
あなたが思うよりも、ずっとずっと「ながーーーーーーく」残るモノを作ると思います
と。
以前に、とある人に、言われたことがある。
※くまちゃんではない
眉間にシワを寄せながら
片手が、ひらひら、謎の動きをしながら
あさっての方に目をやったり、しかめ面になって瞑目したり
セミロングの髪をくしゃくしゃしたり
そんな風に、すごく考えながら。
奥底から、言葉をサルベージしながら。
その男性は、いろいろ単語を発した後、急に勢いがついた表情になって、
「そう、<長い>です。長い!」
ドヤ顔で、指をパチンと鳴らした。
まるで、マンガのキャラクターのようだった。
その頃のわたしは、日本の神様が絵のメイン。
その日も、一点を描いている渦中の一日だった。
まだ、龍は出てきていない時。
「長いんですよ。
物理的にっていうことも、まあ、あるかもしれないですが。
それよりも、年月。
残るものを、作る」
言われても、まるでピンと来ず。
ポカーンとしながら、聞いていた記憶がある。
彼がその時例に出したのは、古刹に残っている襖絵。
いつ奉納されたか不明な、褪色して久しい神社の奉納画。
「いや…一番近いのは、洞窟壁画みたいなヤツ?」
一気に、古代まで行った!
と、わたしは、人ごとのように聞いていた。
「なんか、そういう<長い>ものを作りますよ。今じゃないけど」
正直。
今でも
「そんなの、どうでもいいよ」
って、思っている。
後に残ろうが、残るまいが。
作品だって名前だって、残らなくても全然、いい。
残したいものは、もっと他にある。
カタチのあるものは、いずれ、崩れて消えていく。
けれど、人から人へと受け継がれていく「記憶」や「記録」は、仮に変質しようとも、残っていくものがある。
それこそ、古代人が残した洞窟壁画のように。
その当時のことは何も判明しなくても。
発見された壁画から、人はいくらでも、想像する。
その思い描いたことが本当かどうかは、神のみぞ知る。
ただ、ひとつ、確かなことがある。
「それが作られた頃、その壁画が、人々にとって
<とても、重要な意味をもつ存在だった>」
と、いうことだ。
記録として重要だったり。
通信手段として重要だったり。
精神的な拠り所として重要だったり。
そういう意味の「長いもの」なら。
残してみたい。
いや。
残るにふわさしいものが、残る...そういう、ことなのだ。
時の神に、愛される。
そんなものを。
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