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長期金利15ぶり2009年以来の1.43%へ
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日本の長期金利2009年来の1.43%へ
週明けの10-12月期GDP速報値発表を受けて日本の金利上昇が加速しています。今日はとうとう1.43%台へ。これは2009年以来15年3ヶ月ぶり。
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今日は元日銀副総裁の中曽氏の日本記者クラブでの講演が話題となりました。今回の利上げは政策金利1%到達にとどまらず1%を超える水準まで利上げがある可能性に言及しています。
■日銀は当面、1%程度を目指して政策金利を引き上げていき、その後も利 上げの余地を模索する展開になるとの見方を示した。
■政策金利が1%を超える水準まで引き上げられる可能性に言及した。
そりゃ日本の金利上昇止まりませんって。足元のOIS市場では、6月日銀会合での利上げ織り込みが60%にも達しているようです。
今日はドル円相場、下げ止まって小さなレンジ内で動いていますが、明日は現在の日銀審議委員である高田氏の講演が注目されており、タカ派とされる高田氏の発言によってはさらなる円高リスクもあると考える投資家も多いようです。まだ下げ止まったとは考えにくいですね。
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余談ですが、この日本の金利上昇で大手生保3社は総額4700億円の日本国債の売却損が出たようです。
国内債の含み損は、昨年12月末時点で日本生命が2兆5311億円、第一生命が1兆3764億円、住友生命が1兆842億円、明治安田が9389億円と規模が大きい。それぞれ6月末から9月末にかけて縮小したが、12月末では再び拡大に転じた。
金利上昇=債券価格下落です。生保が保有していた日本国債価格が急低下、損切りを強いられたということです。
ドル円相場、まずは明日の高田審議委員の講演に注目です。10:30~講演、14:00~会見というスケジュールです。
ドル円154.39円ショート、ドルカナダ1.4296ドルショート継続。
今週23日日曜日はドイツの総選挙
2月23日、ドイツで連邦議会(下院)選挙が実施されます。そもそもは任期満了に伴い、今年9月に行われる予定でしたが、昨年末に財政政策をめぐって社会民主党(SPD)のショルツ首相と自由民主党(FDP)のリントナー前財務大臣が対立した結果、FDPが離脱、【SPD、FDP、 緑の党】3党連立政権が崩壊しました。ショルツ首相の信任投票が反対多数で否決されたことでシュタインマイヤー大統領は議会を解散、前倒しで総選挙が実施されることとなったのです。前倒しでの総選挙は20年ぶりのことだそうです。
ドイツの昨年2024年の実質GDP成長率は前年比▲0.2%、2023年は▲0.3%で、2年連続でマイナス成長となっています。
経済の立て直しが必須となる中、選挙ではいずれの党も、法人税率減税、所得税減税、設備投資に対する10%の税額控除などを掲げています。つまり選挙後は財政規律を重視するドイツの減税が実現する可能性が出てきた。
ドイツでは、国債による借り入れを名目GDPの0.35%以内に抑えるよう憲法で定める「債務ブレーキ条項」が、これまで大規模な財政出動を難しくさせてきましたが、SPDや緑の党は「憲法改正を伴う債務ブレーキ条項の見直し」で減税を実現させ経済対策の規模拡大の必要性を訴えています。
足元で、ドイツ株DAXが上昇している背景には、ECBが利下げサイクルにあることに加え、総選挙によって減税を実現できる可能性が高まっていること、2年連続マイナス成長のドイツの立て直しの経済対策が大規模に打たれるだろうことへの期待が織り込まれているのだと思います。
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ここで日経平均を見てみましょう。
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日本は国民民主党が基礎控除等を103万円から178万円に引上げることを通じて、低所得層に対する所得減税を行うとともに、所得税支払いを回避するために労働を控えてしまう「年収の壁」問題への対応を求めていますが、自公政権はこれにまともに応えようとしません。おまけに社会保障料は知らぬ間に上がり続けて来たことで家計は苦しい。昨日発表された10-12月期GDP速報値は一見いい数字に見えますが、個人消費は7-9月期の0.7%から0.1%に低下し内需は非常に弱い。家計が苦しいことが伺えますね。2024年の通年の実質GDPは前年比0.1%増とほぼゼロ成長だったにもかかわらず日銀は利上げを開始、足元でも継続利上げ姿勢を強めています。
この環境で日本株を新たに買い進める投資家が不在なのは仕方ありませんね。
ユーロがどう動くか予想が難しいので、総選挙を見極めるまでは静観。
豪州、4年ぶり利下げ実施へ~政策金利4.1%へ
RBA豪州準備銀行は予想どおり、0.25%の利下げを実施しました。この利下げは2020年のパンデミック以来4年ぶりです。ただし、タカ派的利下げとなりました。
ブロック総裁「今日の決定は、市場が示唆するような追加利下げが実施されることを意味するものではないことを明確にしておきたい」
ブロック総裁は記者会見で市場が織り込む連続利下げの見通しに警鐘を鳴らしました。利下げでも豪ドルがそれほど下がらなかったわけです。
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