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【定番UXリサーチ手法】活用Tipsをまとめました 〜整理・検証編〜

こんにちは。atama plusというAI×教育のスタートアップでUXリサーチャー/UXデザイナーをしています野澤です。

先日、本などでよく紹介されている定番UXリサーチ手法を活用するためのTips(調査編)を公開しました(弊社のUXリサーチャー/UXデザイナーの林田が社内用にまとめたものを野澤が社外向けに加筆)。


本記事では、その続きとしてUXリサーチの3つのカテゴリのうち、「調査で集めた情報の【整理】」&「打ち手の【検証】」について本などでよく紹介されている定番手法の概要とatama plusでの使い方・実践の際に気をつけていることをご紹介します。

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【整理】サービスブループリント

概要
ユーザーエクスペリエンスの提供方法を最適化するために、組織内のプロセスを視覚化する手法です。
 
使い方・ポイント
サービスの全体像を捉えて整理する時に使っています。カスタマージャーニーマップを作る土台にも使います。事業会社だと取り組む頻度は少ないかもしれませんが、サービス全体のブループリントは頭に入れた状態で各施策の検討にあたる必要があると考えています。


【整理】カスタマージャーニーマップ

概要
顧客が商品やサービスを知ってから利用するまでのカスタマーの行動・思考・感情・タッチポイントをまとめる手法です。

使い方・ポイント
ペインをマッピングしていって、その因果関係を捉えたり、重要度を認識しています。課題を構造化するにあたっての予備整理的なイメージで使っています。


【整理】ユーザーストーリーマッピング

概要
プロダクトの全体像とアジャイル開発でのMVP・今後のリリース計画についてチームの共通理解を作ることができる手法です。

使い方・ポイント
具体的に作るものがある程度決まってきてから、設計の穴を見つけたり、作戦を立てたりするときに使います。どこまでをMVPとしてリリースするのかの判断をするのに使っています。

以下は検証の手法です。

【検証】プロトタイプテスト

概要
製品の試作品を作ってユーザーに使ってもらい施策の有効性を検証する手法です。

使い方・ポイント
主に検討した施策の有効性を確かめる目的で行います。成功の判断基準を定め、それが達成されるか確かめたいものに対して様々な手段を用いて行っています。検証したい内容によってアプローチが異なるので、一番創意工夫が求められると感じています。なるべくミニマムで行えるように心がけています。プロトタイピングを行うと肌感では8割くらいで何らか重大な問題が発見され、そのうち半分くらいは改善すれば次はうまくいくかもしれない、半分はこのコンセプトだと難しそうだという結果になる感覚があります。
実施の際は、モデレーターと書記の二人一組で行います。インタビュー同様、テスト後に参加者同士でデブリーフィングを行うことを大事にしています。記憶が新鮮なうちに、お互いの解釈を伝えて齟齬が無いか確かめようにしています。
なお、プロトタイプテストは準備不足だと本番で様々なトラブルが発生するので、パイロットテストは必ず行った方が良いと考えています。
インタビュー同様に1つのことを確かめるのに最低3人、理想的には5人に聞けると良いのですが、現実には難しいことも多いので、とりあえず2人やって、まだ新しい発見ができそうということであれば一人ずつ増やして行くこともあります。

過去行ったプロトタイプ形式
・ペーパープロトタイプ
・モックアップ
・動画
・オズの魔法使い法
・プレゼン資料

【検証】リリース前ユーザビリティテスト

概要
リリース前にユーザーにプロダクトを使ってもらい、ユーザーが目的を達成できるか、効率よく達成できるかを観察、主観的評価によってユーザーの満足度を調査する手法です。

使い方・ポイント
リリース前とリリース後で意図的に分けています。本番リリース前は点検として行う意味合いが強くあります。プロトタイプテストとの違いとして、プロトタイプテストが使い方・ポイントの仮説の検証をするのに対し、ユーザービリティテストはあるユースケースに対して包括的に行うようにしています。仮説の検証ではないので、仮説出しは不要と考えています。
ある程度の規模の機能の場合で、特にユーザービリティが悪いとリスクになってしまうようなものは必ず行いたい手法です。社内でユーザビリティテストすることもあります。


【検証】段階リリース


概要
一部のユーザーにのみリリースして反応をみる手法です。

使い方・ポイント
リリース前ユーザビリティテストの亜種と捉えています。こちらは特に能動的にアクションするというよりも、リリースして反応を伺うというようなイメージで行っています。リリース後に能動的に情報を取りに行く場合は「リリース後ユーザビリティテスト」「データによる効果検証」などを行っています(後述)。
既知のペイン・予想されるペインであっても、その深刻さはわかりません。また、どんなに検証してもリリースする機能が総合的に有効性があるかどうかは100%確実とは言えないので、影響が大きい機能に関しては段階的にリリースし、なにか問題が発生した時や強いペインが生まれたときに対応できる範囲に留めたリリースを行うようにしています。理想的には使っている様子の観察も行うことが望ましいです。


【検証】データによる効果検証

概要
ログ計測による検証手法です。施策の効果を定量的に測ることが可能な場合は、設計の段階で計測できるようにログ等を仕込んでおき、リリース後ある程度たったタイミングで行います。


使い方・ポイント
見る指標が本当に効果を表しているかは難しい部分なのでよく検討することが必要です。他の定性的なアプローチと合わせ技で実施することもあります。あるユースケースの一連の流れの中で途中離脱してないか、完了までにどのくらいかかってるか、どのくらい実行されているか、などは比較的見やすい指標です。

【検証】リリース後ユーザビリティテスト

概要
リリース後にユーザーにプロダクトを使ってもらい、ユーザーが目的を達成できるか、達成の効率、満足度を観察して調査する手法です。

使い方・ポイント
フォローアップ調査の一種です。あえてリリース前とリリース後分けて書いています。リリース前とやり方は一緒ですが、早く実施しないとユーザーが自然と使ってしまうため、実施する場合はなるべくリリース後すぐ実施することが望ましいです。リリース前ユーザビリティテストを行うくらいの規模感のものはリリース後にも同様のテストを実施することを心がけています。

【検証】リリース後現場観察

概要
リリース後に現場に行ってユーザーがプロダクトを使っている様子を観察する手法です。

使い方・ポイント
フォローアップ調査の一種です。ユーザビリティテストで状況を指定して再現することが難しい場合などは、リリース後に使っていると思われるタイミングで現場に検証に行きます。


以上、atama plusで実践している定番UXリサーチ手法の使い方・ポイントをご紹介しました。ケーススタディとして、少しでも現場での実践のヒントになれば幸いです!

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長岡紘子(野澤紘子)  Hiroko Nagaoka (Nozawa)
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