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郷愁の味、甘茶。

雨の中、派遣の登録会。
両手両足じゃ足りないほど登録してるのに、
こんなタイミングで出向く事になろうとは。

行っても仕事貰える保証なんてないのにね。

当たる確率は限りなく低いけど、
とりあえず買わないと当たる権利もない宝くじ

と同じようはもんだな、なんて思ったり。

次の予定まで2時間。
心斎橋までとぼとぼ歩く中、南御堂の入口ど真ん中に、花に囲まれたお釈迦様の像。

そっか、花まつりか。

私は仏教系の幼稚園に通っていたのだけど、
お楽しみ行事のひとつがこの、花まつり。

天上天下唯我独尊のお釈迦様像に
甘茶をたらたらと掛けるてお祝いする。

そのアトラクション(こら)が楽しかったわけじゃなく(違うんかい)、「甘茶」のお零れに預かれるのが超絶嬉しかったのだ。

やはり、子どもの頃から食い意地だけは張ってたんだな。最早「食」は私のアイデンティティなんだろう。

幼稚園を卒園し、無宗教で生きてきた私の中で花まつりでの甘茶儀式は完全に過去のものになっていた。

お釈迦様にご挨拶でもするか…と近づくと

わぁ!飲んで良いの?!
40年以上ぶりに「あの味」を口に出来るの?!

と、強風吹き荒ぶ中、且つスタバでお茶する人を横目にしながら、50近くのおばさんが甘茶に手を伸ばす。

……ん~~~。
まぁ、甘いっちゃあ甘い。うっすら甘い。

私の下が肥え過ぎてしまったのか、滅多に甘いものを口にできなかった幼少期は少しの甘さで感激できていたのか、今日の甘茶が砂糖控えめだったのか。

だとしたら、なんて贅沢な歳月を送ってきたんだ。
溢れる食べものたちよ、ありがとう!
そりゃ、痩せないわ。


先生から配られる甘茶をニマニマと待っていた幼稚園児の自分。

何の恐れや不安もなく、親や大人に守られただ無意味に楽しかった頃を思い出し、今日の甘茶は郷愁の味だった。

ご馳走様でした。


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