3.まさかのアメリカ留学、ダンスパーティーに通う
1ミリも考えたことのない留学
失意の中で進学した男子校の高校生活でしたが、2年生にもなると少しずつ楽しくなってきて、高校生活をエンジョイしてました。
そんな中、その高校の長年の伝統である『交換留学制度』についての案内プリントが配布されました。
僕の家系は決して裕福ではないし、全然国際的でもない、アメリカ留学なんて1ミリも縁もゆかりもありません。しかし、英語はまぁまぁ好きな教科だったし、度胸試しぐらいのつもりで交換留学生の選抜試験を受けました。
すると筆記試験は通って、面接試験となりました。
元々、アメリカに留学なんて考えたこともないし、1学年800人、3学年合わせると2000人以上のマンモス校で、4人の留学生に選ばれるなんて、これっぽっちも考えていません。
面接では『得意なことは何ですか?』と質問され、何も得意なことが無かったので苦し紛れに『歌うことです』と。『では一曲歌ってみてください』を言われ頭が真っ白に。
取り敢えず最後まで歌えそうな一曲で頭に浮かんだのが『カエルの歌』。一曲歌い終え、面接は失敗したと確信しました。
まさかの選抜通過、ビビりながらアメリカへ
絶対4億パーセント落ちたと思った面接でしたが、何故かアメリカ行きの最終5人に選ばれてしまいました。
全く1ミリも留学なんて行く気の無かった人間が『言っていいのかな?』とも思いましたが、家族に報告すると、行って来いと。
本当に、毎日、頭の中が真っ白になりながら留学準備を始めます。
僕が行くことになったのはアメリカ西海岸、ワシントン州のシアトルの近く、タコマという町の高校でした。
もう、全っぜん予備知識も何もないままに行きましたので、最初の3ヶ月ぐらいはホームシックで毎日泣いてる感じでした。
仲の良い友達もそんなに出来ず、心配したホストファミリーが『学校主催のダンスパーティーがあるから行って来い』と。
ダンスなんてしたことないけど、藁にもすがる思いで行くことにしました。
積極的なアメリカの女の子たちに救われる
そのダンスパーティーは、校舎の真ん中の広い共用部分で行われました。どこから呼ばれたのか分かりませんが大人のDJがいて、もちろんアルコールなどは無し。自動販売機で買ったコーラとかを飲みながら、皆んな思い思いに踊ってます。
どうしていいか分からない僕は、フロアの端に座って皆んなが踊ってるのを眺めるだけでした。
すると、同じ学年の顔見知りの女の子が、
と誘いに来てくれました。そのまま、手を引っ張ってダンスフロアに連れて行かれます。
もう、本当に、どうやって踊って良いのか分からず、唯一自分が体験した小学生の時の盆踊りスタイルで両手を宙に上げて踊りました。
と皆んな喜んでくれました。
本当に、このダンスパーティーに2ヶ月に一度、通うようになってから友達も増え、好きな音楽も増えて、学校生活が楽しくなりました。
この体験がなければ、その後の自分の人生の踊り、ダンスに、こんなにハマることは無かったと思います。大切な、大切な原体験です。