見出し画像

9月FOMC0.5%利下げ、年内あと0.5%の利下げ想定

FOMC0.5%利下げ、年内あと2回(0.25×2回)利下げ想定

直前になって、元セントルイス連銀ブラード総裁、0.5%の利下げはやりすぎだと主張、22:30発表の8月住宅着工件数も前月比9.6%増加と予想以上の増加を示し、前日の小売売上高や鉱工業生産指数が良かったことなどもあり、0.5%の利下げ織込みが直前には55%にまで低下していましたが、結局0.5%の利下げを決定しました。

FOMCメンバーの金利見通し、ドットチャートはこちら

ドットチャート

ドットチャートはばらつきがあるため、中央値を取ってわかりやすくまとめると下記のようになります。

FOMC金利見通し 0.25%を1回とカウント

利下げ前のFFレートは5.25-5.5%、今年年末までに4.375%(中央値)まで下がる見通しです。今回0.5%下げましたので、年内あと2回(0.25%×2回)の利下げが想定されます。

来年2025年末には3.375%まで、2024年末時点から さらに1%の利下げが想定されており、合計0.25%×4回利下げが想定されます。FOMCは年8回ありますから、半分は据え置きのFOMCがあるという想定。

2026年はそこからさらに0.5%利下げ見通しで2.875%まで金利が下がる想定ですが、これはロンガーラン(中立金利=長期見通し)と同じです。2026年には利下げが終わる見込み。

しかし、このロンガーラン、6月2.75%からさらに引き上げられていますね。最終的に米金利は2.9%程度に落ち着くという見通し。長く2.5%に据え置かれていましたが、段階的に引き上げられているということはインフレは長期的には大きくは下がらないと見ているということですね、現時点では。

経済見通し、失業率の悪化を想定

通常の利上げ、利下げは0.25%づつ刻むのが定石ですが、今回最初から0.5%と2回分の利下げに踏み切ったわけはなんでしょうか。おそらく労働市場、雇用の悪化が背景にあるものと思われます。
経済見通し、年内の失業率4.4%まで悪化する見通しに下方改定されています。6月時点では年末の失業率は4%程度を見込んでいましたが、この3ヶ月で急激に悪化しました。といいますか、8月2日に発表された7月分の雇用統計ですでに失業率は4.3%まで上昇していましたね。更に4.4%までの失業率上昇をFRBは想定しているということです。4.3%に失業率が上昇した時点で景気後退シグナルであるサームルールが発動したと騒がれましたが、8月の雇用統計で失業率が4.2%に改善してもなお、サームルールは点灯したままです。それが年末に向けてさらに悪化するとなると、景気後退リスクは非常に高まっていると言えるでしょう。

FOMC経済見通し 下方改定値は赤字で表記

利下げでドル円下落もパウエル議長会見で全戻し

ところが難しいのはマーケットの反応です。0.5%の利下げは直前に55%程度織り込まれていたとはいえ、45%は0.25%だと思っていたわけで小幅利下げだと見込んでいた向きにしてみればサプライズ。ヘッドラインではドル円相場勢いよく下落しました。この時米金利も急低下しています。

ドル円5分足と日米金利差(2年)

ところがパウエル議長の会見から猛烈に買い戻され、金利も反発。なんと全戻ししてさらにドル高となっています。パウエル議長は市場に過度な悲観が広がらないように発言したということでしょう。会見では色々発言がありましたが、金利が反発しドル円が反発したきっかけとなったと考えられる発言は以下の通り。

「0.50%の利下げを新たなペースと見なすべきではない」
「利下げは後手に回らないという決意のサイン」
「FRBが急いでいることを示唆する予測は何もない」
「適切であれば、利下げを早めたり遅らせたり、一時停止したりする」
「米国経済は全体的に強い」
「FRBは経済の強さを維持することにコミット」
「FRBは政策調整により労働力の強さを維持できる」

結局、FOMCで利下げを実施したにもかかわらず米金利は反発基調にあるんですよ、つまり、今回の0.5%の利下げは織り込み済み、ドットチャートもほぼ想定内の内容だったということで「材料出尽くし」の反応となっていると考えられます。このドル金利反発がドル円上昇につながっているものと思われます。

米金利は軒並み反発

ドル円は一旦反発のフェーズに入ったようにもみえます。今日の急落が行って来いで全戻し、さらに上昇していることで下ヒゲとなっています。

ドル円日足

円高のトレンドが止まったとは思いませんが、FRBの最初の利下げと経済金利見通しを吟味した結果、下落が一服したということはここからさらに金利が下がる悪材料、よほど悪い経済指標が出てこないことにはさらなる下落は考えにくいのでは・・・すでにFRBは年内4.4%までの失業率の悪化を見込んでいるということを見た上での金利反発です。ドル円相場は一旦反発のフェーズに入ったのでは・・・という気がしますが、東京時間の動きをみて下がったところがあれば買ってみたい(短期)気がします。

昨日の141.29円のドル円ロングは早朝に142円台まで上昇したものの東京時間にダラダラと下落、これはJFX小林社長によると輸入による実需の売りが出ているのではないかということですが、損にならないうちにと141.50円割れで手仕舞っています。明日も、輸出の売りが出る可能性もありそう、というお話でした。
今夜のFOMCライブ、たくさんの方にご参加いただきました、ありがとうございました。今日の東京時間のドル円下落について小林社長に解説いただいています。➡️ https://www.youtube.com/live/XBMx9VZT6k8

金利が上昇していることもあり、米株は今日は軟調です。FOMCで乱高下となったのですが、結果売られているようです。金利反発の影響もあると思われますが、労働市場の悪化、景気後退のリスクもある中、史上最高値を更新し続けるのも変な話ですよね。

米国主要株インデックス

NVIDIAが再度上値が重くなっていることも気になります。

NVIDIA

👉️💓ブログランキング!💓
いつもご覧いただきありがとうございます。

👉️ひろこの X

いいなと思ったら応援しよう!