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トランプ砲でドル円乱高下~大発会軟調も米株大幅上昇で明日の日本株に期待
大発会3年連続下落、日経平均4万円の壁
日本が正月休みで休場となる中、米国株は12/30~1/2までの間下落が続き冴えない展開ではありましたが、3日(金)はSOX指数が大きく上昇、半導体関連銘柄中心に大きく反発していただけに、それほど悪い幕開けにはならないのではと思っていましたが…。寄り付きから最初の10分は上昇していたのですが、大きな売りが降ってきました。日経平均は24年末比587.49円(1.5%)安の39307.05円。大発会での下落率は20年以来、下落幅では08年以来の大きさだとか。
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今日の下落の背景は
1)バイデン大統領、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対する中止命令~活発化するM&Aの潮流に水を差す
2)中国でi-phone販売振るわず値引き、Apple株下落で日本のApple関連銘柄軒並み下落
3)4万円超え失敗で24年末に堅調だったファストリやトヨタなど主力株の利益確定売り
などが指摘されていますが、とはいえレンジの範疇。それほど悲観することはないと思っています。今夜の米株は全面高の様相です。特にNVIDIA息を吹き返して猛烈上昇中。
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主要株価インデックスもご覧の上昇。米株、今夜1/6(月)は全面高です。
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下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株
というわけで日経平均先物、夜間取引で39680円まで上昇中。明日は日本株市場も全面高が期待できそう。
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「トランプ砲」でドル急落、ドル円乱高下
ドル円相場、方向感がありません。円キャリー再開かと思わせるドル高円安進行があっても、トランプ砲で叩き落されています。
チャートを拡大してもらうとよくわかりますが、今日のロウソク足の上下のヒゲが凄まじい・・・。高値は157.95円、安値は156.23円ですので1日デ1円70銭も上下動していることになります。
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乱高下の主因は、トランプ次期大統領の関税政策を巡る報道。
ドル円15分足と日米短期金利差です。急落後、急反発していますね。
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ドル円下落は、ワシントン・ポストの報道に反応したと指摘されています。
トランプ次期大統領の側近らは、重要な輸入品のみを対象とし、全ての国に適用する関税の導入を検討
トランプ関税は重要な輸入品のみを対象、ということで関税による影響は軽微となるとの思惑から、米国のインフレ警戒が後退、ドル金利低下という反応だったかと思われます。
しかし、これをトランプ氏が否定しました。
次期米政権、重要分野のみの関税を検討と報道 トランプ氏は否定
トランプ氏は報道を否定。自身のソーシャルメディアへの投稿で「存在しない匿名の情報源を引用し、私の関税政策が縮小されると誤って報じている。これは間違いだ」
まだトランプ氏大統領就任前ですが、この展開、第1期トランプ政権時を思い出します…不意打ちでのトランプ発言報道やツイートで突如為替が動くのですが、乱高下するだけで、トレンドが生まれにくく、とてもやりにくかったことを記憶しています。トランプ大統領が誕生した2016年11月は、誰も予期しなかったトランプ当選がサプライズとなり猛烈に円安ドル高が進行したのですが、その後は年間10円幅のレンジが4年も続いたのです。
ドル円月足チャートです。黄色の▢で囲ってある期間がトランプ政権。その前後のドル円の値動きを見れば、この期間がいかに為替が安定していたかがわかります。ただし、トランプ砲炸裂で短期では乱高下、上下動は激しかったんですよ。トレンドが発生しなかったため俯瞰してみれば10円幅に収まっていたという特殊な期間でした。これが再現されるのか?!
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今日はドル円を買ってみたり売ってみたりとデイトレを何度か。トレンドが発生すれば益を伸ばす方向でポジション維持するのですが、この値動きです、取ったり取られたりでドル円のポジションは持ち越せていません。
円金利上昇、長期金利は13年半ぶり高水準、明日長期債入札実施
今日は円金利上昇も話題でした。日本の長期金利は一時1.14%をつけ2011年7月以来13年半ぶりの高水準へと上昇しています。円金利が上がっているということもドル円が思ったより上値が重い背景にあるのかもしれません。日米金利差拡大が限定的なのです。
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アメリカの金利は長期ゾーンが上昇止まらずですが、短期金利は今夜低下しています。
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日米金利差の拡大が足踏み状態であることが、ドル円相場の一段高を阻んでいると言っていいでしょう。さて、この日米金利差更に拡大のトレンドにはいるのか、それとも縮小に向かうのか。
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実は今日の日本の金利上昇は、明日の財務省が実施する国債入札を控えての需給面からの債券買い手控えが指摘されています。
明日の入札が滞りなければ金利上昇は一服すると思われますが、もし不調に終わればさらなる金利高のリスクもあります。あまり心配はいらないと思いますが、円金利動向にも注目しておく必要があります。
ドル独歩安、トランプ大統領就任前にドルはピークアウト?
しかし、米長期金利があれだけ上昇が続いているというのに今日はドルが売られています。ドル独歩安の様相です。
通貨インデックス、昨年11月からの推移です。豪ドルのスパイクは配信元のプライスミスでしょう。
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円インデックスは微妙な値動きですが、、、やはり円売り圧力もそこそこ強いのですが、円以外の主要国通貨は軒並み上昇しています。この傾向はトランプ関税報道前からです。米国の景気が強く、利下げ回数が減るだろうということでドル高が続いてきましたが、今週の雇用統計がどうなるか?そしてアトランタ連銀が公表するGDPナウも予想が下方修正されています。
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2024年第4四半期の実質GDP成長率(季節調整済みの年率)のGDPNowモデル予測は、1月3日時点で2.4%であり、1月2日の2.6%から低下。12月24日時点の予測は3.1%でしたので、かなり下方修正されていますね。
雇用統計の数字を受けてどうなるか、です。
ここからさらに米金利は上昇してドル高再開となるでしょうか。
ちなみに昨年2024年の通貨パフォーマンスはドルインデックスが7.1%上昇で圧倒的な強さでした。これが何年も持続できるかという話です。
💵 The U.S. dollar against major currencies in 2024.
— Civixplorer (@Civixplorer) January 4, 2025
Many currency pairs fell to unexpected lows amid a strong U.S. dollar, including the Euro. pic.twitter.com/BJWz3d8Zi0
こんなポストも話題ですね。第1期トランプ政権発足時のドルインデックスと足下のドルインデックスは非常に似た軌跡を辿っています。
前述しましたが、選挙でトランプが大統領となることが決定してから就任までの期間ドル円は17円も上がりましたが、その後は緩やかに円高方向に折り返してレンジが続きました。これはDXY、ドルインデックスの値動きですが、大統領就任時がピークとなりその後はドル安に折り返していますね。全く同じ軌跡を辿るとは思いませんが、現状ではあまりにトランプ2.0でのインフレ警戒が強すぎるように思われます。
ドル高はそろそろ終焉…?
— 大橋ひろこ (@hirokoFR) January 6, 2025
第1期トランプ政権発足時のドルインデックスと足下のドルインデックスは非常に似た軌跡を辿っています。
必ずしも過去の値動きを踏襲するわけではないにしても、気になりますね。 https://t.co/WGEf4L70la
こんな見方も出てきました。
歴代米大統領の顧問を含む複数の著名経済学者らは、トランプ次期大統領が計画する関税拡大や減税、移民抑制といった政策が、初期の分析で示唆されているほどインフレを招かないのではないかという見解で一致している。
あれほど、海外投機筋は年明けから円キャリートレードを再開させると警戒された割にはドル円相場、静かな値動きです。一段の上昇というよりは円高の可能性が高いのでは、と思うようになってきましたが、どうしても円の弱さが気になってドル円ショートで攻めきれません。
今日はオセアニア通貨もドル安で大きく上昇する局面がありましたが、豪ドル/ドルMACDがゴールデンクロスしているので、トランプ砲の乱高下で下がったところで0.6249ドルで買ってみました。これと言って買い材料があるというわけではないのですが、、、
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