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米株急落・ドル金利一段の低下~円高は続くか
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21日(金)大幅下落となった米国株、ダウ平均748ドル安
週末米国株が大きく崩れました。ダウ平均は昨年12月高値を超えられずの下落でダブルトップの様相。ナスダックは高値を超えたものの勢いがつかず急反落の形。S&P500は12月、1月、2月と高値を切り上げていますが、週末の下落はただの調整(押し目)でしょうか。
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下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株
下落の背景はいくつか指摘されています。一つは米国景気指標の悪化です。
23:45発表の米2月PMIですが、コンポジット(総合)PMIは2023年9月以来の低水準となりました。これはサービス業PMIが景気の分水嶺となる50を下回る大きな低下、これがコンポジットPMIを低下させ、マーケットのセンチメントを冷やしました。
トランプ政権が掲げる関税措置と連邦政府の大規模な支出削減に対する懸念が重しになったと指摘されています。
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さらに、0:00発表の12月ミシガン大学消費者センチメント確定値が64.7と予想を下回った他、5-10年期待インフレ率が3.5%と予想を上回ったことも嫌気されました。
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住宅指標も悪化していました。中古住宅販売件数は昨年9月以来の減少となりました。ローン金利と住宅価格の高止まりが重しとなっているようです。
ユナイテッドヘルスケア株がダウを220ドル押し下げ
もうひとつ、ユナイテッドヘルスの株価が7.2%下落し、ダウを220ドル押し下げました。米司法省がユナイテッドヘルスのメディケア請求実務に関する調査を開始したとの報道がトリガーです。
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同社はこの報道を「誤報」と一蹴し、不正の疑惑を全面否定しています。今回の株価下落を押し目買いの好機とする声もあり著名アナリストはUNH株の12カ月以内の50%以上の上昇を予測しています。もし、これがUNH株が力強く反発する相場展開となるようならダウはトップアウトした、と判断するのは早計かもしれません。
今週26日はNVIDIA決算
2/26㈬、エヌビディアの2025年11月-2025年1月期決算発表が予定されています。(米国東部時間午後4時20分、日本時間2月27日午前6時20分)AIチップ需要の強さやデータセンターセグメントの成長を背景に、市場予想を上回る可能性が高いと見られますが、供給制約や関税や競争などの外部要因の影響が懸念されています。
収益は約380億ドル、EPSは0.79ドルがコンセンサス予想。
経営陣のガイダンスやBlackwellチップの貢献度が鍵となります。
NVIDIA株はDeepSeekショックで窓を開けて急落しましたが、その窓を埋める反発を見せています。窓埋め完了でさてここから、というところで2/21(金)に比較的大きな下落となっている点が気がかりですね。今回の決算で高値を更新できる強さを見せられるか否かも、米国株市場全般のセンチメントを占う上で重要です。
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米金利低下、ドル円もさらなる円高へ
米景気指標の悪化で、米国債利回りは一段の低下となっています。
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米金利の低下で日米金利差も縮小、ドル円相場は一時149円台を割れ148.92円まで円高が進行しました。
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時系列でみると、PMI,中古住宅などの悪化でドル金利が急落しドル円相場が急落したことが伺えます。実は東京時間はドル円相場は上昇、円安方向へと動いていました。これは植田日銀総裁の国会答弁の影響です。
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植田日銀総裁、金利上昇で国債買い入れ増額と答弁
最近の長期金利の上昇について、景気回復や物価上昇を反映したものとしながらも、市場の通常の動きとやや異なる形で急激に上昇する例外的な状況では「機動的に国債買い入れの増額等を実施する」
このところの金利上昇のピッチが早いことには警戒を強めていたものと思われます。国債買い入れ額増加はすなわち、債券価格を支え金利上昇を抑えるということで「緩和の強化」です。円安要因となりますね。これを受けて急騰してきた日本国債利回りも低下に転じています。ほんのちょっとですけど。
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あまりに金利上昇のピッチが早いと日本の景気先行き懸念が広がります。中小企業の資金調達、ローン金利上昇などによる消費のさらなる減退などが企業業績へと及ぶようなら株の下落にも繋がります。日銀による拙速な利上げが経済を冷やし景気後退をもたらしたと言われかねません。
足元では日銀の追加利上げ観測が台頭する中で、日本国債上昇=日本国債価格下落が続いていましたが、機関投資からはどこまで国債価格が下落するか不透明である中で債券買いを控えており、買い手不在となる状況が続いていました。日銀が買いを増強する可能性を示唆したことで、日本国債買いへの安心感が広がれば金利上昇のピッチも抑制されるかと思われますが、とはいえ、日銀は比較的早期の追加利上げを示唆するメッセージを発信し続けており、どこまで植田総裁の発言で金利上昇が抑制できるかは不明です。
実際、週末は日本の金利低下よりも米金利低下の幅が大きかったために日米金利差縮小が大きくなり円高となっていました。日本の金利低下圧力はそれほど大きくなかったということです。
米金利はさらなる低下が続くか?PCEは弱めに出る公算
FRBが金融政策を司る上で最も重要視するインフレ指標は、PCE(個人消費支出)価格指数 です。CPIよりも構成要素が広範囲で、実際の経済活動を反映しやすいためで、特にコアPCE価格指数(食品・エネルギーを除いたもの)が最も重視されます。
今週2/28(金)に発表されるPCEは昨年6月以来の低水準に鈍化する予想も。
PCEコア価格指数は前年同月比2.6%上昇と予測されている。ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値では、全体のPCE価格指数も前年比で鈍化したと見込まれている。
円ロングポジションの偏りには注意
PCEの鈍がさらなる米金利の低下を促せばドル円相場は一段の円高となる可能性がありそうですが、しかし、通貨先物市場の投機ポジションは円ロングネットポジションが6万枚にも積み上がってきており、円買いのポジションとしては過去の最大レベルにあります。円ショートは18万枚くらいまで積み上がることがありますが、円ロングはスワップ、金利負担が大きいこともあるのでしょうか、せいぜい6万枚くらいまでしか積み上がらない傾向があります。一旦円高の揺り戻しがあっても不思議はないというポジションの偏りとなっていることには注意が必要です。
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週末、日銀の植田総裁の答弁でドル円が急上昇する中で、ドル円、ユーロ円のショートを買い戻しました。
ドル円154.39円ショート⇒150.002円
ユーロ円158.89円ショート⇒157.14円
その後、再びドル円クロス円が下落を始めたため
ドル円150.35円で、ユーロ円157.10円で再度売り直して週末を迎えました。
そろそろ巻き戻しもあるかもしれないと思っていますが、コスト付近に逆指値をおいて様子を見たいと思います。
ドルカナダを1.4227ドルショートは継続、こちらはアゲインスト。
12日(日)独総選挙、保守系野党のキリスト教民主・社会同盟 (CDU・CSU)が勝利か
ユーロにどんな影響があるか?
市場はCDU/CSUの勝利を「政策の不確実性が減少する」としてユーロ高となるという指摘がありますが、AfDの台頭や連立交渉の不確実性が長期的なユーロの安定に影を落とすリスクも懸念されています。
CDU/CSUのマニフェストでは、移民の厳格な管理、税制改革(企業税や個人所得税の引き下げ)、ウクライナ支援の強化、財政規律の維持(債務ブレーキの緩和可能性)が掲げられています。これらの政策が実施されれば、ドイツ経済の安定性や成長が強化され、ユーロ全体の信頼感を高める可能性があるということのようです。週末は、リスクオフ的な相場となったことから、ドル高、円高の様相を呈しており、ユーロなど他通貨が下落していましたが、週明けから独選挙がユーロの独自材料となるかどうかに注目です。
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今週の主な予定
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お知らせ
2/19、日本貴金属マーケット協会代表 池水雄一氏との共著「今こそ、ゴールド投資!」が発売されました。
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