トランプ劇場開幕？！カナダドル・メキシコペソ、日本株下落の背景

2024年11月27日 00:49

トランプ劇場開幕？トランプ氏SNS投稿で日本株下落

26日（火）8:35、トランプ次期大統領が自身が運営するSNSトゥルース・ソーシャルに

トランプのSNSでの関税投稿 pic.twitter.com/skcN4ctqga
— RING 🇯🇵 #Investor #Trader (@xRINGx) November 26, 2024

麻薬などの違法薬物の流入を理由に、米国が既存の全ての課税に加えて中国からの輸入品に10％の追加関税を課すと投稿。
更に別の投稿で、カナダとメキシコからの移民や違法薬物の流入を理由に両国からの全ての輸入品に25％の関税を課す文書にも署名すると投稿しました。これに市場が反応。カナダドルとメキシコペソに売りが広がります。
ドルストレート通貨（対ドルでのカナダドルとメキシコペソ）でもペソ売り、カナダドル売りが加速しましたが、クロス円通貨のトレンド決壊のほうが印象的でした。8/5の令和版ブラックマンデーの急落以降の円安のトレンドサポートラインをきれいに割り込んでしまいました。

　25日（月）の米株市場も堅調でダウ平均が史上最高値を更新する中、日本株も上昇が期待されていたのですが、このトランプ砲で日本株市場には売りが広がり、日経平均は一時700円を超える下落となりました。
ただし、下げ幅はかなり縮小して取引を終えています。そもそもトランプさん、まだ大統領就任していないし。また7兆円規模の中間配当の再投資への思惑も下値を支えたと見られます。

日経平均日足　11/26（火）▼338.14円　38,442.00円　下げ幅を大きく縮小

中国やメキシコ、カナダへの関税強化であって、日本は関係ないんじゃないの？という声もありますが、メキシコには、トヨタ、ホンダ、マツダ、日産など日本の自動車メーカー4社の工場があります。ここで生産された自動車がメキシコへ輸出されている構図から関税強化はこれら企業の収益に響くと懸念されるのです。自動車部品メーカー、電機、電子部品メーカー、物流や食品メーカーなどメキシコ進出企業は多岐に渡ります。同じことが中国にも言えますね。中国に生産拠点を構えそこから米国へ輸出する企業の収益悪化懸念が日本株売りにつながるというわけです。

ただし、トランプ氏が大統領に返り咲いた暁には関税強化政策に打って出るということは、事前にわかっていたことですし別段新味のある材料ではありません。なにより、トランプ氏はまだ大統領に就任していません。これで株が下がり続けるほどの材料かと言われるとまだ時期尚早な気がします。日経平均は短期筋にいいように動かされているだけに見えます。要するにレンジトレード。売り材料が欲しかったところに燃料が投下されただけなのかもしれません。

ドル円相場はトップアウトしたのか

クロス円下落に引っ張られたか、ドル金利低下の影響か、ドル円相場は今日152.97円まで下落、一時153円を割り込みました。
11/15の156.74円が高値となり上値が切り下がっています。

今夜は長期金利がややリバウンドしていますが、短期金利は弱いようです。

154.51円ドル円ショートは継続。
ポンドドル1.2628ドルショートも悩みながら継続中。
NZドル円90.35円ショート継続。

カナダ、ペソ売りも面白そうですけどね。

ユーロには買い材料が乏しいが、、、

デギンドス副総裁
インフレ率が低下する中で利下げを継続する方針

センテノ・ポルトガル中銀総裁
ユーロ圏のインフレ率がＥＣＢ目標の２％を大きく下回る水準に戻らないよう警戒する必要がある

ユーロ圏CPI,10月には2％割り込んでいるんですね。

金利を下げないと景気悪化＝インフレ低下に繋がりますので、欧州は利下げ必須。景気が強すぎて利下げ速度が緩やかになるのでは、という米国とは異なります。

というわけで、ユーロを買う材料はなく、市場ではパリティ予想も出ているのですが、如何せん下げすぎたので足元ではリバウンド中。ドル金利がベッセント相場（トランプ氏、財務長官にスコットベッセント氏指名）で低下、ドル安となった影響もありますね。

今夜ダウ平均など米株は調整ムード、SOX指数の下落が気がかり

昨日25日（月）に史上最高値を更新したダウ平均。今夜は反落、調整ムード強し。これと言って米株の売り材料が出たわけではありません。

気がかりはSOX指数。今夜200SMAに阻まれる格好で反落しており、チャート形状はあまり良くありません。200SMAと90SMAとデッドクロスしていますね。

というのも、せんしゅうのNVIDIA決算以降NVIDIA株が軟調。下落が続いています。そういえば11/8からダウ平均にはインテルに替わってNVIDIAが採用されているんだっけ。まあ、トレンド崩壊というような下落ではないので、あまり心配はないのですが、半導体セクターの弱さは日経平均にはネガティブな材料ですね。