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ドル反発は本物か、市場は明日のパウエル議長講演と植田日銀総裁発言に注目

23日、ジャクソンホール パウエル議長講演控えドル買い戻し

6月26日からDXY(ドルインデックス:赤いライン)は下落トレンドを形成していますが、今夜は反発基調。明日のイベントを控えポジション整理でしょうか。テイクプロフィット。

6月~通貨インデックス比較

タカ派の要人発言も意識されたでしょうか。

シュミッド米カンザスシティ連銀総裁、利下げに慎重な発言
「利下げを支持する前にさらなるデータを見る必要がある」
「雇用統計の年次改定は私の考え方を変えるものではない」

シュミットさんはボウマンFRB理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁に次ぐタカ派で知られていますので別段驚きでもないのですが、市場があまりにピッチの早い利下げを折り込みすぎていたため、明日のジャクソンホール会合のパウエル議長講演を控えドル安の巻き戻しが起きています。

そしてこれは英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長のモハメド・エラリアン氏のインタビュー記事。

・金利スワップ市場では、米金融当局が年末までに1ポイントの利下げを実施するとの見方が固まってきている
・米利下げ回数、市場は織り込み過ぎていて「問題だ」

今から年内に1%の利下げということは9月、10月、12月の3回のFOMCのうち、いずれかの会合では0.5%の利下げがあることを示しています。現状、マーケットはそれを織り込んで動いているため、それはやり過ぎだろうというご指摘。というわけで市場は明日のイベントを控えて巻き戻っているようですね。これだけドル金利が反発すればドル高にもなるでしょう。

米国債利回り 長短金利軒並み反発

ドル円相場もほぼ金利動向に沿った動きです。これはドル円5分足と日米金利差(2年)ドル金利反発にドル円が反発基調になっていますね。

ドル円5分足と日米金利差(2年)

今夜の米経済指標はまちまちだが米経済の底堅さ確認

【米PMI強弱まちまちの結果】
・8月製造業PMI:48.0(予想:49.5、7月:49.6)
             昨年12月以来最低・2ヶ月連続50割れ
                                    
・8月サービス業PMI:55.2(予想:54.0、7月:55.0)
            予想に反して上昇    
            
・8月総合PMI:54.1(予想:53.2、7月:54.3)
            7月54.3から低下も予想を上回った
 
【労働市場の冷え込みは緩やか】          
・先週分新規失業保険申請件数:23.2万件
           (予想:23.0万件、前回:22.8万件←22.7万件)        
2週連続の減少から増加に転じたものの先週比+4000人と微増。
労働市場の冷え込みは依然として緩やかであることを示す水準。

【カンザスシティ連銀製造業活動指数、改善】
・8月カンザスシティ連銀製造業活動:▼3(予想▼9、7月▼13)
            →12ヶ月連続マイナスも予想以上の改善
【中古住宅販売件数・5カ月ぶり増加】
・7月中古住宅販売件数:395万戸(予想:394戸、6月:390万戸←389万戸)
             →予想を上回る

ドル金利反発を阻む悪い指標はなかったこともドルの買い戻しを加速させています。

ドル金利反発で米株反落、金利反発が続けば調整入りとなるか

8/5を底に(日本版ブラックマンデーの日)8営業日連続上昇などの記録を示現し今年の高値に迫っているS&P500ですが、今夜の金利反発で一服。米金利低下はFRBの利下げ催促でもありますが、利下げ催促=米経済の先行き減速を織り込んでいるとするならば、株価は景気動向はお構いなしに楽観的だと見ることもできます。年内1%もの利下げ期待だけで上がってきたのだとすれば前述したエラリアン氏が指摘するように、市場が期待したほどの利下げのスピードにならなかった場合は、ドル金利反発とともに米株の調整が入る可能性が出てきます。その意味で明日のパウエル議長の講演に、今後の利下げについて言及があるのか?と市場関係者の注目が高まっているわけです。

S&P500日足

ただ、炭鉱のカナリアVIX指数はやや反発してきているものの20を割り込んだ水準でリスク値はそれほど上がっているわけではありません。

VIX指数

またリスクが高まるとまっさきに売られるハイイールド債も堅調に買われて上昇しています。このあたりを見ていると、大きく崩れるイメージはありませんね。下落があっても、あくまで今回の急上昇の調整程度でしょうか。

HYG ハイイールド債

円の方向を占う植田日銀総裁発言「閉会中審査」

ドル円も今日の陽線は比較的大きく、下落基調が止まってここからの展開が読みにくくなりました。

ドル円日足

円に関しては明日の植田総裁の発言にも注意が必要ですね。7月日銀会合後のご自身のタカ派会見を修正し市場に配慮した発言に変わっているなら、円売りに安心感が出てドル円はさらに上昇していく可能性があります。しかし、ドル円や株価が乱高下したからといって日銀がスタンスをコロコロ変えていいものではありません。日銀の責務は物価の安定です。またあまりにハト派転換すれば円キャリー再開となり、7月財務省、日銀で阻止した円安をまたも招く事になりかねない、という意味でバランスの取れた発言が求められます。失言があればどちらかに大きく動くリスクが高いイベントだと思っています。

閉会中審査は23日午前9時半から衆院、午後1時から参院で委員会を開催し、所要時間はそれぞれ2時間半が予定されています。

146.03円ドル円ショートは、またも反発で買い戻しを強いられています。コストまでもどる前に1時間足の下落トレンドの上値抵抗を抜けた145.80円で買い戻しましたので、やや利益を確保。

ドル円1時間足

1時間足、雲の上にも顔を出しましたので、ドル円反発のフェーズに入ったような気がします。もう一度38.2%戻りの149.40円近辺をトライする展開でしょうか。要するにレンジなのですが、ここを取りに行くのも面白いかな、とは思い146.07円で打診買い。イベント控えているので少額。コストには逆指値。

英PMI好結果でポンド上昇もテクニカル節目到達

今日は欧州、英国のPMI速報値が注目されました。
・英・8月製造業PMI:52.5(予想:52.2、7月:52.1)⬆️
・英・8月サービス業PMI:53.3(予想:52.8、7月:52.5)⬆️
・英・8月総合PMI:53.4(予想:53.0、7月:52.8)⬆️
軒並み前月から予想以上の改善となったことでポンドが買われました。
今日の上昇で23年7月高値にトライしましたが、市場全般がドル高の基調2点間してしまっていることから節目突破には失敗。一旦手仕舞いました。
1.2864ドルロング→1.3087ドル

ポンドドル日足

今回の上昇に対してフィボナッチリトレースメント。23.6%、38.2%押しあたりで再び買おうかな、と考えていますが週末のイベントで、ドル金利の修正が大きくなりそうなら38.2%まで待つ方がいいでしょうか。

NOTE

欧州PMIは最も早く出たフランスが良かったものの、その後ドイツの数字が悪く、ユーロ売りに。ユーロ圏の数字はまちまち。

・独・8月製造業PMI:42.1(予想:43.3、7月:43.5)⬇️
・独・8月サービス業PMI:51.4(予想:52.3、7月:52.5)⬇️
・独・8月総合PMI:48.5(予想:49.2、7月:49.1)⬇️

・ユーロ圏・8月製造業PMI:45.6(予想:45.8、7月:45.8)⬇️
・ユーロ圏・8月サービス業PMI:53.3(予想:51.7、7月:51.8)⬆️
・ユーロ圏・8月総合PMI:51.2(予想:50.1、7月:50.2)⬆️

ということでユーロドル上昇も一服、比較的大きな陰線示現。ドル高とユーロ自身に弱気材料が出たことでポンドの下落より大きくなっています。

ユーロドル日足

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