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米株下落開始?!米金利上昇止まらず、ドル独歩高~日経平均9日連続陰線

日経平均、9営業日連続陰線示現

週明け10/21月曜日。十字線のようにも見えますが、わずかに寄り付きから安く引けて陰線示現。これで9営業日連続安。2012年4月が日経平均過去最長の連続下落で13日連続陰線というのがありました。

10/21(月)日経平均日足 ▼27.15円 38,954.60円

23日東京地下鉄(東京メトロ)株のIPOを控えているため、この株を買うための捻出売りなど需給が悪化しているという指摘もありますが、主因は政治リスクでしょう。不透明感が強く27日の投開票日を前にリスクを取れないということかと思います。

かといって日本株市場全般大きく崩れてもおらず、意外と底堅いという見方も。今日はグロース市場が強かった。グロース銘柄の上昇は海外マネーではないと思われます。政治リスクとは切り離したところで、あまりに売られすぎていた株に資金が流れ込んでいるのでしょうか。これが持続するかどうかはわかりません。

東証グロース市場250指数

米株反落、米金利上昇閾値超え?

日本株が独自に上げる材料に欠ける中、米株が崩れてくると更に状況は悪化します。今夜は米国株が全般軟調。随分上昇してきたので一定の押し目、調整があっても何ら不思議はないんだけど、それでも下落のトリガーによっては思わぬ大きな調整とならないとも限りません。

上段 ダウ平均 S&P500 SOX指数
下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株 AM1:15時点

米株が崩れている!と騒ぐほどの下落ではないですが、しかし調整のフェーズに入ったように見えますので、この局面で日本株だけが独自に上昇することは期待できませんね。。。

おそらく今夜の米株下落のトリガーは米金利の上昇です。米金利上昇が止まりません。

米国債利回り

なぜ10月から金利上昇が続いているのか?
最初のきっかけはあまりに予想を上回る結果となった9月雇用統計の数字だったかと思いますが、その後、米9月CPI(消費者物価指数)も予想を上回り、先週発表された9月小売売上高も予想を超える強さだった、ということなど「米経済の強さ」が積極的利下げの必要を感じない、インフレ再燃のリスクもあると言った思惑につながっている可能性があると思いますが、それだけではなく「悪い金利上昇」の可能性も否定できません。

今夜は米景気指標が悪かったにも関わらず金利上昇が止まらないのです。
・米9月景気先行指数:前月比▼0.5%
   (予想:▼0.3%、8月:▼0.2%)

米金利上昇が続いているワケは・・・

■「今後6カ月内に10年物米国債利回りは5%の節目を試すことになり、イールドカーブはスティープ化するだろう」
■米政府の赤字を補填するための米国債発行が、新たな供給で「市場をあふれさせている」同時に、FRBの量的引き締め政策(QT)により、米国債に対する需要の主要な源泉が失われた。
■ドナルド・トランプ前大統領もカマラ・ハリス副大統領も、選挙運動の主要な要素として赤字削減を訴えてはいない。そのため、米国の政府債務は市場参加者にとって最重要のリスクとなっている。

トランプ候補、ハリス候補どちらになったとしても米国の財政赤字問題は深刻で、赤字補てんのための新規米債発行で債券市場の需給が緩み、米債価格は下落、金利が上昇するリスクがあるということです。現在FRBはQTを実施しており、巨大な米債の買い手はいないというのも金利上昇リスクだというのですが、金融市場にショックがあれば再びFRBが債券買いに転じるでしょうからその点はあまり深刻に考えなくていいと思いますが、高すぎる株価の調整はあっても不思議はないでしょう。

上記記事は誰が大統領になっても、という指摘ですが、市場はトランプ氏が大統領になるシナリオを描き始めており、トランプトレードが金利上昇をもたらしているという見方もあります。
昨日のnoteに書きましたが。⇩
トランプ政権が2017年に導入したトランプ減税は2025年に期限を迎えます。トランプ氏は減税を延長、恒久化することを主張しているためトランプが大統領となれば、この減税措置は続きます。試算するとこのトランプ減税は今後10年間で財政赤字を5.3兆ドル拡大させるとか~

そして、債務上限問題への警戒。

また米国の債務上限は2025年1月1日まで適用が停止されていますが、1月に復活します。この問題が早期に解決(再延長もしくは債務上限の引き上げで合意)できるかどうかはとても重要です。ムーディーズは9月に米国債の格下げリスクがあると警告を発しています。

果たして金利がどの程度上がったら米株が下落に転じるのか、というのは◯%が閾値とはっきり言えるものではありませんが、コロナ後の世界でS&P500が大きな調整を強いられた2回のケースを見ると、最初の金利上昇フェーズでは3.9%超え、2回目は4.2%超えで株価に大きな調整がありました。
現在の長期金利は4.178%。そろそろ4.2%ラインに到達します。

S&P500(青の山)と米長期金利(ロウソク足)

ドル円相場再び150円大台へ

米株が大きな調整を強いられるリスクオフ相場になればドル円相場も円高になると考えられますが、今夜の米株下落程度ではリスクオフ相場というムードではありません。今夜の米金利上昇に素直に相関してドル円相場は再び150円大台を超えてきています。

ドル円5分足と日米金利差(2年)

小売売上高が強かったことで急伸した米金利、先週金曜日は低下していたのですが、週明け10/21(月)再び猛烈に米金利上昇となりドル円もこれにつれて上昇してきました。明日あたりまた日本の通貨当局から牽制発言があるでしょうか。

ドル円日足

ドル円相場90SMA(緑ライン)で一旦上値を叩かれたのですが、今日の米金利上昇でこの抵抗を突破、7/3~9/16の20円下落に対する半値戻り(黄色ライン)の150.76円が目前に迫ってきました。

円安なら日本株上昇となってほしいのですが、今の日本株市場はそのようなセンチメントにありません。今夜の日経平均先物は現物市場より安く推移しています。

日経平均先物 38910円近辺で小動き(1:52)

原油反発、イスラエルのイラン報復への警戒

ブレンド原油が下げ止まって反発しています。

ブレント原油日足

先週19日、ヒズボラの無人機がネタニヤフ氏の私邸の隣で爆発。ネタニヤフ首相は不在で無事でしたが、イスラエル外相は「レッドラインを再び超えた」としてイランへの報復を協議しています。 足元で原油供給網に何ら障害が出ているわけではないので原油が急騰することは考えにくいですが、報復の規模によっては原油のショートカバーで原油価格が短期的に上昇するリスクはありそう。
原油上昇は金利上昇リスクです。地政学の緊張も無視できません。

ドル需要増加?ドル独歩高続く

■オプション市場では米ドルの買いとシンガポール・ドルおよびオーストラリア・ドルの売りの組み合わせが最も人気の高い取引
■メキシコ・ペソおよびユーロに対する米ドルの買い需要も強い
■「10月に入ってからのドル買いにもかかわらず、ドルのネットポジションは全体的には依然としてかなりニュートラルな状態
■トランプ氏は、当選した場合には欧州にも米国の関税を拡大する可能性を示唆しているため、ユーロの下落リスクが高まっている。

10月以降、ドル独歩高です。米金利上昇も背景ですが、ドル買いトレードがファッションなんですね。

通貨インデックス比較2024年1月~ 米ドルだけが上昇している

ユーロドル1.10444ドルショートは200SMAを超えなかったため継続。
0.6055でキウイドルショート追加。
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