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「熱力学エントロピーの世界地図」その18 「経済力学」~論文~経済におけるデフレやインフレが起こるメカニズムに関する考察 ひーろまっつん 松尾浩一

 経済におけるデフレやインフレといった経済現象が起きるのは、一体なぜなのだろうか?という疑問について、この場で、考察を試みたいと思う。

 まず、デフレーションが起こるメカニズムについてであるが、デフレという経済現象は、物やサービスの自体の価値が下がり、お金自体の価値が上昇する現象である。

 ここで、私が考案した、経済力学エントロピーの定義式を用いて、その、デフレやインフレの経済状態を、ここで、考察してみることにしたいと思う。

 私が考案した、経済力学エントロピーの定義式は次のように表される。

 ⊿edS=⊿WMa/G

    =⊿(WMir+WMt)/G
                   
                  ⊿edS:経済力学エントロピー
     WMa:お金自体がする総仕事量
         G:お金の絶対的価値(ゴールド)
                 WMir:お金が金利によって増える場合の仕事量
      WMt:お金と物を交換することによって得られる仕事量

そして、お金自体の価値は、WMa/Gで表される。つまり、

    お金自体の価値:WMa/G

である。お金自体の価値は、お金自体がする仕事量を絶対的金銭価値で除した値であることになる。

 また、お金自体がする仕事量とは、お金自体が金利によって増えることと、物やサービスとお金を交換することで得られる仕事量の二種類がある。

 そして、経済力学エントロピーというのは、経済において、お金を流すエネルギーである。

 そう考えると、一層、経済力学における理解が深まることを、きちんと理解しておいていただきたい。

 ここで、WMa/G であるが、この、お金自体の価値について、まずは考察してみることにしたい。

 WMa は、お金自体がする仕事量の総量であるが、この、お金のする仕事量が大きい場合、つまり、好景気の場合を、まずは、考えてみることにしたい。

 好景気の場合は、物やサービスが売れ、お金が、経済において、どんどん流れる状態であると思うが、この時に、一体、どのような経済現象が起こるのかを、まずは考えてみることにする。

 物やサービスが売れる →企業が儲かる →人々の賃金も上がる → 物がどんどん売れる → 納税額も大きくなる → 国が潤う → 投資が活発になる → さらに企業が儲かる → さらに賃金も上がる → 金(ゴールド)の価格が下がる

といった、経済における、好循環が生まれるのが、好景気の状態であろう。

 ここで、経済力学エントロピーを考える上では、その場合の、金(ゴールド)の価格は、どのように推移していくことになるのかを考えてみる必要がある。

 実際には、金(ゴールド)の価格は、好景気の場合には、下がる傾向がある。

 その場合の経済力学エントロピーを考えてみると、お金がする仕事が大きくなり、金の価格が下がる傾向があるのであるから、経済力学エントロピーの定義式から、経済力学エントロピーの値は、大きくなることがわかる。

 経済力学エントロピーの値が大きくなるということは、経済の流れが活発になるということである。

 そして、金の価格が下がり、お金のする仕事が大きくなることで、お金の価値自体は上昇することになる。つまり、この時、経済力学エントロピーの定義式を用いて、経済の状態を考えると、金の価格よりも、お金のする仕事量が大きい状態をもたらすのであるから、お金の価値が上昇していき、金価格が下がっていくことで、徐々に、デフレーションの状態になっていくことが、きちんと、理解できると思う。

 つまり、その場合のお金の価値は大きくなり、物やサービスの価値が下がった状態である。

 このように、好景気の時に、実際に、起こりうるのが、デフレーションという経済現象であることが、きちんと、理解できたと思う。

 逆に、インフレーションの場合について考えてみると、インフレ―ションは、不景気の場合に起こり得る経済現象であろうことが推測できると思う。

 不景気の場合には、好景気と、全く逆なので、インフレーションが、起こりうることが推測できるが、実際にそのとおりであり、不景気の場合に、どのような経済現象が起こり得るのかを、ここで、考えてみると、

 物が売れない → 企業が儲からない → 賃金も下がる → 税収も下がる → 投資に消極的になる → 企業のもうけがどんどん減る → 賃金もどんどん減る →税収もどんどん減る → 金融不安が起こる →金(ゴールド)の価格高騰が起こる

 といった具合に、経済が停滞して、経済の悪循環が起こるのが不景気の時であろう。

 この場合に、金の価格はどうなるのか?ということを考えてみると、不景気によって、金融不安が引きおこれば、当然のこと、金の価格は高騰するのであるから、この場合の経済力学エントロピーの値は、金の価格が高騰した上に、お金のする仕事量が小さい状態なのであるから、経済力学エントロピー自体も、小さくなることがわかる。

 そして、その場合には、お金の流れ自体が、停滞することで、経済状態が悪化した状態であることが理解できる。

 そして、不景気の時には、お金自体の価値は減少し、金融不安から、金の価格が高騰してくるため、金の価格よりも、お金自体の仕事量が下がり、低くなった経済状態を、実際に、インフレーションというのである。

 つまり、その場合のお金自体の価値は小さくなり、物の値段が高くなる状態が、引き起こされることになる。



 ここで、これまでの30年間余りの間の、日本の経済について考察してみることにする。

 まず、約33年前には、日本では、バブル経済の崩壊が起こった。そして、当時は、好景気の真っただ中であったが、バブル経済崩壊後には、金融不安が起こり、不良債権が多く発生し、多くの証券会社や、銀行の経営状態が悪化した。そのため、ゼロ金利政策を、日銀が、導入することになった。

 しかし、このゼロ金利政策が、約20年間もの間、継続的に行われてきたことで、日本経済は、大きく後退することになったのである。

 当時は、好景気の真っただ中であったが、その後、日銀が、ゼロ金利政策を、約20年もの間、継続してきたことで、日本経済の成長が、ほぼ、止まる事態に陥ったのである。

 そして、約13年前に始まった、アベノミクスは、その経済成長戦略の一環として、マイナス金利政策と異次元緩和策を同時並行して行い、お金自体の金利をマイナスにまで下げ、そのうえ、日銀が円を異次元的に大量発行することで、さらに、円通貨自体の価値を下げた上で、その日銀が、異次元的に大量発行した円を用いて、既発国債の購入、株式ETFの購入、J-REITの購入等に、充てられただけの、経済政策であった。

 その結果、円通貨自体の価値は大きく下がり、人為的に、円通貨の価値がマイナスにされたことによって、経済力学エントロピーの値もマイナスにされたことによって、日本経済が逆流する事態に陥り、その結果、日本経済がマイナス成長するにまで、至ったのである。

 そして、当時のGDPの値も、のちに、日本政府によって改竄されていた事実が明るみに出た。

 このように、アベノミクスでは、日本経済自体は、一切、経済成長は、しなかった。逆に、このような、日銀の間違った、金融政策によって、日本経済はマイナス成長にまで落ち込んだことになったのだ。

 そして、金融緩和の国際協調が崩れ、その後の日本は、スタグフレーションに陥っていくことになった。つまり、異次元的に大量の円通貨の発行によって、潜在的インフレ状態が作り出され、それが金融緩和の国際協調が崩れたことによって、スタグフレーションという形で、表に出てきた状態が、今現在の日本経済の状態である。

 つまり、これまでの失われた30年間と言われている、この30年間は、まず、日銀がゼロ金利政策を取り、その状態を20年間にわたって継続して来たが、そのことで、お金自体の仕事が全くできずにいたことで、どんどん不況がひどくなって来たのだ。

 そして、その20年間の間には、緩やかなインフレが起こり、そのため、物やサービスの値段も、だんだんと緩やかに上昇して来たのだといえると思う。

 そして、あとの10年間で、さらに、日銀は、異次元の金融緩和策を導入して、市場に出回るお金を、異次元的に大量に増やしてきたために、それがさらにお金の価値を下げることになり、今日の日本経済は、あきらかに過度のインフレ状態を招いてきたことになるのだ。

 その結果として、現在の日本経済は、不況下での物価上昇であるスタグフレーションの状態に陥ることになったのである。 

 つまり、これまでの日本経済における30年間は、決して、デフレに苦しんできたのではない。

 日銀の、心底、間違った金融政策と、アベノミクスによって、お金の価値が全くない状態による、インフレ不況に、これまで、苦しんできたのである!

 つまり、これまで、日本国民は、日本政府と日銀の合言葉であった、デフレという言葉に完全に騙されてきたことになるが、その日本国民を、これまで、30年間にわたり、ずっと、騙し続けてきた犯人は、政府自民党の国会議員や、財務省や、日銀を始めとする国家公務員の官僚たちが、この、心底まで、間違った経済認識を、日本国民に植え付けてきた、真の犯人であることになるのだ!

 つまり、私たち日本国民は、政府自民党の国会議員や、財務省官僚、日銀の官僚たちの、明白な、だましの手口によって、騙されてきたことになる。しかし、このような国家公務員が嘘をつき、それに日本国民全体が騙されてきたのであるから、この国家公務員の行動自体が、不法行為に明らかに該当する。

 そのため、日本国民全員が、これまで、国家公務員の不法行為によって、経済的損害だけを被らされてきたことになるわけである。

 そして、日本国憲法第17条に、このような条文が存在することをご存知だろうか?

 「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときには、法律の定めるところにより、国または公共団体に、その賠償を求めることができる。」

 つまり、私たち日本国民は、これまで国家公務員たちから、いいように騙されて来たことが、国家公務員の明らかな不法行為であり、私たち国民全員でこれまで受けてきた経済的損害を、日本の国に対して、きちんと、求めることができるのだ!

 それが、日本国民として、本当の意味での、権利の行使であると言えるのだ!

 このように、日本国民は、国の政治の責任によって、これまでの30年間にわたって、自らの自由や生存権をも、完全に冒涜されてきたことになるのであるから、当然のこと、現在、日本に住む人々は全員、このようなこれまでの日本の政治の失敗に対する損害賠償を、日本の国に対して、求める権利が、きちんと、存在するのだ!















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ひーろまっつん(松尾浩一)
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