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#17 画家、ワインソムリエ【徐 安珠 (So Anju)】

【第17回目ゲスト】
徐 安珠 (So Anju)
画家、ワインソムリエ
1998年生まれ 長野県出身。  
愛知誠徳大学ビジネス学部卒業。  
フリーランスの画家、ワイン講師。  

自身の中に芽生える様々な【感情】を「色」にして素直に表現している。  私の絵を通じて多くの人達が、自身の中に宿る光と闇の感情を受け入れ、愛と調和に満ちた世界を実現したいという想いを抱きながら日々創作中。

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【H…Hiromi / A…Anju】

▪️H.自己紹介をお願いします!

A.アンジュと申します。普段は画家としての仕事とワインソムリエとしての仕事を2つフリーランスでさせていただいてます。現在26歳なのですが、今年でちょうどフリーランスになって3年目になります。よろしくお願いします!

▪️H.よろしくお願いします!
画家とワインのお仕事は
どちらが先だったのですか?

A.ワインのお仕事が先ですね。企業に勤めながらワインのお仕事させていただいて、ソムリエの資格を取得しました。ただそのタイミングで、コロナが流行り始めてしまって緊急事態宣言であまり営業ができない時期に仕事が激減してしまいました。お給料はいただいていたのですが、全然出勤できない状況が続き、少し暇な時間を使って、何かをやりたいなと思っていたタイミングで絵を描き始めました。たまたまInstagramに趣味として絵を載せていたら、だんだんと仕事のお話をいただき、仕事に繋がっていっていきました。今は地元でのらりくらりしながら働いています。

▪️H.地元はどちらなのですか?

A.長野県です。長野県出身で高校から愛知県に10年住んでから地元に戻ってきました。コロナの時期に戻ってきて、そこからトレーラーハウスに住んでいました。

▪️H.トレーラーハウス!それも面白そうですね。後でそのことも聞かせてください。ワインは元々興味があって、その道に進まれたのですか?

A.いえ、元々、大学時代も経営学部だったので、金融系の仕事に進む子が多くて、私もクレジットカード会社から内定をいただいていました。ちょうど内定をいただいた時くらいに祖父が亡くなりまして、祖父はワインが大好きで家にワインセラーも持っていました。大学時代の私はワインに興味はなかったのですが、祖父が亡くなった後、親戚で祖父が残したワインを飲む機会がありました。祖父から見たら、私を含め3人孫がいるのですが、3兄妹分それぞれに違うワインを残してくれていました。祖父がどうしてこの種類のワインを残してくれたのだろうと考えている内に感動してしまって、ワインに興味を持って勉強していくようになりたした。

そして、ワインを好きになってから、たまたま寝ている時にワインをサービスする夢を見たのです。その夢を見た次の日の朝に、今になっては半分寝ぼけていたのかなと思うのですが、「自分はワインの道に進むべき人間なのだ」と思って内定いただいていた会社に取り消しの電話を入れたのです。後も先も決まってないままなのに(笑)

▪️H.内定取り消しの後はどうされたのですか?
A.ちょうどそれが大学4年生の時だったのですが、手当たり次第、自分の知り合いや大学の教授にワイン関連で知り合いがいたら紹介してほしいっていうことをお願いしました。その時にちょうど大学の教授の行きつけのワインバーがあって、連れて行ってもらいました。

ワインのことは右も左もわからないのですが、
つてをいいことに「働かせてください!」って千と千尋の神隠しの千尋のようにお願いしたら、断られました(笑)

日本ワイン専門店だったので、 これからちゃんとワインの道に進みたいっていう人に、日本ワイン限定で学ばせたら申し訳ないし、今、人手は足りているのでっていう感じでした。

ただそのお店の知り合いの方が名古屋にいらっしゃって、有名なワインのレストランがあり、そこに連絡していただきました。そのお店でアルバイトとして採用してもらい、大学を卒業する直前にもしよかったら社員にならないかと誘っていただいて、新卒で就職はしました。

▪️H.そのお店ではどんなことをされていたのですか?

A. ワインスクールも経営している会社だったのでレストランのホールと経営してるワインスクールのスタッフとして働かせていただきました。自分自身もそこのワインスクールに通いながら、ソムリエの資格を取りました。

▪️H.そうだったのですね!ワインの道からどうやって、絵の道に進んでいかれるのですか?

A. きっかけは職場でした。コロナが流行り始めて、あまりお客さんも来なくなってしまったのですが、それでも常連さんに支えられて時短で営業は進めていました。

常連さんがたまたまコロナで仕事が減ってしまって、新しい趣味として絵を描き始めることを話されていて、画材屋さんでキャンバスと絵の具と一式を買って来られていました。

荷物をお預かりした時に絵の話になってこのタイミングで実は私も小学生の時に2ヶ月間だけ絵画スクールに通ったことがあって、その頃の話をしたのです。

お母さんと一緒に大人の絵画スクールに通っていたのですが、子供ながらにすごい負けず嫌いの性格で、親や先生は小学生の自分より絵がうまいじゃないですか。立体的な四角形や丸のデッサンの授業をしてもらってる中で周りと自分の差を感じて、それがすごく悔しくて、毎回泣いていました。先生が70代くらいでペースメーカーが入れて心臓があまり強くない方だったのですが、私の泣き声が精神的に身体的にもその先生に良くなかったようで2ヶ月で辞めることになりました。

このことを半分ネタとしてお客様にお話をしたら、習っていたなら何か書いてほしいとなり、立体的な丸を描いてみたら、お客様にも、近くで見ていたスタッフにも褒めていただきました。
それが嬉しくて、ちょうど私もワイン飲んでいたので酔っ払った勢いで家に帰ってから、Amazonで絵の道具を買ってしまいました。そこから届いた時にはもう描かざるを得ない状況というか。せっかくだから、久しぶりに描き始めたのがきっかけで、そこから楽しくなってしまってInstagramに載せていたらお仕事に繋がっていきました。

コロナでお仕事も減っていましたし、その会社自体もスクールや資格を受けさせていただいて、ありがたかったのですが、長時間労働の日々が続いていて、そろそろ辞めどきかなと思いノリと勢いで仕事を辞めました。

▪️H.もうその時は絵でごはんが食べていける状態だったのですか?

A.そこまで稼いでいた訳ではないのですが、辞めてから3ヶ月は失業保険をもらっていました。そこからハローワークにも通ったのですが、このままフリーランスの方が頑張れるのではないかと思い、そのまま再就職せずにフリーランスになりました。

どちらも個人事業主という形にはなるのですが、ワインの方はワインスクールという形で
人を集めて自分でワインスクールを開いたり、イベント会社の方に依頼をいただきワインスクールを開催したりしています。あとは、飲食店様のワインリストを作らせていただく仕事もしています。

絵の方は完全にオーダーで描かせていただいて、マルシェやフェスの機会があればポストカードや小さいキャンバスの販売をしています。名古屋のパルコの雑貨屋さんで委託販売もさせていただきました。

▪️H.なるほど。幅広く活動されていますね。作品の質問になるのですが、アンジュさんの絵は抽象画がメインだと思うのですが、
何をイメージして描かれているのですか?

A.言語化が苦手で伝わらないかもしれないのですが、絵を描きたい衝動に駆られることがあるのです。そのタイミングで絵の具を手に取ったら時間のことや何を考えていたかも忘れて、無心で数時間描き続けてしまいます。日ごとの感情は影響すると思うのですが、自分の感情が高まる時というか、何か自分が伝えたい時、自分の心が思考を超えた時に、悲しくもないのに涙が出ることがあります。自分でも未だに解明できていないのですが、そのタイミングで絵を描いています。

▪️H.凄いですね。それは昔からですか?
それに2ヶ月の絵画スクール以外、絵は描いてなかったのですか。

A.昔からですね!学生時代はバスケをやっていましたし絵とはあまり関係なく生きていましたね。

▪️H. ワインのお客さんのところで描いた絵が久しぶりだったのですね。凄いですね!

それに、衝動的にワインの道に行くべきだと思ったらすぐに動いてたり、絵を描こうと思ったら絵を描く準備をしていたりされていて、その行動力も昔からなのですか?

A.昔からですね!

▪️H.そうなのですね。アンジュさん自身が影響を受けた人や作品などあるのですか?

A.母の影響が強いですね。昔からとても多趣味で、やりたいと思ったことはすぐにやっていました。母は天然石を使ったアクセサリーを作る仕事を個人でしていて、スクールも開講しているのですが、自分も何か作りたいっていう影響は受けていたのだと思います。制作意欲をかき立ててもらって、好きなことでも生きていけるよってことを背中で見せてもらっていました。そのおかげで、私もなんとかなる精神でやりたい方向に直感で進んでいけたのかなと思います。

▪️H. フリーランスになるって時って
怖さはありませんでしたか?

起業や自分で何か始める時って、やりたいとは思っているけど、将来の不安などを見て動けない人ってある一定いると思っていてて、
フリーランスになるぞと決断した時
どういう気持ちだったのですか?

A. 本当になんとかなるとしか思ってなかったですね。ここ日本だしと。仮に私が本当にもう何やっても稼げなくて、ご飯食べれません!っていうタイミングに遭遇したとしても、 日本だから、何かしらの援助があるだろうと思って。
国の力を借りて、なんとかなると思っちゃったんですよね。家賃が払えなくなったとしても、温暖な地域に引っ越して、ホームレスもできるなと(笑) ゲストハウスで住み込みで働いてる人もいるじゃないですか。
本当に死ぬっていうことはわこの国にいる限りないだろうから、恥を晒してでもやりたいことを一旦やって生きてこうっていう風に思っていましたね。

▪️H.たしかに、やってみたら案外、
大丈夫なことも多いですよね。
あと、トレーラーハウスのこと話されてたじゃないですか?何をされていたのですか?

A.100坪の土地とトレーラーハウスが
駐車場込みで家賃4万円で賃貸に出されていました。そこで一人暮らしを始めて
その土地の山菜やきのこを食べながら、
自分でも野菜を栽培して無農薬野菜として
地元の道の駅で販売していました。

仕事を辞めて地元に帰ってきたタイミングで、すぐに契約をして、畑を始めて、自分で野菜を育てて食べて、あまり食費がかからないような暮らしをしてました。長野県なので畑をやっている人も多くて、余った種や苗をもらっていました(笑)

▪️H.なんで畑をやろうってなったのですか?

A. 面白そうで始めました(笑)元々、植物が好きだったのですが、育ててみたいっていう気持ちに突然なってそのタイミングで家を探してたら、その100坪の家が見つかったので!ここで畑できると思ってノリと勢いで借りちゃいました(笑)

トレーラーハウスはアメリカ式のタイヤがついたプレハウスなので、衣食住が可能でIHコンロやお風呂やトイレもあり、暮らしに全然問題なかったですね。

▪️H.思ったより快適そうですね!
どれくらい住まれていたのですか?

A.今は引っ越したのですが、
1年半ほど住んでいました。
そこで暮らしながら絵を描いていて、
お風呂場が広かったのでアトリエにしていました。その当時は銭湯に通いながら、
お風呂場で絵を描いていました(笑)

▪️H.面白い経験されていますね!
アンジュさんは今後どうなっていきたいって
あるのですか?

A. 今後は、世界中を旅しながら、環境に問わず自分の内側から出る感情をそのまま色に表現して、その場で描きとった絵で食べていけたらいいなと思っています。

▪️H.アンジュさんの絵のテーマってあるのですか?

A. 絵のテーマは、完全に自己表現。 自由ですね。 私自身が自分の感情を自由に表現することをまず第1条件で絵を描いています。
その中でオーダーの内容にもよりますが、
絵って難しいって思われがちなのですが、
絵を通してもっと自己開放をしてもらいたくて。


個展に来てくれた方、買ってくれた方に、
もっと感情をオープンに出してもいいって思ってもらいたいです。喜怒哀楽をすべてを1つに込めたようなそんな絵を作りたいです。


喜怒哀楽の喜と楽は いいポジティブな感情だけど怒と哀はネガティブな感情と思われますが、その線引きがない世界線を描きたいと思っています。言葉だと伝わりにくいかもしれませんが。

▪️H. 描きながらそうなっていったのか、もしくは最初からその考えが真ん中にあったのですか。

A. 最初の方がもっと美しい世界線を目指し描いてましたね。 周りには優しいねと昔から言われる傾向があったのですが、私の中にずっと優しい気持ちある訳ではないし、いろんな社会に揉まれるうちに、くそやろうって思う相手もいるし。全員に対して仏のような気持ちで全て肯定できる人間でもないですし。逆に全ての感情を素直に表現できる方が1番人間として美しい、正しいあり方ではないのかなと思いました。

偏っているといつかはガタが来るというか、
表面の塗りたくられた絵の具が剥がれるような感覚ですかね。表面では光沢を塗って綺麗にしているけど、時間が経ったらそこがペリっと剥がれてサビが出てきたみたいな、人間みんなそういう感じじゃないかなと思っています。素直でいることが1番の美と思っています。

▪️H.絵の想いを聞いてよりアンジュさんの絵が好きになりました。アンジュさんの絵をリアルで見れる機会や購入できる場所はありますか?

A.今後の予定はまだ決まってないのですが、
今年の12月あたりにライブ販売をしたいなと 計画中ではあります。
Instagram かTikTokどちらかを使って、直接足を運ばずともオンライン上で絵を見えやすいような環境を作ってオンライン個展みたいなのを今年中にやりたいです。

▪️H.アンジュさんのオンライン個展楽しみです!最後に今後の抱負を聞いてもいいですか?

A. アートを通していろんな方に自由な表現をするということ、もっと解放する心を持ってほしいと思ってます。私の絵を鏡のような感覚で見てもらって、その絵を通して感じる心を、自分の心の鏡として見ていただいて、もっと自分の心とつながってもらえればと思います。

私は主に抽象画を描いているのですが、絵を通して、そういった風に自分の心と対話できるような時間を作ってもらって、みんなが自分らしい世界線で生きれたらいいなっていう風に思っています。第1は自分が楽しむことをメインに絵を描いています。

▪️H.絵を通して自分と向き合えるのっていいですね!たくさんお話を聞かせていただいて、今日はありがとうございました!

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