北北西に曇と往け 7巻
入江亜季・著/青騎士(漫画)
彗と三知嵩の母親最悪だな。
父親も全然帰ってこないとかでダメだけど、そばにいて、三知嵩をガン無視する母親。
三知嵩気持ち悪いやつだと思ってたけど、こんなことされたら不安定になって当然だ。
能力(?)とか、誰かを無性に虜にしたり、自分に優しくしてくれた人にべったり依存しまくるところとか全部気持ち悪いけど、でも人に依存するのはどこまで三知嵩の生まれつきなんだろう。
元々気持ち悪いやつだったとしても、この母親の影響がないとは言えないよね。
でも母親は三知嵩の気持ち悪さに気づいてて関わるのが怖かったのかな。
三知嵩はかわいそうではあるけどやっぱり気持ち悪いと私も思うし。
意図的に人を殺してる気もするし。
だからこそ彗が俺は三知嵩を信じてるって強がりでもなんでもなく、もし殺してたとしてもそれでも味方する、殺すような側から連れ戻すって言うのが、ここまで読んできたファンとしては見ててつらいのうと思う。
彗が魔王三知嵩を倒す!みたいなテンションだったらぬくぬくと安心して読めるのに。
ジャンルはミステリーなのかな?
今は日本にいるけど元々はアイスランドが舞台なので「北欧ミステリ」?
北欧ミステリって読んだことないけど、イメージ的には寒くて薄暗くて(白夜とかあるから実際はむしろいつも明るいのかも)外に人いないから目撃者もいない!捜査が難航する!とか、街全体が雪に閉ざされて誰も逃げ場がない状況で、この中に殺人鬼がいる!みたいな人の力ではどうにもならない状況が怖いイメージ。
北欧じゃないけどクリムゾン・リバーもずっと寒そうなので、それもちょっとイメージする。たんにクリムゾン・リバーが好きなだけかもしれないけど。
話変わりまして。
塾の後輩の女の子に軽い気持ち(だと思う)で告白されて一拍置いて「ごめん」と言う彗が意外でした。
そういうのうるせえで一蹴しそうなのに。
そうか、やっぱ優しいんだな!良い!と思いました。
彗の「ごめん」は強い。
そして清の意外な人気ぶり。
意外と言ったら失礼だ。いじめられてなくて良かった。清くんはいい子。彗と清の仲良くなったきっかけや、今の、ほんとに仲いい感じもすごく良い。
すごく対等な感じで。
清の親御さんもいいんだよなー。
彗は、偏っている変なものではあったけど母親の愛情も受けてるし、優しいおばあちゃんとの接点もあったし、清の親御さんや塾の先生なんかもいた。
でも三知嵩は母親からは無視されて、父親もいない、おばあちゃんとも会ってないみたいで、幼稚園も保育園も行ってない(行かせてもらってなかったのだろう)、学校に行くようになっても、その見た目の愛らしさからなのか、三知嵩が本当に人懐こい性格だからなのか、何か妙な力が働いてなのか分からないけど、まともな人間関係は築けなかったようだ。
そんなところも三知嵩の気持ち悪さに影響してると思いたい。
生まれつきの変態殺人鬼では可哀想すぎる。
そんな中でも三知嵩の魔力にほだされない人が稀にいる。中学の保険の先生とか。
それが一体どういうことなんだろうか。
単行本が年に1冊ぐらい出るので、次が出るまで考える間があるのがちょうどいい。
もっと頻繁に出れば、それはそれで嬉しいし、掲載誌を読めばいいんだけど青騎士って「これは持って帰れそうにない…」と思うほどデカくて分厚くないですか。すごくいいけど。
あと出てくる「メシ」が今回もおいしそうだった。
アイスランドラムの餃子や、ジャック(彗の祖父)のおにぎりとかカーネル・サンダースさんの店とかたこ焼きとか。
「スキール」が食べたいなーとずっと思っています。