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日経平均、アイランドリバーサル?!ドル金利低下でもドル高の理由

日経平均にアイランドリバーサルトップ出現?

ASMLのフライング決算で日経平均、嫌なチャート形状となってしまいました。7/11日経平均は史上最高値の42426円まで駆け上がりましたが、その高値は前日のロウソク足から窓を開けた形で出現。翌日、今度は窓を開けて下落し、7/11の高値はまるで離れ小島のような形となりました。結局その窓を埋めることなくズルズル崩れていき8/5の日本版ブラックマンデーへとつながっていくのですが、その離れ小島が今日再び出現しました。この窓を早晩埋めることができなければ当面のトップアウトを示す「アイランドリバーサルトップ」となる可能性が。

10/16(水)日経平均 ▼730.25円 39,180.30円 

日経平均のチャートがこのような形状になってしまったきっかけは、何らかのミスで1日早く発表されてしまったASMLの決算内容が悪かったためですが、昨日の米国株市場はNY連銀製造業景気指数が悪かったこともあって全面安でしたが今夜米株市場は持ち直しているようです。

世界の株価AM3:00

ただ、今夜の日経平均先物はあまり上がっていません。39400円で上値が重い印象です。窓を埋めるには39900円を超えて上昇する必要があります。明日どの程度日経平均が反発してくれるか、窓を埋める勢いがあるかに注目です。

日銀安達審議委員講演でドル円神経質に動くも結局円安へ

7月に利上げに踏み切った日銀ですが、審議委員の間でもリフレ派とされる安達審議委員が16日高松市で講演。発言が注目されただけあって、ややドル円相場が動きました。利上げ環境は整ったとしながらも、拙速な利上げは避けるべきとの内容でした。ハト派の安達さんが利上げ環境が整ったと発言したと伝わった瞬間は円高となりましたが、その後の利上げに慎重であるべきとの内容にドル円相場は下落幅を取り戻して上昇(円安ドル高)が進んでいます。

ドル円5分足、日米金利差(2年)

今日発表された日本の機械受注の数字などを見ていても、確かに拙速な利上げは必要ないと思いますね。
・日本8月機械受注(船舶・電力除く民需):
前月比▼1.9%(予想:+0.1%、7月:▼0.1%)

今夜はドル金利は抑制的で上昇していないのですが、ドル円は上昇基調を強めています。上記チャートでも日米金利差(黄色ライン)は横ばいなのにドル円は上昇しています。

米国債利回り 金利低下だが、、、

通貨インデックスを俯瞰してみると10月からドル高トレンドが続いています。ドル買いが正解。ドルを買って、ユーロやポンド、オセアニア通貨を売っていれば利益となっています。円売りでも良いですが、150円の節目手前まで来ていますのでチャート的には抵抗が強い水準で思うようにはうまくいかないですね・・・

通貨インデックス比較

なぜここ数日はドル金利が低下しているのにドル高なのだろう?と思い主要国の短期金利をチェックしてみたら、ドル金利以上に英国や欧州、カナダなどの金利低下が大きいんですね。相対的にドル金利低下は緩慢なのでつよいということです。日本の短期金利は下がっていないのに円売りとなってしまうのは、やはり金利の絶対水準が低すぎるためなのでしょう。

主要国短期金利推移(2年国債利回り)

英国はじめ主要国のインフレ低下で利下げ観測強まる

・9月消費者物価指数:前月比+1.7%(予想:+1.9%、8月:+2.2%)
・9月生産者物価指数:前年比▼0.7%(予想:▼0.6%、8月:+0.2%)

英国CPI推移(前年比)

短期金融市場では利下げ観測が強まり、トレーダーは11月と12月の2会合連続利下げを見込んでいる。CPI発表前は年内にあと1回の利下げのみが想定されていた。

ポンドドル日足 

カナダの短期金利の低下も大きいですね。昨日カナダのCPIが発表されていましたが、やはりインフレ低下による利下げ観測が強まったためです。来週BOCカナダ中央銀行による金融政策会合が予定されていますが、0.5%の利下げ織込みが急上昇。

カナダの9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.6%上昇と、8月の2.0%から伸び率が鈍化した。ガソリン価格の大幅な下落が主な要因で、2021年2月以来3年7カ月ぶりの低い伸びとなり、市場ではカナダ銀行(中央銀行)が来週の会合で50ベーシスポイント(bp)の利下げを決めるとの観測が強まった。

カナダCPI推移 前年比

そして今日はNZのインフレ率低下でやはり11月のRBNZ(NZ中央銀行)の金融政策会合で0.5%の利下げ観測が台頭しているようです。
・NZ・7-9月期消費者物価指数:
 前年比+2.2%(予想:+2.2%、4-6月期:前年比+3.3%)

NZ CPI推移(前年比)

NZのCPIは毎月発表されません。四半期に1度の発表。
RBNZは今月10月の会合で0.5%の利下げを決定したばかりですが、次回会合でもさらに0.5%の利下げ観測が出てきました。ちなみにNZが0.5%を超える利下げを行うことは珍しく、コロナ禍と2008年のリーマンショック時の2回しかありません。それだけインフレが低下しているということと、景気刺激が必要な状況だということなのでしょう。

NZドル/ドル 下落基調続く

明日はECB理事会。0.25%の利下げ織込み90%。

欧州中央銀行(ECB)は今週17日の理事会で追加利下げを決定するとみられている。
すでに6月と9月に利下げを実施しているが、ユーロ圏経済は前回の理事会以降、悪化しており、四半期に1回だった利下げペースが加速するとの見方が強まっている。~10月後の4回の理事会で3回強の利下げを予想している。

というわけで、米国が利下げサイクルに入り、足元ではドル金利も低下しているにも関わらずドル高なのは、米国の利下げペースよりも他の主要国の利下げペースのほうが早いだろう、ということですね。
これは政策金利推移です。NZ政策金利が急低下、英国も積極的利下げを実施する見込みとあって、米政策金利が最も高いということになりそう。

主要国政策金利推移

ポンドドル1.3117ドルショートと
ユーロドル1.10444ドルショートは継続。
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