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#40. POPは、簡単で難しい広報活動
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
以前の仕事で売り場のレイアウトやPOPや、手書きプライスカードを作ってと頼まれることがありました。
初めは、私含め各スタッフが思い思いにPOPを作る、いわゆるヴィレッジバンガードのような太字からコンビニなどで見かけるイラストを備えたようなものまで、様々なPOPが出来上がりました。
いざ展開してみると、見出しとして目にはつくのですが、なぜか違和感を感じます。
Q それはなぜだったのか?
A 結論、まとまりがなくなったからです
POPおよび、プライスカードというものは、商品の名札であり、購入者が商品画像や実物の次に目を引くポイントとなります。
商品自体が、企業や時期のコンセプトなどに沿って作り上げられた「まとまり感」があるものに対し、手書きとデジタル、それだけではなく、カラーとモノクロなどが規則性なく混在している状態は歪んで見え、
それでなくても商品の数は、現在において、あえて私たちの選択を困らせるほどに増えきっているのに、よりもっと混乱してしまいます。
Q どうやってPOPを作っていくか?デザインしていくか?
その時に、どう分析し洗い出して、改善を提案したかを話した時、今回noteを書いていくうち、自分の思考方法や行動原理もまとめておいた方がいいというお話を先輩から言われ、書き出してみることにしてみました。
デザインもマーケティングも無知のところから、独学で売り場からお店の売り上げを見てみることにしてみました。かなり荒いかもしれませんが、ご了承ください。
ポイントを3つに絞って考えてみました。
1 お店はモールやアウトレットなどの商業施設の中か、路面か
商業施設の中だった場合には、買い物をしている人が、一番入っているお店はどこで、一番入らないのはどのお店かを分析します。
そうすることで、売り場の作り方から、商品は違うにしても、その見せ方には工夫の違いが見えてきます。
例えば、私のいたところでは、某ファストファッションを掲げる服飾チェーン店が一番やスーパーが一番出入りが多く、アウトレットおよび、財布やバックなどさまざまなブランドを集めたショップが回転率が閑散としていました。
これが、スタッフが営業をかける前提のお店かどうかも、重要なポイントですが、POPにおいてはそこはあまり大きく左右されません。
こういった前者のような企業の、既に回転率を持っているPOPの作り方を真似すると、POPの文字バランスや、見出しとしてのサイズ比率感など、レイアウトが見えてきます。
また、地域に根ざしたというよりも、地域の目が肥えたお店になっているため、抵抗感も比較的少ないものとなっていることが多いのです。
売り場作りに困ったら、ネットで検索するよりも情報量が豊かです。
路面店の場合は隣接する店舗状態からも伺えますが、もしそうでない場合はどのユーザー層をターゲットにしているかで3の分析を行うのも、一つかもしれません。
2 値札としてのPOPか?それとも見出しとしてのPOPか?
扱う商品が服飾・飲食物などの、普段から身につけたり口にする衣食か、
それとも充電器・イヤホン・冷蔵庫などの家電類や、家具・工具類かで大きく2つに分けました。
その他などを加えて、3つでも良いのですが、多くなっては混乱するかもしれません。
用途でわけるのがおすすめです。
調べてみたところ、服や飲食物の場合は、POPにごちゃごちゃと成分や、機能を値段に加えて書かれていません。
それはそうですよね。服はパッケージングされたものよりも試着や肌触りを確かめたいし、飲食物もおいしそうな商品の顔を表にしています。
機能性や成分表はあくまでも服は小さなタグで、飲食物は、裏かトレイの底に印字されていました。
ユニクロのPOPは基本情報に加え、キャッチーな仕様用途が伝わる写真と、どんな商品か2行程度で記載されています。
平台は、広告時は特に商品名と値段だけという基本情報のみで構成されていました。あまりにもシンプルさに対し、面白く感じました。
また、値段のコスト以外に、商品のどこを見ているかを書き出してみることもしました。
私の場合は、服は着てオシャレかどうか、暖かいか寒いかという印象を大事にしていたりします。食べ物は美味しそうかまずそうか、献立は?お昼ご飯は?という食欲を掻き立てるどうかになってきます。
友人や同僚にアンケートをとりましたが、大きくは変動がなかったようです。
元々、扱っていた通常のPOPは、基本情報に加え、WEBページの詳細が、7pxくらいの小さい文字で7行詰めされており、その上、QRコードも付いていました。ぎゅうぎゅう詰めそのものです。
これらを参考にし、限りなく情報を集約、商品によっては印象重視で写真をつけ、商品タグや商品のパッケージ裏に成分・機能記載するように変更しました。
また家電などはある程度、値段以外に機能の明確な分け方が必要になります。その場合は、小学生にわかる言葉だけで比較表を作りました。
さっと手に取れる位置に置くのが最適です。
他に参考にしたのがSONYです。
規模感によっても変わりますが、SONYのヘッドホンは商品の入れ替わりが激しく、値段に応じてこのランクというのがはっきりしています。
その当時の売り場は、値段の差がないのに機能が良いもの悪いもの、同じ機能と材質なのに、値段だけ高いものなど、明らかに選びずらい商品や自分なら提案されても買わない商品が並んでいました。
なので、全て分別して、その土地の人がよく購入されるランクで、差分のはっきりしたラインナップに変更しました。
こういった細かい整理整頓もPOPや広告を見やすくし、作業量を減らす元となりました。
また営業・販売スタッフもはっきりと提案ができます。
習うより慣れろ、よりも習おうだと思いました。
3 同じ商品を扱うお店で、回転率が高そうなお店はどんなか?
私が扱っていた商品にイヤホンがありました。
昨今のオーディオ機器の変化と進化は目まぐるしく、またメーカーによっては、同じブランド内で、差分がはっきりしていなかったりします。
ブランド違いでも「この3,000円の差は何?」みたいなものも多いです。
高ければより良いのは当たり前ですが、聞こえ方に違いが理解できるかも個人次第な点も多いです。同じ機能なのにあえて機能名を変えて新機能として売り出しているという怪しい売り方も見受けられました。
また、イヤホンは海外生産で、WEB流通在庫を販路に卸しているためなのか、パッケージが日本語化されておらず、コストカットのために、日本語パッケージを作らないというのもあります。
情報量をどう集約するかがかなり問題でした。
なので、私は関西の家電量販店の中で、イヤホンコーナーに人が開店しているお店を巡回し、分析することにしました。
私が参考にしたのはヨドバシカメラマルチメディア梅田店さん。
ここのイヤホンコーナーは多種多様なブランドが参列しています。
しかし、基本的には、オーディオを細分化し用途に分けてコーナー作りをし、さらにそこからブランドごとに分ける取り組みをしていました。
ここで私が注目したのは、客層も明示化して売り場のPOPに生かしていたことです。
イヤホンを形状で分けます。
近年オープンイヤー型が流行り、元々あったカナル型とインナーイヤー型と大きく三つに分けることができます。(イヤーカフも一旦オープンイヤーに混ぜます。)
例えば、カナル型とインナーイヤー型を買う人は、初めて買う人も多ければ、知識の持った人も多いでしょう。しかし、近年注目され続けている骨伝導やイヤーカフを含めたオープンイヤー型は、知識の持った人でも初体験の方が多いはずです。
そして、カナル型においては、音の加工をなるべくかけず生音に近い状態をつくっているプロ用などの高価格帯もあります。
こうやって購入層を分け、知識の多い人が買うイヤホンや性能をグラフで示したり、初見の人や知識の弱い方には、色や形、モデルの写真などのキャッチーさを前面にだして、展開していました。
また営業・販売スタッフが張り付いているわけではなく、吊り下げ広告にあえて商品の選び方など、見やすく飾っているのも工夫の一つでしょう。
最後に
自分が、日頃どうやってお店の中を見て買い物をしているか自己分析してみると良いかもしれません。
または、知人などと一緒に買い物をしている時に、目線の動き方、どのタイミングで商品を手に触れるかなど観察してみると良いでしょう。
ポスターやサイネージからインスタ、ティックトック広告、そしてゲームやアニメに商品を出すなど、昨今の広告デザイン領域は広がっていくばかりです。
新海誠さんの映画を見た時は『トゥルーマン・ショー』を思い出しました。
しかし、日本におけるデザインというものは、お金をかけずバイトやパートさんの隙間時間にお願いするという軽視されがちな側面の印象を受けます。
オンラインでデザインナーに仕事を頼めるサイトの普及による仕事の枠組みはより選択しやすくなったものの、
金額が安く済ませるという点で、今後デザインの価値も安く見られてしまうという悲観的な意見もあるそうです。
どれだけ、意識的にPOPを作るかによって、お店の雰囲気は変わっていきます。
ポスターやサイネージなどを作るのも大事ですが、いざ来店して値段が書かれているPOPがわかりずらくて退店した経験があります。
その気持ち悪さは、同じ職場にいればいるほど薄らいで、当たり前になっていきました。
ここでは触れませんでしたが、人が通る時の通路の幅と商品台の距離感の取り方も雰囲気のポイントになります。
WEBSHOPであれば、商品紹介ページも同様に分析を行えば、「見やすいデザイン」が見えてくるのではないでしょうか。
この方法で実際に取り組み、効果があったことです。
おそらく、いろんな人や本が語っているかもしれません。あくまご参考程度になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。