拘りの理由(4)─自分のため─
毎日、自分のためにお茶を淹れる。
緑茶、ほうじ茶、麦茶。
冷やすものは冷蔵庫へ、温かいものは専用のポットに入っているのだけれど
家族も自由に飲むから、自分がいざ飲もうとした時に無くなっている、なんてことは日常茶飯事で。
私がお茶を淹れるのは、決してあなた方のためではない。
空になった容器を見て、虚しく、やるせないときがあり、随分とモヤモヤしてしまう。
完全なる私のわがままなんだけど、別に、誰かにそれらを淹れてほしいわけではない。何故ならそれらには私なりのこだわりがあり、誰かに任せることを許せないのだ。
だから、虚しく、やるせなく、モヤモヤしていても、自分で淹れると決めている。
他ならぬ自分のために、今日も、明日も、毎日毎回自分で淹れ続けていく。
自分のために丁寧に入れたお茶は、他人が飲んでも美味しいのだ、きっと。
だから、空になる。
と、いうことにしておこう。