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1年間の振り返り

こんにちは、吉井弘和です。約1年前に、ソトナカの共同代表とVOLVEのキャリアアドバイザー兼経営者と慶應義塾大学の教員という3つの立場で活動をすることにした理由について、個人としての考えを投稿しました。先々週から、慶應SFCも2024年度の授業が始まりました。今日は、その3つの立場のそれぞれで何をしてきたのか、2023年度の振り返りと2024年度の(ごく簡単な)抱負を記しておきたいと思います。

ソトナカ提言のフォローアップ活動

2022年度に、霞が関の中途採用職員を中心とする有志プロジェクトであるソトナカプロジェクトを立ち上げ、提言を行いました。2023年度の1年間、ソトナカプロジェクトでは主に2つのフォローアップ活動をしました。

1つ目は、フォローアップ提言2023です。最初の提言の際には、中央省庁に転職した職員のアンケートを行いましたが、今回は、中途採用職員の同僚の方々にもアンケートを行いました。それにより、同僚の約7 割が中途採用について好意的に受け止めていることが明らかになりました。新設質問からは、中途採用職員の6割以上は、10年以上又は定年退職まで国家公務員として勤めたいという意向を持っていることも分かりました。

ソトナカプロジェクト フォローアップ提言2023

2つ目に、中途採用職員および生え抜き職員のネットワーキングイベントも継続的に実施しています。こうした活動は、どうしても時間の経過とともに尻すぼみになりがちですが、2024年1月に実施した第3回には、これまでで最も多くの方々にご参加いただくことができました。霞が関においてますます中途採用が広がり、こうしたネットワーキングの場のニーズも高まっていることを感じます。

第3回ソトナカ交流会

VOLVEでの活動

私が代表を担うVOLVE株式会社にも様々な進展がありました。最も大切なこととして、VOLVEサービスの根幹である、信頼するメンバーが増えました。そして、質の高い人材が循環する霞が関の実現に向けて、中央省庁への転職支援がスタートしました。さらには、国家公務員から民間企業への転職支援のブランドが浸透してきました。詳細は、以下にリンクよりVOLVE公式noteをご覧ください。

大学を中心とした教育・研究・発信

大学では3つの授業と学部生向けのゼミなどを担当しています。授業は「キャリアデザインとタレントマネジメント」と「行政組織の経営」を日本語で、「公共政策」を英語で担当しています。いずれの授業も、私の実務家バックグラウンドを活かして、私自身の授業の中でも実務との接点を意識して講義・議論をしていますが、それに加えて、4回程度は外部の実務家にゲスト講師として話をしてもらいました。1年目は準備がとにかく大変でしたが、私の話はともかく、ゲスト講師の話が面白い授業として好評いただくことができて良かったです。

ゼミには春学期と秋学期のそれぞれで10人前後の学生が参加してくれました。慣れないゼミ運営で四苦八苦しましたが、学生の皆さんの興味とエネルギーで、いろいろと楽しい活動もできました。夏休みには、ゼミの学生を中心として、北海道の余市町でフィールドワークに基づく提言プロジェクトを行いました。
秋学期には、旭川市やその高校にも協力いただいて、高校の探究授業の一環として、デザイン思考で問いの再定義を行うワークショップをしました。就職後1~3年程度の社会人へのアンケートに基づいて、新卒採用におけるリアリティギャップが生じる理由を深掘りしたり、人的資本経営と財務パフォーマンスに関する分析をしてくれたりもしました。

夏季特別研究プロジェクト

大学教員としての中立的な立場での発信・提言活動も少しずつ行ってきました。まだその内容が公表されていませんが、人事院の「優秀な人材確保に資する採用戦略の検討を行うための有識者との意見交換」では、主に国家公務員の採用について、新卒・中途の両面からお話をしました。
同じく人事院の先端人事労務研究会では、SFC研究所所員の東さん・山内さんと共に作成した、リーダーシップスタイルの類型に基づくコンピテンシーモデルとその使い方に関する私案をお話をして、伊藤かつら人事官等と対談をさせていただきました。
また、人事行政諮問会議の一部の委員からも公式にヒアリングをしていただきました。この内容もまだ公表されていませんが、事務局でかなり詳細に私のコメントをまとめてくれたので、公表されたら後日追記したいと思います。人事行政に対して日頃考えていることを話してきました。

先端人事労務研究会での発表資料(令和6年3月19日(火)の資料)

プロトタイプ政策研究所では、昨年5月に、労働移動の円滑化に必要となるデジタル基盤について、研究所の落合さん・小泉さんと共に「ジョブ型雇用推進のためのデジタル基盤に関する提言 Ver1.0」を作成・公表しました。

将来への仕込み

かねてから、自分のキャリアの終盤では、「コンサルティング」と「カウンセリング」と「コーチング」の要素を組み合わせて、私にしかできない個人への相談業務をしたいと考えています。そのため、国家資格キャリアコンサルタントを取得したいと考えました。

この資格は、名称こそ「コンサルタント」「コンサルティング」ではありますが、アメリカでは「キャリアカウンセラー」「キャリアカウンセリング」と呼ばれているもので、手法はカウンセリング方式です。ファーストキャリアで「コンサルティング」を長年やっていたので、カウンセリングの勉強はちょうどよいと考えました。
また、VOLVEでは人のキャリアにアドバイスをしていて、SFCでもキャリアデザインを教え始めたこともあり、キャリアに関して体系的に学んでおきたいという動機もありました。

昨夏、オンライン受講を中心に毎週土曜日8時間×10週間を費やして養成講座を修了しました。養成講座は授業時間に加えて、相当な量の宿題もあり、想像以上に大変でした…。今年の3月に資格試験を受験して、無事に合格をもらうことができ、ほっとしました。

プライベート

そんなこんなで、生まれてこの方、もっとも忙しい1年だったので、土日も含めてほぼプライベートがありませんでした。。。毎週土曜日に通っているテニススクールも半分近くはお休みしてしまった気がします。ただ、そんな中でも楽しく、心休まる時間も多々ありました。

夏には大学時代からの親友が住む、小樽の家に遊びに行きました。本当に素敵なお家で、広大な敷地の中に、幸愛硝子のブランド名でガラスづくりをする奥さんの工房を兼ねた自宅があり、庭にはカシスやぶどう等の畑もあり、昨年は下の写真にも少し映っている、手作りのピザ窯までできてました。毎年少しずつ進化する家です(笑)。

友人のお宅

今まではもっぱらウイスキーばかり飲んできましたが、昨年は、クラフトジンや年代物のラムを少し開拓しました。写真は幸愛さん手作りのグラスと気に入ったジンです。夏の良い思い出になりました。

幸愛硝子のグラスとクラフトジン

年のせいか、散歩も好きになってきました。歩く時間を極力短くしようとしていた過去を考えると、信じられない変化です。そうなってみると、散歩をして気持ちの良い場所というのは、身近にもけっこうあるものなんだな、と気づきます。

秋の散歩風景

次の1年間の抱負

この1年間もまた、それぞれの立場でさらに進化・発展した活動ができるよう、頑張っていきたいと思います。将来への仕込みでいうと、次はコーチングということになりますが、もう少しゆっくりとでもよいかなという思いもありますし、優先順位をよく考えたいと思います。むしろ、ソトナカでは各府省庁の実務担当者のより短期的なメリットにつながるような支援をしたり、VOLVEでは国家公務員になりたい方々に対して新たな支援の形を模索したり、大学では人材の流動性やリボルビングドア、組織の変革についてもっと発信したりしていきたいと思っています。
引き続き、どうぞ宜しくお願いします!

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