風に乗ってきたメアリー・ポピンズ(書籍)
娘たちと友達を公園に連れて行き、待ってる間に読み終えまして、感想を書かねばな、と。
風に乗ってきたメアリー・ポピンズ
P.L. トラヴァース 作
林 容吉 訳
有名だけど、あらすじ。
実は子供の頃、読んだことはなかったんです。ディズニーのメアリー・ポピンズは大好きな映画の一つではあるんですが。
読了しての感想ですが、
現代に紛れる太古の神々の物語だなんて聞いてないよー!!
映画だと、偏屈だけど裏に慈しみを持つ不思議な女性、くらいの話じゃないですか。違いましたね、これ、人間レベルの愛とか情とかじゃなくて、太古の“娘”が現代でベビーシッターしてる話ですわ。
映画だと、船長の時報が鳴るちょっとおかしい世界に、サフラジェットで時代を表しつつ、お金よりも大切なものがあるよ!って感じじゃないですか。違いますね、そんな近現代の営みなど知らんこっちゃな存在の営みを覗き見る話ですわ…。
映画とは別物と思うのと同時に、心底、イギリス児童文学ですね!!と思いました。ファージョンとか、マクドナルドとか読み返すべき、その前にメアリー・ポピンズの続きを読まなくてはなりません。
なお、私が一番好きなエピソードは踊る雌牛。古い物語と現代がすーっと混ざって、今も端正な雌牛が探し物をしているような気がします。冒頭しか読んでないんですが、ロアルド・ダールのThe BFGを思い出しました。これも読まなくては…。
日本語訳は床下の小人たちと同じ林容吉。あぁ、ここに苦慮したんだな、と思いつつ丁寧な訳です。
児童向けではありますが、今時ではないので、昔子供だった大人向けと思います。未読な方、機会がありましたらぜひ。