石破ショックは去ったか、衆院解散総選挙へ
石破新総裁、日経平均1910円安の市場の洗礼
石破総裁誕生で、週明け30日(月)の東京株式市場で日経平均は-1,910.01円下落。下落幅は過去5番目の大きさだそうです。下落率でみれば4.8％程度ですのでそれ程驚くことではないとも言えますが、自民党の顔を刷新したにもかかわらずご祝儀相場とならずにこれほど売り込まれるとは、厳しい舟出と言えるでしょう。
ただ、テクニカル的に見れば200SMAで綺麗にサポートされており、高市氏の勝利を見込んだ高市トレードが剥落しただけという見方をする向きも。期待で上がった分が下がっただけ。ここで下げ止まって反発できるようなら決して弱くないという考え方もあります。
総選挙は買い？10月9日衆院解散、10月27日総選挙
石破総裁は「できる限り早期に国民の審判を受けることが重要である」として解散総選挙に打って出る模様です。首班指名の前に解散総選挙に言及するのは前のめりな印象で野党からの反発も大きいですね。（現状、解散権はまだ岸田総理にある）現状では調整であり、意向であるということではありますが、自民党から多くの造反が出ない限り選挙に突入していくものと見られます。
選挙は買い、といいますが本当でしょうか。これは去年の夏の日経QUICKさんの記事です。
・2000年以降これまで８回の衆議院総選挙が行われてきました。
・解散日から選挙日前営業日までの日経平均株価の騰落率を見ると８回の選挙のうち７回で株価が上昇しています。
・解散日30営業日前から解散日までの騰落率を見ても８回の選挙のうち６回株価は上昇しています。解散日前は下落した2009年の選挙も解散日から選挙日までは９％上昇しています。
2000年以降の解散総選挙では
解散日30営業日前から解散日まででも8回のうち6回で株価上昇。
解散日から選挙前日まででは8回のうち7回で株価上昇となってきました。
選挙は買い、のアノマリーの確度は高そうです。あくまで選挙投開票前までの話ですし、最後の2021年10月選挙のときの騰落率は0.35％・1.2％とかろうじてプラスだっただけでしたし、これから選挙に向けて勢いよく騰がるというものではありませんが、売り向かう局面ではなさそうですね。
企業の「自社株買い」が株下落を支える？
また、東証は上場する企業に向けて「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の実現を要請しています。資本コストを削減、余剰資金の活用で株主還元を、という取り組みが日本の上場企業の価値を高めていることが、日本市場への海外マネー流入につながっているという経緯がありますが、手っ取り早いのが「自社株買い」です。
・日本企業の自社株買いが盛んだ。今年1〜9月の累計額（取得枠設定ベース）は12兆円を超え、すでに通年の過去最高額を大きく上回る。
米国株が強い背景にも自社株買いが挙げられます。
日本では特に23年の東証による低PBR是正要請から自社株買いの機運を高めているものと見られ、今年の企業の自社株買いの勢いは過去最大。これが日本株の下値を固くしている可能性もありますね。
ドル円相場、141円台まで下落も反発
9/16に米国の0.5％利下げ観測が急浮上した際、ドル円相場は140円を割り込む下落となりましたが、今回の石破ショックでは141.64円までの下落で一旦反発しています。株が下げ止まって反発してくれればドル円相場も、下値固くなってくれそうです。日本独自材料での円高が一服すれば、今週は米国から多くの経済指標が発表されますので、ドル金利動向が重要となってくるでしょう。
今夜発表された指標でドル金利やや反発基調。ドル円もこれに連れ高となっているようです。
・9月シカゴ購買部協会景気指数
結果 46.6 （予想：46.0、8月：46.1）
・9月ダラス連銀製造業活動指数
結果 ▼9 （予想：▼10.6、8月：▼9.7）
明日は8:50に日銀短観が出ます。
そして米国からは23:00に9月ISM製造業景気指数 が。
前回47.2 予想47.7
また、8月JOLTS求人件数にも注目です。
前回767.3万 予想769.3万
中国株上昇続く、9年ぶりの大幅高
これは香港ハンセン指数。
中国の緩和効果です。これが長期継続できるかどうかは疑問ですが、トレーダーや運用者にとってこれだけのパフォーマンスがある市場を傍観するわけにはいかない「持たざるリスク」になりつつあるように見えます。ともかく緩和はリスク選好相場に繋がります。ドル円、クロス円も円高が止まったかどうかは確信が持てませんが、リスク選好ムードにリバウンドも期待出来そうな局面です。
ドル円を142.74円で
ポンド円を191.25円で買い参戦。