半導体セクターの動向

半導体銘柄の最近の開示資料から半導体市場の動向についてのコメントを引用した。

要点は以下のようになるようだ

  • 中国で導体製造装置への投資が顕著に増加

  • HBMを中心とするAI関連の半導体需要が回復

  • 半導体の微細化や実装技術分野への投資は底堅く推移

  • 生成AIに関連する半導体試験装置需要の顕著な増加が見込まれる

  • 民生・産業・自動車向けなどで弱い需要。AI 用DC向けは強い需要

  • パワー半導体関連には堅調な投資が継続

  • 電子材料業界は、先端半導体向け材料を中心に回復傾向が鮮明

  • メモリ分野は回復傾向



ローツェ(6323)7/11決算発表

「半導体需要の回復と在庫の正常化が進み、特にHBMを中心とするAI関連の半導体需要が回復を主導しまし た。さらに、自国のサプライチェーン強化を目的に、中国において半導体製造拠点の増強が活発化し、それに伴う半導体製造装置への投資が顕著に増加しました。」

ディスコ(6146)7/18決算発表

「第1四半期期は、スマートフォンやPC向け半導体の設備投資が低調な一方で、生成AI関連の需要拡大など特定の用途において積極的な設備投資の動きが見られました。」

スクリン(7735)7/26決算発表

「脱炭素化への取り組み、生成AIの活用拡 大、DXの進展等により、半導体の微細化や実装技術分野への投資は底堅く推移しました。また、中国においては成熟ノード向けの投資が活発に行われました。一方、ディスプレーメーカーにおいては、足元では厳しい状況が続 いておりますが、OLEDパネル需給好転の動きが見られました。」

ソシオネクスト(6526)7/31決算発表

「半導体市場は、前会計年度後半からの生成AIの急速な普及、スマートフォンの需要の回復等により、市場全体としては大きく回復」

アドバンテスト(6857)7/31上方修正

「生成AIに向けた半導体の需要の高まりに連動して、関連する半導体試験装置需要の顕著な増加が見込まれます。」

SUMCO(3436)8/7決算発表

「第2四半期における半導体市場は、民生・産業・自動車向けなどで弱い需要が続きましたが、AI 用データセンター向けの強い需要がけん引し、全体として回復基調が継続しました。」

レーザーテック(6920)8/7決算発表

「生成AI向けHBM関連、世界的なEVシフトなど脱炭素化の進展を背景としたパワー半導体関連には堅調な投資が継続されました。最先端のEUVリソグラフィを用いた半導体製造能力の増強に関わる投資も下半期より回復の兆しが見られました。」

東京エレクトロン(8035)8/8決算発表

「生成AIが実装された様々な製品が発表され、新しい市場が立ち上がりつつあります。また、PCやスマートフォンにおいて回復の兆しが見られるものの、半導体メーカーによる生産調整は継続しました。」

東洋合成(4970)8/9決算発表

「電子材料業界は、需要低迷によるサプライチェーン上の在庫調整が一段落し、先端半導体向け材料を中心に回復傾向が鮮明となりました」

日本マイクロニクス(6871)8/9決算発表

「半導体市場においては、生成AI関連のデータセンターへの投資が継続しており、代表的なAI半導体である高性能GPUやHBMの需要が高まっています。電子機器市場においては、パ ソコンの買い替え需要やAI機能搭載による高機能化が期待されており、DRAMの需要は回復傾向にあります。 NANDについては、2022年後半からの減産効果により市況が引き締まり、需給バランスが改善したことで 半導体メーカーの工場稼働率が回復しています。ノンメモリ分野では、車載半導体や産業機器向けなどの需要回復が遅れています。FPD市場においては、一部のパネル需要が上向いているものの、全体的な市況回復には時間がかかる模様です。」


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