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足の裏のかたちの染みを残して 消えてしまった あなたを探そう 髪の匂い 剥がれたかさぶた いびつなあなた いつでも触れていられたのに 足の裏のかたちの染みを残して 消えてしまった わたしは探そう 逆さまつげ 齧ってふやけた爪 ゆがんだわたし いつでも触れたかったけれど どうしても遠く かぎりなく嘘で とこしえに夢だ もういいだろう 足の裏のかたちの染み まだ温かい ふやけた爪が あなたの親指を まだ覚えている
あなたに似た人に 昨日も会った あなたに似た人は そこらじゅうにいて わたしの行く先々で わたしではない 誰かを待っている あなたに似た人は 実は あなたに似ていない これっぽっちも似ていない 決して あなたではないという その一点において だから わたしは どんな世界にいても あなたを 見つけ出せる 浜の真砂のひとつぶ 海の真水のひとしずく 決して あなたではない あなたに似た人