点に依拠している。例えば、客観的に所得水準が高くてもその人が感じる幸福度は低い、逆に、所得水準が低くても幸福度は高いという先行研究がある(所得水準と幸福度は、一定の閾値を超えると無相関になる)。そうすると、幸福度について、客観指標として設定し、計測すると言った場合に、様々な条件設定が必要となり、分かりにくいということになる。ここでは、このような前提に立って、主観的な観点を重視して、指標を検討している。
具体的には、マズローの5つの欲求をベースに、そのそれぞれの内容を精査し、それぞれの項目ごとに均等に配点して、数値化しようというものである。(例えば、項目ごと20点、100点満点とする。)
主観的指標であるので、一概には言えないが、この指標の一般的な傾向として、①の生理的欲求が満たされてはじめて、②の安全欲求を満たす・・・、という話になる。反対に、例えば、⑤の自己実現欲求は、①~④の欲求がそれなりにでも充足していなければ、目指そうとする気も起きないこともあるということが言えるだろう。
この指標を用いることで、個人が過去の自分と比較して、自分の幸福度を見える化する、法人が、自分のクライアントのそれぞれの主観的な幸福度の分布を見える化する、などといった活用方法が考えられる。
以下は、指標の5つの欲求の観点の意味合いを概念的に示した図である。自己実現の追求が人生の究極の目的となる人もいれば、自己実現はともかく、他者への感謝・奉仕の欲求して幸福になる人もいる。そのような意見を踏まえた整理となっている。必ずしも⑤自己実現欲求が、④他者への感謝・奉仕の欲求よりも尊いものでもないし、目指すべきものでもないという意見はありうると考えたためである。
上記の考え方に基づいて、アンケート形式で回答できるようにしているので、関心がある方は、ご活用頂きたい。(個別にご連絡を頂ければ、試行的に自分や自分のクライアントの幸福度が計測できるように手配させて頂きます。)
また、生活サービスの企画立案、導入検討、一定期間におけるモニタリング等のご要望がありましたら、個別にご相談を頂ければと思います。
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