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【D&I (ダイバーシティ&インクルージョン)メタバースがボーダレスな社会を創る】 D&I 推進におけるメタバース活用のキホン

※本記事は弊社が運営するPodcast番組「メタバースなう by Urth」の【第16回:D&I 推進におけるメタバース活用のキホン】の内容を記事化したものになっております。

近年、多様性を重視する「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」が社会的に注目を集めています。本記事では、新たなD&I推進の可能性を切り拓く「メタバース」の活用について、3回にわたって詳しくご紹介します。

記事で伝えたい2つのポイント

  1. D&I推進が人材不足などの社会課題を解決する

  2. メタバース空間では見た目での先入観にとらわれず、人々が趣味趣向でつながる


Podcast参加者
田中大貴(以下、田中):株式会社Urth 代表取締役CEO
久米川夏穂(以下、久米川):株式会社Urth インターン生(マーケティング担当)

久米川:
今回から3回にわたり、「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進におけるメタバース活用の実態」についてお話しします。
まず第1回目のテーマは、「D&I推進におけるメタバース活用の基本」です。
テーマについて簡単にご説明いただけますか?

田中:
D&I推進は、組織や社会の多様性を認識・尊重し、それを活かす環境を整える取り組みです。これにメタバースをどう活用するか、基本的なポイントをお話ししていきます。

D&Iの重要性と課題

出典:中小企業のためのダイバーシティ経営/ 経済産業省

久米川:
D&Iとは、単なる多様性の認識に留まらず、一人ひとりを受け入れ尊重し、個人の能力を最大限に発揮できる環境を作る考え方です。最近では経済産業省もD&I推進に力を入れています。

田中:
D&Iに関して、その裏側には人材不足があると思います。
今までの日本社会では、男性が働いて女性が家の仕事をするという、従来の性別役割分担に基づく考え方が主流だったのですが、それでは十分な人材が確保できなくなってきています。

今まで社会で働いていなかった人にも働き手になってもらうことで、国としての生産性を高めるところがポイントになります。

久米川:
D&Iを推進することで、実際にどのような効果がありますか?

田中:
D&I推進の主な効果として、主に以下の3点があります。
まず、優秀な人材の確保です。先ほども話に挙がったように、従来の働き手層だけでなく、今まで職場参加が難しかった層も採用可能にします。

そして2つ目は、社員のモチベーション向上です。働きやすい環境を整備することで離職率を低減し、従業員の意欲向上に繋げることができます。

また3つ目には、イノベーションの促進が挙げられます。日本にとどまらず、世界にプロダクトを販売したり、色々な場所に提供する時には、 多様な価値観を持ってる人が関わることが必要不可欠です。

久米川:
そしてこのD&Iですが、次の5つに大別されます。ジェンダー、ディスアビリティ、ニューカマー、 LGBTQ、そして、マルチカルチャーです。

それぞれに、以下のような課題が存在します。

ジェンダー
・女性の採用・管理職比率や男性の育児休暇取得率が低い
・日本のジェンダーギャップ指数の順位は他の先進国と比較して低い

ディスアビリティ
・障がい者の雇用率が低く、離職率が高い

ニューカマー
・業界未経験者やシニア層、若者の参入が進んでいない

LGBTQ+
・理解や支援体制が不足している

マルチカルチャー
・外国人労働者に対する悪質な労働環境や言語の壁がある

メタバースの特徴と活用例

久米川:
D&I推進に活用できるメタバースの特徴はなんでしょうか?

田中:
メタバースの特徴としては、匿名性が高く、外見や背景にとらわれずに交流できる点があります。また、仮想空間ではリアルに近いコミュニケーションが可能です。

久米川:
こうした特徴を生かして、メタバースは実際にどのように活用されていますか?

田中:
まず、障がい者雇用の支援としては、メタバースオフィスを活用することで、身体的な制約の克服、対人ストレスを軽減する環境づくりが可能です。

実際に、車椅子のファッションデザイナーの方が、メタバースの中で洋服を作成されているという事例があります。

また、 マルチカルチャーにアプローチした例としては、外国の方向けの研修施設をメタバース上で設置し、そこで日本の文化についてあらかじめ知った上で来てもらったり、 もしくは日本での働き方を具体的にイメージをついた状態で来てもらうというような取り組みが行われています。

さらに、教育分野では、物理的制約により通学できなかった学生がメタバース空間で授業に参加できるようになります。

久米川:
メタバース空間だからこそ解決できる問題としてはどのようなものがあるのでしょうか?

田中:
見た目による差別を防ぐことができます。リアルな世界だと、見た目で分かる障がいが、どうしても第一印象の一部になってしまいます。一方でメタバースでは、このような先入観、心理的なハードルを取り除いた状態で話ができます。

これはD&Iの全てに関わってくるところです。ジェンダーでも、ディスビリティでも、LGBTQでも、ニューカマーでも、そしてマルチカルチャーでも、メタバースの中であれば、その人のパッションやその人が学びたいことなどで繋がることができる部分は、今後、非常に有効活用されるのではないかと思います。

まとめ

久米川:
本日は「D&I推進におけるメタバース活用の基本」をテーマにお話しいただきましたが、最後にポイントを教えてください。

田中:
D&I推進は難しいテーマに感じますが、労働生産性を上げる取り組みと捉えると分かりやすいと思います。メタバースを活用すれば、これまでの技術では対応が難しかった課題も解決が可能となり、多様な人材が活躍できる環境を整えることで企業の成長に繋げることができます。


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