【税務】消費税の課税の対象その8
さて消費税の課税の対象も終わりが近づいてきました。
今回も前回と同様に資産の譲渡とみなされる場合を取り上げます。
法人が資産をその役員に対して贈与した場合における当該贈与
です。
前回は個人事業者が消費又は使用した場合でしたね。
今回もそれと同様に考えられるように思います。
つまり、個人事業者が自分に譲渡したと考えられるのと同様に、
法人が法人の機関である役員に譲渡した場合といえるからです。
自分が自分に譲渡した場合も課税の対象になるのだから、法人が法人の役員に対して譲渡する場合も同様に課税の対象とするという考えです。
この譲渡には売買という場合が含まれるのはもちろんのこと、今回の規定により贈与の場合も課税の対象とみなされてしまうということです。
贈与は対価はないわけだけれども、対価を得て行われたものとみなされてしまうのです。
個人事業者の場合だと右手から左手に対価を支払ったと考えることができました。
法人の場合は流石に法人とその役員は同じ人格ではないのでその通り考えることはできません。
ただ、法人は事業を目的として存在していることから、贈与することも何らかの事業のためであり、対価については、役員も別で購入すれば消費税を負担することになるのに自己が経営する法人から贈与を受ければ消費税を免れるというのは公平ではないと考えて、課税の対象である資産の譲渡とみなした、ということでしょうか。あくまでも理解のためにこのように考えただけで立法の趣旨を調べたわけではありませんが。
もっとも、自己が経営する法人からではなく他人が経営する法人から贈与を受けた場合はこれに当たらないため、対価を得ておこなわれる資産の譲渡には当たらず、課税の対象ではないことになります。この場合にまでは消費税の対象にしないということなのだと理解しました。
しかしこれも一体どうやって捕捉するのでしょうか。
自分の法人が取り扱っている資産を役員が贈与されたということですが、捕捉しきれないようにも思います。
こうした規定は色々疑問が湧いてきます。
その疑問が理解につながっていったりしましす。
読んでいただきありがとうございました。