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UXリサーチの結果を左右するサンプリング手法まとめ

こんにちは。atama plusというAI×教育のスタートアップでUXリサーチャー/UXデザイナーをしています野澤です。

先日プライベートでUXリサーチャー向けに定性調査の専門書読書会を開催したのですが、その中で定性調査のサンプリング手法が紹介されており興味深かったので、本記事で紹介します!



サンプリングって何?

たくさんの候補者の中から誰に対して調査を行うか選ぶことをサンプリングといいます。

サンプリングって大事なの?

めちゃくちゃ大事です!UXリサーチにおける定性調査手法ではインタビューできる人、観察できる数が少ないことが多いのでそこから良質な学びを得るためには誰に来てもらうべきか、誰のところに行くべきかをよく考える必要があります。私が実際にリサーチするときはスクリーニング結果(サンプリングするための事前アンケートやデータログ)とにらめっこするなど、かなり神経を使います。

そんなサンプリングですが、実は色々手法があります。私も本を読むまで一部しか知りませんでしたが、知っておくとリサーチのときに役立ちそうだなと思ったのでシェアします!

ちなみにサンプリングには大きく確率論と非確率論があり、定量調査では確率論(ランダムサンプリング)、定性調査では非確率論(有意サンプリング)が使われます。有意サンプリングとはランダムに選ぶのではなく意図的にサンプリングするということです。定性調査ではサンプルが少ないのでランダムに人を呼ぶのではなく、一定のパターンが見いだせるように特定のセグメントから複数人呼ぶのが基本です。

サンプリング手法まとめ

基準ベースのサンプリング

基準を設けてそれに合う人を呼びます。私はペルソナに合わせたサンプリングなどをよくやります。


平均的サンプリング
平均的な人、シチュエーション、興味から選ぶ方法。私はサンプリングにある程度余裕があって平均的なユーザーを知りたいときに使うことが多いです。

ユニークサンプリング
めったにいない人を選ぶ方法。いわゆるエクストリームユーザー(超ヘビーユーザーや全然使ってない人)に聞けというやつです。今までの経験だとエクストリームユーザーはサービスを使う理由を強烈に持っていてそれを言語化するのが上手い人が多くインタビュー効率が良いように感じました。エクストリームユーザーに対する調査結果はボリュームゾーンには適用できないのではという質問をもらったことがありますが、調査結果がエクストリームにしか通用しないものなのか、もっと広い範囲に通用するものなのかをよく見極めることが必要です。

バリエーションを最大化する選別
参加者の幅が広くなるように選ぶ方法。定性調査の分析手法の1つであるグラウンデッド・セオリーからきてるそうです。先日リサーチで使ってみたのですが、セグメントの違いを対比させることでかなり少ないサンプルで仮説をたてることができました。

利便性を重視したサンプリング
時間やお金、場所から選ぶ方法。知り合いを使ってリクルーティングする機縁法などもあてはまります。リソースに限りがある場合に使う方法ですが、情報量が不足したり、それだけでは信頼性にかけたりするので得られた情報が使えるかどうかを参加者のバックグラウンド情報なども吟味してよく見極める必要があります 。それでもリサーチしないよりはずっといいので、私はよくやります。

スノーボール式サンプリング
母集団から無作為に回答者を選びその回答者に次の人を指名してもらう方法。有意サンプリングの中でもっとも一般的だそうですが、私はやったことがないです。なかなかアクセスしづらい属性の人にリサーチしたいときといった難易度の高いリクルーティングや調査会社を使わずにリクルーティングするときに役立ちそうです。人類学などでよく使われるのかもしれません。

その他サンプリングTips

読書会では、スクリーニングアンケートの自由回答に熱心に書いてくれた人や具体的なエピソードを書いてくれてる人をサンプリングするというノウハウもシェアされました。インタビューで言語化すること上手だったりや具体的に語ってくれそうな人かをスクリーニングデータから想像することが大事だよねという話で盛り上がりました。

まとめ

サンプリングはUXリサーチの質を左右する大事な要素です。リサーチの目的やコストに合わせてぜひ使い分けていただけたらなと思います。あなたはサンプリングでどんな工夫をしていますか?おすすめのノウハウがあったらぜひシェアしてください!

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長岡紘子(野澤紘子)  Hiroko Nagaoka (Nozawa)
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