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自公過半数割れでも日本株上昇のなぜ?ドル円上昇の背景

意表を突く日本株急騰、与党大敗でなぜ?

今日の日本株上昇は驚きでした。確かに先週までに「自公過半割れ」「自民党単独獲得議席200割れ」などネガティブな観測が日本株を押し下げてきましたが、実際にそうなったことで「材料出尽くし」の買い戻しでしょうか?
いえ、思惑はいろいろあるようです。

日経平均日足 10/28(月) +691.61円 38,605.53円

選挙結果から見えてくる「株高」の背景

1)自公過半数割れだが「絶妙な負け方」
自公与党で過半数の233議席が勝敗ラインと石破首相は述べていました。これを大きく割り込む215議席は大敗ではありますが、第1野党の立憲民主党の議席は148。与党を脅かすほどではありません。立憲民主党が掲げる物価目標0%超、脱原発といった日本経済をデフレ化させるリスクはない結果となったものの、増税路線であった石破首相の進退が問われる大敗であった、ということがマーケットに好感されたという見方。

石破首相は今日記者会見で続投の意思を示しましたが、国民の支持を得られなかった石破政権と連立、あるいは閣外協力を申し出る党はないと考えられ、石破氏が辞任しないことには、何一つ前に進まないとみられます。ということで、野党に政権が渡ることはなかったが、石破退陣、高市総理期待が売り方の買い戻しを誘ったということでしょうか。衆院選後30日以内となる11月26日までに特別国会を開き、新首相を選出することが憲法に定められていますが、石破首相で行くという話にはならないと見られます。

2)立憲民主党大躍進予想があった
今日、色々関係者と話をしていましたところどうやら市場の一部に、立憲民主党が大躍進し自民党を脅かす可能性を警戒する向きがあったようです。そうなった場合、株安円安債券安のトリプル安が市場を襲うブラックマンデー再来となるだろうという過度な悲観があったのが、選挙結果を受けて心配には及ばず、ということで買い戻しが入ったという見方。

3)国民民主党との連立期待
今回の選挙で衆院が「ハング・パーラメント」状態となってしまいました。単独で過半数を占める政党がない宙吊り議会という意味です。石破首相は国民民主に秋波、とも報じられており今回議席を大きく伸ばした国民民主党の掲げる政策に、市場がフォーカスしはじめたという見方。国民民主党が書かがる公約は所得税減税、消費税減税、ガソリン代値下げ、電気代値下げ、
現役世代の社会保険料軽減など、景気押上げが期待される政策です。原子力発電所の建て替え・新増設で、輸入に頼らないエネルギー確保という政策も、海外投資家の日本市場への投資意欲に繋がります。

政局は流動的で、石破首相の進退、連立の骨格がはっきりしない中で株価が上がっていくというのは大変珍しいことです。政権与党が安定しない状態というのは基本株の売り材料にはなっても買い材料にはならないものですが、石破首相はよほどマーケットに嫌われているようです。

今日の上昇は、ショートカバー(売り方の買い戻し)主導だったかと思われますが、ここから積極的な日本株の新規買いが出るでしょうか。これは次の首相が誰か、どこと連立が組まれるのかがハッキリしてからではないかと思っていますが、期待が相場を作ることもありますので、前向きな結果を織り込んで先んじて株が上昇していく可能性も否定できないかな・・・。

政治イベントとこれだけの悪い結果を織り込んでも、結局日経平均はレンジ相場の中でしか動いていないというのも事実で、ここからは企業の業績を見ながら動く相場にシフトするのかもしれません。

企業決算、今週米国ハイテク株の決算発表に注目

・マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタが決算を今週発表
・ハイテク同4社、7-9月の設備投資額は過去最高になる見通し
・エヌビディアの5-7月(第2四半期)売上高のうち4割以上をこの4社が占めている
・S&P500種株価指数は今年、22%値上がりしているが、その約4分の1をエヌビディアが占めている。

エヌビディアへの需要動向を見極める上で、各社の人工知能(AI)設備投資に注目が集まります。エヌビディア決算はまだ1ヶ月先ですが。

ドル円上昇は選挙結果というより「米金利上昇」

ドル円相場は今日153.87円まで上昇。日本株上昇で円安という相関なら典型的なリスクオン相場だったということになりますが、市場の一部には政治の混乱で日銀の利上げなどの政策決定に影響が出る可能性を指摘する向きがあります。しかしそもそもの市場のコンセンサスは12月、もしくは1月の利上げであり、現状の政局混乱がこの時期の利上げに影響するとは思えませんので、日本の材料で円安になっているというよりは、ドル金利高の影響と見るほうが自然な気がします。今夜も米金利上昇は止まりません。

米国債利回り どこまで上がるの~

ドル円相場は日米金利差に沿って素直に動いています。今日の東京時間の円安ドル高は時間外取引での米金利上昇に連れ高になっただけではないでしょうか。

ドル円15分足と日米金利差(2年)

米金利、このまま上昇が続けばドル相場の上昇も続くということになります。ドル円相場は今日153.87円まで上昇。テクニカル的には上値の抵抗がない。155円くらいまでは上がるかな・・・・

ドル円日足

このドル金利上昇の背景に来週の米大統領選挙に向けたトランプラリーとの指摘もありますが、だとするなら、この金利上昇も11/5の選挙を節目に一服する可能性もありますね。というより、今週末金曜日は米雇用統計です。雇用統計の数字が予想より悪ければ、金利低下、ドル円上昇も止まる可能性があると見ていますが、数字が良ければ・・・上がるか。

●11月1日(金)21:30「雇用統計」
       「NFP」予想10.8万 前月25.4万
 「失業率」予想4.1%  前月4.1%
 「平均時給」予想0.3%   前月0.4%(前月比)
        予想4.0% 前月4.0%(前年比)  
 ●前回9月分の雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.4万人増と市場予想を上回り、失業率は4.1%と予想に反し前月から低下するなど総じて強い結果でしたが、9月末に米国に上陸したハリケーン「ヘリーン」の影響を含む週の統計ではありませんでした。今回10月分はこの影響がでるか?

152.74円でドル円買ってみました。
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