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その星はとても明るくて 虫ピンみたいに わたしに刺さってる その星は瞬かなくて だからわたしは くるくる回ってる その星はずっと沈まない 何をどうしたって わたしについてくる ラムネの栓みたいに 外れたら出てこない 胸の一番狭いところに ぽつんと残ったまま その星を握って 握りしめて 消えたりしないか ときどき確かめる 消えてしまえばいいのに あなたの胸に 投げつけたら 消し炭のように真っ黒に 砕けてしまえばいいのに
きっと あなたを 辿っているのだろう 足跡とは限らない 道行とも限らない あなたが まだ座らない 椅子かも知れない あなたが どこかに置いてきた 眼差しかも知れない 昨日落としたボタンを 探すように きっと あなたを 辿っているのだろう