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はなはなみんみ物語1 (本読みの記録)

ぼんやりnoteを始めようかな、と思いつつも腰が重かった私にとうとう始めさせたのは、この本でした。

はなはなみんみ物語(1) わたりむつこ 作/本庄ひさ子 絵

こちらは公式から。
「かつては地上でもっとも賢く力のある種族といわれていたこびと族。しかし過去の大戦争で今ではほとんどいなくなり、家族はひっそりと暮らしていました。ところがある日…。」

また、「こびとのはなはなとみんみは双子の兄妹。ふたりは両親と白ひげじいさんと「銀色つのの山」を囲む森のはずれに住んでいました。」

つまり、大戦争によって滅びつつあるこびと族の、はなはなとみんみ中心とした、未来に向けての物語の一巻です。

文体もわかりやすくて描写も穏やかで、森の様子や登場人物は完全に児童文学の体ではあるのですが、子供の頃の記憶を辿るにこれは割とハードなSFだと思っていました。(特に3巻)
人類滅亡後がモチーフと思えば、ね?

でも、今回改めて読んでみて、一巻はあきらかに戦争に反対する児童書だと気付いてびっくりしました。従軍経験のある白ひげじいさん、爆発する植物、特攻隊の描写もあります。
子供の頃はふーん、ってそれほど気にしなかったのだと思います。

日本文学には全く詳しくないのですが、改めて戦中派というのはこういうことなのかなぁと思ったり。戦争といえば同じ児童書では松谷みよ子の二人のイーダ。これはあるお屋敷にある喋る椅子との会話を通して戦争を知る物語です。一方で、児童書ではありませんが、新井素子のディアナ・ディア・ディアスで戦争を歴史上必要なものと描かれていて、そんな考え方が?と驚いた記憶がはっきりと残っています。SFの俯瞰的な視点からは当時としても割とあるものだったのかもしれませんが、初めてそういう考え方に触れた本でした。そして、もちろん新井素子は戦後生まれ。
(もっと適切な比較があると思うのですが、私が10代で読んだ本のくくりなのでご容赦ください)

今回、数十年ぶりに読み返して、作家が生まれた、あるいは活動した時代の差というのを改めて感じたのでした。

はなはなみんみ物語、今、書籍で手に入れるのが大変難しく、私も3巻を探しています…

が、幸いにも電子化していましてですね!岩崎書店様、本当にありがとう!

興味を持たれましたらぜひ、買って読んでいただきたいと思います…!(あと、多分、図書館にはあるんじゃ無いかな?)

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