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シェイクスピアの掌

カクシンハン『薔薇戦争』(@シアター風姿花伝)を観てきた。
『リチャード三世』『ヘンリー六世』の2本立て構成。
演劇を知らない人にはこれがどういうことかおわかりいただけないと思う。なんて、偉そうに言うわたしは演劇を観る人だが、どういうことかわかっていなかった。2本別々に観るよりちょっとお安い通し券で観られる、お得お得!としか思っていなかった。一般的な上演時間はものにもよるが2時間程度なので、4時間ちょっとかなー♪なんて暢気に劇場へ向かうと。

約7時間半でした♪
だけど本来『ヘンリー六世』は単独で9時間くらいかかるそうで、これでもかなり短縮しているということ。そ、そっか、おばちゃん頑張るよ…
内容は各自ネットでご確認していただくとして、毎度シェイクスピア戯曲の上演を観るたびに思うのは、その懐の深さ。もうずっと言われていることだけれど何しろ「普遍」なので、演出演技衣装装置照明音響などなどこれでもかといじくり回しても全てを受け止めて、面白さも本質も決して失われない。これはやはり天才のなせる業、まさしく人類の宝。
お釈迦様の掌から逃れられない孫悟空のように、シェイクスピアの掌で思う存分暴れることが出来る、それは演劇の作り手と受け手双方にとっての幸いだ。
それにしても7時間半、足腰ゴワゴワになりながらでも観た甲斐があった。もともと演劇に備わっている祝祭という意味合いに相応しい、賑々しく禍々しく豊饒な舞台だった。役者さんスタッフさんも本当にお疲れ様でした。
もう一回くらい行こうかな。腰にサポーター入れて。

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