農業未体験だったわたしが、6年かけて噛み砕いた岩澤理論【大豆編】vol.2
こんにちは╰(*´︶`*)╯
2013年から夫婦で「耕さない田んぼの教室」を開いています。
旦那さんのたけしくんは2007年から岩澤信夫先生の「冬期湛水不耕起移植栽培」を学び、千葉県南房総で実践を重ねてきました。
この記事は、作物を育てた経験が無く、小さい頃から理科のお勉強にもまったく興味のなかったわたしが、岩澤先生から農法を学び、実践してきたたけしくんの話をもとに、
こむずかしい理論やノウハウを咀嚼し、作物のそもそもから、栽培についてを分かりやすくお伝えすることを目指して書いたシリーズです!
第一回は大豆のはなし。
前回は、たけしくんが大豆をどんな風に栽培してるか書きました。
今日はまず、大豆を栽培するにあたって、大豆がどんな植物なのか、そして、大豆の可能性を引き出す育苗法についてもお話しします!
大豆は〝畑のお肉〟と言われるくらい高タンパク質
わたし達が普段、口にしている大豆は、そもそも大豆の種。
その中には、大豆の元になるものと、最初の生育に必要な養分が用意されています。
成分バランスはこちら💁♀️
タンパク質がいちばん多くて34.7%、続いて、炭水化物 32.8%、脂肪 18.0%、水分 9.9%、灰分 2.2%となっています。
ちなみに玄米は、いちばん多いのが炭水化物(デンプン質)で、74.4%。
(余談ですが、おおくの植物は炭水化物の割合が一番多く、ゴマやアブラナなんかは脂肪が多い。それぞれの種の個性を知ると面白いです。)
大豆はどうやってタンパク質を作っている?
大豆は、葉で光合成されたデンプン質と、根から吸収された窒素をもとにタンパク質を作っています。
つまり、大豆の主成分であるタンパク質を作るために、窒素肥料分が必要なのです。
《タンパク質=葉で光合成されたデンプン質+根から吸収された窒素》
その窒素肥料分はというと、以下によってまかなわれています。
1.大豆の根っこに共生する根粒菌(こんりゅうきん)が、大気中に多量にある窒素ガスをアンモニアに変換(窒素固定)して、大豆に供給する
2.人間が、畑に施す肥料(苗を植え付ける前の元肥と、花が咲く頃の追肥)
大豆と共生する根粒菌って?
マメ科の植物は、もともと土の中に居る根粒菌という微生物を取り込んで利用しています。
根粒菌は、マメ科植物の根っこにコブ状の根粒をつくり、その中で大気中の窒素をアンモニアに変換して、作物に窒素を供給します。
根粒内には、葉っぱで光合成されたデンプンが供給され、作物と根粒菌は、お互いに助け合って共生しています。
このことから、マメ科である大豆の栽培は、肥料がいらない、栄養にとぼしい痩せた土地でも育つ印象がありますね。
ただし、大豆の栽培を根粒菌だけに頼ると、
根粒菌の窒素生産量が大豆の収量を決めるため、安定した収量を見込めない。とも言えます。
1本の茎には、120個の大豆が実る
本来、大豆は、開花時に十分な栄養分があれば、たくさん実をつける作物なのだそうです。
1本の茎に葉が10〜12枚。本葉6枚目の付け根から花が咲いて、さやが8個付きます。
本葉10枚まで生長したとして、40個のさやが付き、1つのさやの中に3個ずつの大豆が実れば、1本の茎から、120粒の大豆が収穫できる計算になります。
《1本の茎に成る大豆の量 = 本葉 5枚 × さや8個 × 大豆3個 = 大豆120個》
ただ、ここでひとつ、気をつけなくてはならないのが、
窒素肥料分が必要だからといって、大量に投与した場合、大豆がツル化(先祖帰り)したり、ツルぼけします。
葉っぱや茎の成長に窒素肥料分が使われて、実に使う分が不足してしまうんです。
岩澤先生の資料によると、100kgの大豆が育つのに約5kgの窒素分が必要で、600kgの大豆には30kgの窒素が必要なのですが、その窒素を10kgでも与えたら、大豆はツルぼけをして実がならないとのこと!この矛盾をどうしたらよいのでしょうか?
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