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「完全版 科学小説 熱力学的エントロピーの正体」その2 ひーろまっつん 松尾浩一

 次に、私は、熱力学的エントロピーが、物質の内部エネルギーUに起因して発生する状態量であることも、前回の作品の中で述べているが、この事実をきちんと証明を交えて述べていきたいと思う。

 物質の持つ内部エネルギーUには、さまざまな定義らしきものが存在するが、この場においては、「内部エネルギーUとは、物質の持つ物理的な仕事になり得る原動力、つまり、エネルギーのことであり、単位はJ(ジュール)である。」と定義することにしたい。

 ここで、熱力学的エントロピーは、物質の持つ、内部エネルギーを、絶対温度K(ケルビン)で除した値であると捉えることもできる。


 私は、この場合のエントロピーを、前回の作品の中で、内部エントロピーと定義するに至ったのであるが、物質の持つ内部エントロピーとは、つまり、

 ΔS=ΔU/T

 の事である。

 つまり、内部エネルギーUを絶対温度で除した場合のエントロピーは、熱量Qを絶対温度で除した場合のエントロピーとは、明らかに区別されなければならないと、私は、考えたために、内部エントロピーを、私は、定義したわけであるが、それは何故ならば、物質の持つ内部エネルギーに起因するマイナスの熱力学的エントロピーは、熱と磁界による磁力(吸引力)に分かれて発現するという事実に基づくためであった。

 しかし、マイナスの熱力学的エントロピーの発現において発生する熱量Qも、磁界による磁力(吸引力)も、その基は何か?と考えるならば、物質の持つ内部エネルギーが基となって、発生するエネルギーなのであるから、この区別は必要がないものと判断できる。

 つまり、熱量Qも、熱力学的エントロピーSも、物質の持つ内部エネルギーUに起因して、発生する状態量であると言えるのである。

 そして、熱力学的エントロピーとは、ある絶対温度環境において、変化する物質の持つ内部エネルギーの変化量を表していることに他ならない。

 つまり、熱力学的エントロピーとは、ある絶対温度環境において変化しうる、物質の持つ内部エネルギーの変化量を表す状態量であると言う結論が導かれることになる。

 それはつまり、熱力学的エントロピーとは一体何なのか?という疑問の答えを表しているのであり、その答えは、ある絶対温度環境の中で、物質の持つ内部エネルギーの変化により、得られうるエネルギー量を表しているということが言えるだろう。

 これらのことから、熱力学的エントロピーとは、ある絶対温度環境において、物質の持つ内部エネルギーから得られうるエネルギー、つまり、内部エネルギーのエネルギー効率を表す状態量であると考えられるのである。










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ひーろまっつん(松尾浩一)
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