【会計】費用の配分って何なのか?
会計で費用を配分することがあります。
費用は支出したのが費用なんだから配分もなにもないだろう、とも思えます。
これは資産を取得するために支出した場合を想定しています。
棚卸資産とか固定資産とかです。もっと言えば繰延資産もです。
いずれも、取得するために支出した金額の全てが支出した会計期間の費用になるものではないです。
当期と次期以降とにいわば配分するんです。
その会計期間において費消した部分がその会計期間における費用になるのです。
費消というのは何か。
売却したとか、
なくなってしまったとか、
価値が下がったとか、
使ったとか
です。
棚卸資産なら売却すれば費用、
固定資産なら使ったなら費用、
とかこういう感じです。
棚卸資産と固定資産とで少し異なるのは、棚卸資産はただ持っていても費用にならないのですが、固定資産はただ持っていても費用になります。上記で使ったなら費用と書きましたが、仮に使っていなくても、置いてあるだけで時の経過により劣化したものと考えて、仮に全く劣化するようなものではなかったとしても、費用とするのです。固定資産の場合の置いてあるだけで費用とすることを特に減価償却と言っているわけです。もう使わないで処分するなら除却と言ったりします。
棚卸資産は棚卸減耗損とか評価損とか言います。
棚卸減耗損は数えたら在庫がなくなった場合を、評価損は在庫は確かにあるけれど価値が下がった場合を言います。
資産の性質によって少し処理が異なりますが、本質は同じです。
繰延資産も一見費用に見えるものを資産として計上して、会計期間ごとに費用化するというものです。
上記で出てきていない資産があります。
それは現金、預貯金などの流動資産です。
これは場合分けが必要です、
現金、預貯金が減ってしまったということは想定できないので、これらについて費用化するということはないです。
厳密には現金が無くなれば、つまり帳簿の通りなければ雑損とかにするんでしょうか。費用になっていますね。この場合は。
預貯金がなくなるというのは、預け入れ先の金融機関が破綻したとかそういった非常事態でない限り想定できないですね。この場合は費用にはならないですね。
あとは売掛金などの債権ですよね。
この場合は貸倒れという自体が想定されます。回収できないという場面です。
貸倒引当金という負債を計上し、費用として貸倒引当金繰入という科目で計上しますね。
そして貸し倒れたら貸倒損失という費用を計上します。
このように費用を計上するので、これも費用の配分の一つでしょう。
以上の通り、基本的にはあらゆる資産について、費用を配分するという考えが貫かれています。
これを費用配分の原則と呼んでいます。
費用という言葉を用いるので資産のことを想定できなかったりするかもしれませんが、これは資産のことを想定して、これを費用化するという考えなのです。
本日はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。